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医院開業の基礎知識

STEP2

開業形態・規模の選定

物件タイプごとの様々な開業形態

クリニックの開業においては、「戸建て」、テナントビルへ入居する「ビル診」、複数の医療機関が集まって開業する「医療モール」など、様々な形態があります。また、開業物件を所有するのか、賃借するのかによっても大きな違いがあります。

どのような開業形態を選択するかは、ご自身の医院構想や経営方針に基づいて決定するのが理想ではありますが、限られた開業資金の配分や健全な経営計画の立案と遂行、不動産所有状況や地域性などの様々な制約条件を考慮し、現実的な目で選択を進めていくことが大切です。

本稿では、おもな開業形態である「戸建て」「ビル診」「医療モール」について、それぞれのメリット・デメリットをまとめています。

戸建て開業のメリット・デメリット

メリット

レイアウトの自由度が高いため、院内動線や患者様に配慮したスペースの確保など、理想を実現しやすい開業形態です。

駐車場を確保できる場合、車での来院層など広範囲の集患を見込めます。特徴ある外観等により、認知度を高めることも可能です。

デメリット

設計や建設に日数を要しますので、開業までの準備期間が比較的長くなります。また、打合せに相応の日数を割かれることになります。

開業全体の費用が大きくなるため、資金調達や開業後の資金繰りに注意が必要です。院外処方をする場合、近隣の調剤薬局の有無に影響を受けることがあります。

ビル診開業のメリット・デメリット

メリット

比較的多くの候補から開業物件を選択をすることが可能です。それゆえに、周辺人口が多いエリアや駅に近い好立地での物件確保がしやすいといえます。

初期投資額が比較的小さくなるため、開業資金に合わせた開業がしやすく、金融機関の融資も得やすい開業形態だといえるでしょう。

デメリット

既存のビルへ入居する場合、レイアウトの自由度が低くなります。ビルの設計や設備ありきになりますので、医療機器の搬入や設置、給排水・電気容量の確保など、医療施設として不都合な点がないか、チェックが必要です。

また、同一ビルの他テナントが医療に似つかわしくないこともありますので、注意が必要です。看板の掲示についてビルオーナーの意向等により制限が発生することもありますので、こちらも注意しましょう。

医療モール開業のメリット・デメリット

メリット

地域の医療ランドマークとして高い認知を得やすく、集患がしやすいといえます。同時に、他診療科クリニックとの相乗効果が期待できます。

共同看板や共用駐車場の確保などにより、単独開業よりも費用を抑えた運用がしやすい開業形態だといえます

デメリット

医療モール企画会社により、内装業者や医療機器選定に制約が発生する場合がありますので、注意が必要です。

他診療科クリニックとの間で診療範囲の調整が必要なケースもあります。

様々な形態に発展する「医療モール」

近年、医院開業形態のひとつとして人気が高まっている「医療モール」について、少し詳しくご紹介します。ひと言で「医療モール」といってもその形態はさまざまです。

医療専用の建物として設計された「医療ビル」や、同じ敷地内に戸建て型のクリニックを複数配置した「医療ビレッジ」、マンションや商業施設、オフィスなどと医療ゾーンが組み合わさった「複合施設型の医療モール」など、医療モールは地域のニーズや生活様式に合わせて様々なカタチに発展してきました。

また、昨今では同一の建物・敷地という既存の概念から脱却し、医療モールの機能である“患者利便性”や“医療機関同士の連携”を成し得る形態として、「医療ドミナント」という新たな概念が生まれています。

医療モールでの開業を考える場合、開業エリアの地域特性や診療コンセプトなどと照らし合わせて、どのようなタイプが良いのか検討してみましょう。

医療ビル -地域医療のランドマーク的存在-

一棟丸ごと医療機関の構成となるため、地域での医療ランドマークとして高い認知を得ることができます。

医療専用ビルとして設計されている場合、バリアフリーやエレベーターなど患者目線での必須設備や医院内装に必要な電気容量や給排水インフラなどの設備要件を備えていることが多いといえます。

医療ビレッジ -設計自由度が高い戸建て集合型-

同一の敷地内に戸建型クリニックが集合している形態です。

ビルテナント開業と比べて医院設計の自由度が高いため、医療コンセプトに沿ったデザインや設計を反映させやすくなります。敷地内に共用の患者用駐車スペースを大きく配置することで、来院しやすい医療施設として集患を促すことができます。

レジデンス併設型 -かかりつけ医として関係構築-

好立地にあるマンションの低層部に医療ゾーンを設けることで、マンション住民からの高い認知とかかりつけ医療機関としての関係性構築がしやすい形態です。

マンション住民以外の利用も促されるよう、看板の視認性確保や開放感を兼ね備えた設計であることが重要になります。

商業施設併設型 -利便性が高く認知・集客に有利-

医療機関の受診と同じ施設内で買い物等ができるため、患者本人だけでなく、家族などの同伴者にとっても利便性が高い形態です。

集客ポイントに存在することで広範囲の住民からの認知を得ることが可能です。大型駐車場など商業施設のインフラを活用できることも大きなメリットです。

オフィス併設型 -慢性疾患患者を中心にアピール-

勤務先から近い場所に医療機関があることで、慢性疾患の患者を中心に非常に利便性が高い形態だといえます。

立地によっては広範囲からの集患が見込めるため、専門性の高い診療科にも向いた形態だといえるでしょう。

医療ドミナント -診診連携で医療モールとして機能-

すでに開業しているクリニックの隣地に異なる診療科のクリニックが新たに開院することで、地域における医療集積エリアとしてドミナント形成が可能です。

クリニック同士の診診連携により、実質的に医療モールとして機能し、高い患者利便性を実現できます。

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