医院開業コラム
開業ロードを走り抜け マネートレーニング教本 第1回
2022.07.04
こんにちは!ペンデル税理士法人でございます。今回より『開業ロードを走り抜け マネートレーニング教本』を一年間連載させていただくことになりました。クリニック開業を考えた場合に「実際に何をどうすればいいの?」「お金はどうするの?」「経営のことは何も分からないのに開業していいの?」といった、さまざまな不安や疑問が生じると思います。そういった不安や疑問を少しでも解消できるように、税理士の視点から【開業】を次の9つのテーマに 分類してお話させていただきます。
クリニックの開業は、医師としての役割を担うと共に、経営者としての役割を担うことになります。本コラムは医師としての立場だけではなく、経営者として必要な知識を要約し、上記のテーマにまとめました。また、開業前はもちろんのこと、開業後も永続していく“クリニック経営における意思決定”の一助となる側面も併せ持ちます。開業前・開業後の意思決定が必要となるタイミングで、ぜひ本コラムを読み返してみてください。
早速ですが、今回は「1.(開業)事業計画の作成および資金調達」についてお話しさせていただきます。事業計画とは、クリニック経営の羅針盤となる計画であり、金融機関での融資を受ける際に必ず必要となる書類です。事業計画は、主に投資計画と利益・資金計画を組み合わせて作成します。
① 投資計画
医療機器や内装工事等の設備資金と、経営が軌道に乗るまでの間に必要となる運転資金の総額を計画したものです。
② 利益・資金計画
一般的に約 3~5 年間の事業収支を計画します。計画策定の際に重要なポイントは、投資計画に対し「資金収支の分岐点に達するまでに、どのくらいの期間を要するか」ということです。具体的には、診療科目ごとの平均単価や先生の診療方針を基に「1日平均何人の患者さんを診察すれば収支が合うか」というところまで落とし込んで、計画を作成する必要があります。
また、資金収支の分岐点に達するまでの期間があまりにも長すぎる場合には、その投資計画に無理があるため、投資計画自体の修正が必要です。つまり、投資計画と利益・資金計画は一体で考える必要があるということになります。
事業計画は、金融機関が融資金額や融資条件を決める際に、特に重要視するものです。事業計画の出来栄えにより融資条件が異なってくるため、事業計画の作成は税理士等の専門家に依頼することをお勧めします。
続きまして、開業にあたっての資金調達方法についてです。以下によくご質問いただく事項をQ&A形式でまとめたので、ご覧ください。
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