医院開業コラム
先輩開業医の妻に聞きました 第2回(後編)
2026.01.07
院長夫人である先輩開業医の妻にインタビューし、院長夫人としての仕事や役割、心構えなど、さまざまなお話をお届けするシリーズ「先輩開業医の妻に聞きました」。後編では、前編に続き「医療法人杏華会 あかい家のこどもクリニック」の浅井一美さんに、開業前の準備や院長である夫との関わり方、複数院を経営することで変化したことなどについて伺いました。
開業に向け、同じ小児科の先輩が開業するクリニックで1日勤務をさせていただきました。当然ですが、開業は初めてのことだったので、当時は何が分からないのかすら、自分で把握できていなかったんです。
でも、同じ科目の先生のもとで体験させていただいたことで、大まかなイメージがつかめました。クリニックの間取りから診療の流れ、必要な物品、1日で使用する用紙の量まで、写真で記録しながら細かく観察させていただきました。おかげで何をすればいいかが明確になり、具体的に準備を進めることができたので、非常によかったと思っています。

開院においては、面接も重要な課題のひとつです。面接は院長、税理士さん、医療コンサルタントさん、私の4人で行いました。面接の受付は、あえて面接官である医療コンサルタントさんにお任せし、受付の段階からすでに面接が始まる形にしたんです。面接室に入れば、誰でもビシッと気合いを入れるじゃないですか。だから、その前の段階から応募者の雰囲気を見て、選考要素に取り入れました。
楽しかったのは、クリニックの引き渡しのときです。ようやく形になって、ここから始まるんだと思うと素直にうれしかったのを覚えています。大変だったのは、そのあとでした。開院までの1カ月は本当にしんどかったです。設備の準備や物品の搬入、スタッフの面接、教育など、凝縮された1カ月。開院すればスタッフのみんながいて自ずと前に進んでいきますし、困ったことを都度、解決していくだけなので、スタートしたあとのほうが断然楽でした。
家族の時間が増え、子育てを主人と一緒にできるようになったことです。勤務医時代は土日も出勤することが多かったですし、当直もあり、家族との時間をもつのは難しいことでした。今は、娘の受験勉強を主人が見てくれています。
ほかにも、主人と一緒に働くことで、普段見ることのない姿を見られるのも開業してよかったことのひとつです。こんなにも患者さんと向き合っているんだなとか、いい診療しているなというのが分かって、さらに尊敬するようになりました。主人としても、私の新しい面や本来の明るさを、より知ることができたようです。お互いの良さを再確認できたという意味でも、非常によかったなと思っています。
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