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開業ロードを走り抜け マネートレーニング教本

開業ロードを走り抜け マネートレーニング教本 第3回

経営者が理解すべき決算書類の見方と基礎知識

  • 財務・経理・会計

2022.10.04

クリニックの運営にあたり、開業後の財産の状態や経営状況を把握することは必要不可欠です。そのためにも、経営者は貸借対照表や損益計算書など、クリニックに関する数字の流れをまとめた「決算書類」を理解しておくことが求められます。そこで今回は、決算書の中でも重要な「B/S」「P/L」「C/F」の見方について、お話させていただきます。

 

数字を制するドクターがクリニック運営を制する

ドクターが理解しておきたい項目は、具体的に次のようなものが挙げられます。

  • 1年間でどのくらいの所得(もうけ)があるのか
  • 所得(もうけ)を増やす要因は何だったのか
  • 所得(もうけ)を減らす要因は何だったのか
  • 現時点で銀行からの借入はいくらあるのか
  • 今後、支払義務のある未払金がいくらあるのか
  • その債務を支払うためにはいくらの所得(もうけ)が必要なのか

これらをしっかり分析しているドクターと、まったく興味がないドクターがおりますが、前者のほうが成功している傾向にあります。

所得(もうけ)を出すには①収入を上げる②経費を削減する、この2つが基本です。支払義務を履行するためには、所得(もうけ)を上げる必要があります。そのためにも、経営成績・財政状態を分析する際にB/S、P/L、C/Fが読めると非常に効率が良いのです。それでは次に、B/S、P/L、C/Fの見方と数字の流れを紹介していきましょう。

 

1. B/S(貸借対照表)

「Balance Sheet」は一般的に「B/S」と略して表します。読み方は、そのまま「ビーエス」です。B/Sの役割は、ある時点の財産の状態を表すことです。財産はプラスのものと、マイナスのものに分けられます。

例えば、現金や土地・家屋、有価証券(株など)はプラスの財産であり、借金や未払金などはマイナスの財産です。B/Sでは、プラスの財産を「資産」、マイナスの財産を「負債」、資産と負債の差額を「純資産」と表します。純資産は、所得(もうけ)と自己資金の投入額が計上されたものです。

(さらに…)

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執筆者紹介

清水 祐太

清水 祐太
(しみず ゆうた)

ペンデル税理士法人
医業経営支援部課長 兼 事業戦略支援室室長

1984年生まれ。早稲田大学卒業後、2006年に現職のペンデル税理士法人に入社。医業関連顧客に特化した医業経営支援部に所属し、多数の医科・歯科クリニックの開業・経営・M&A・事業承継コンサルティングを経て、現在は病院コンサルティングまで幅広く支援している。

ペンデル税理士法人のWebサイトはこちら

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