医院開業コラム
開業風林火山 開業サポート衆が語る12の鉄則 第2回
2022.10.13
数々のクリニックを成功に導いてきたアイセイ薬局の開業コンサルタントが、全12回にわたって開業のノウハウを語る本シリーズ。第2回は、経営理念や事業コンセプトをまとめた次のステップとして「開業形態や規模を検討する際に知っておきたい知識」についてお話しします。
土地や建物を買うのか、借りるのか、どのようなテナントを選ぶのか、診療環境をどれくらい整えて、何名のスタッフでスタートするのか……本記事で扱うテーマだけでも、“決めるべき事項”は山のようにあります。そこで物件関連全般を担当している平川氏を迎え、開業におけるさまざまな選択肢を解説。2名のコンサルタントの知見は、必ずや助けになるでしょう。
【プロフィール】高坂 博之(こうさか ひろゆき)
約25年間で500軒を超えるクリニックの開業を支援してきたベテランコンサルタント。内科から皮膚科、整形外科、小児科や脳外科まで、あらゆる科目のクリニックのコンサルティング経験を持つ。また、税務や法律、採用など知識の幅が広く、さまざまな角度から開業・経営をサポートしている。
【プロフィール】平川 宗史(ひらかわ そうし)
物件選定から開業に至るまで物件関連全般、および会計や経営の知識が豊富なコンサルタント。コンビニエンスストアにて19年間勤めた経験があり、10年間営業部門でスーパーバイザーとして各店舗の経営指導に従事、以降9年間店舗開発部門で物件選定から店舗レイアウト、各契約関連まで幅広く担当していた。物件提案から開業後の経営に関する相談まで、一貫してドクターに伴走している。
――開業形態には、どのような選択肢があるのでしょうか?
平川:開業形態の選択肢は実にさまざまです。分岐ポイントがいくつかあるので、順にご説明していきましょう。1つ目は「土地や建物を購入するか、賃貸を選ぶか」。購入を選択する場合も「土地・建物の両方を買う」「別にオーナーがいる土地を借りて建物だけ自分で建てる」といった選択肢があります。どちらがおすすめというようなことはなく、ベストな選択は立地や予算などに応じて異なります。これは開業形態に限った話ではありませんが、選択において大切なのは“自分に合っているかどうか”。前回ご紹介した「経営理念と事業コンセプトの策定は、初手にして最大の“開業成功のポイント”」の記事をご覧いただいた上で、読み進めてもらえるといいと思います。
高坂:購入or賃貸の選択にあたっては、ぜひ契約について知っておいてもらいたいですね。
平川:そうですね。賃貸を選択する場合は、土地を借りる際に「借地契約」を、建物の一部を借りる際には「普通建物賃貸借契約」または「定期建物賃貸借契約」を結ぶことになります。
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