医院開業コラム
開業風林火山 開業サポート衆が語る12の鉄則 第1回
2022.08.23
「クリニックを開業するには、どのような準備が必要か」と問われたら、皆さんは明確に答えられるでしょうか?医師としてどれほど優れた技能を持っていても、必ずしもクリニック開業を成功させられるとは限りません。開業には医療技術だけでなく、経営の知識やセンスが求められるからです。
そこで本シリーズでは、クリニック開業のノウハウを全12回にわたって詳しくご紹介。立地の選定や財務計画の策定、スタッフ採用・研修まで、アイセイ薬局の開業コンサルタントが実際の経験に基づく“リアル”な知見を語ります。
記念すべき第1回のテーマは、開業するにあたりまず必要となる医院構想の中から「経営理念と事業コンセプトの策定」についてお話します。開業支援を担当する高坂氏が「理念とコンセプトこそが開業成功のカギ」と断言しますが、その理由とは……。
【開業準備における「医院構想」の位置づけ】
【プロフィール】高坂 博之(こうさか ひろゆき)
約25年間で500軒を超えるクリニックの開業を支援してきたベテランコンサルタント。内科から皮膚科、整形外科、小児科や脳外科まで、あらゆる科目のクリニックのコンサルティング経験を持つ。また、税務や法律、採用など知識の幅が広く、さまざまな角度から開業・経営をサポートしている。
――初めに、経営理念と事業コンセプトについて、それぞれどのようなものか教えてください。
経営理念とは、いわば医師が抱く“想い”です。例えば、開業コンサルタントの私が理念を掲げるなら「クリニックを開業する医師を成功に導く」といったものでしょうか。眼科医なら「地域から白内障に苦しむ方をゼロにする」などですね。“経営理念=自分はこうありたいという大きな目標”と考えています。
一方の事業コンセプトは、経営理念よりも具体的で細かな指針です。「自分がやりたい医療、やれる医療、逆にやりたくない医療はどんなものか」「誰にどんな医療を届けるのか」そういったことを明確にしていきます。
――経営理念と事業コンセプトは、開業にあたって絶対に必要なものなのでしょうか。
経営理念と事業コンセプトは、それなしに開業を成功させることはできないと言っても過言ではないくらい重要なので、必ず策定していただいています。なぜなら、これらはクリニックのすべての決定軸・指針、ひいてはスタッフの判断基準になるからです。
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