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わが子を医師にするための9つのルール

わが子を医師にするための9つのルール 第17回(最終回)

わが子を医師にするための9つのルール

  • 医院開業のポイント

2016.07.21

こんにちは、藤崎です。

16回にわたって連載してまいりました「わが子を医師にするための9つのルール」も、いよいよ最終回を迎えることとなりました。これまでのルールを思い出しながら最終ルールを目指しましょう。

ルール1「わが子を医師にするなら親の予習が9割」

私ども親にできることは、わが子が自分の将来を真剣に考える年齢になったときに、自ら医師を志そうとする確率を上げること、ただそれだけです。その確率を上げる最大の要因が、親の予習=情報収集にかかっているのです。

 

ルール2「医学部受験の難度は、自分の頃より格段に上がっていると認識する」

(1)地方のヒートアップ (2)一般家庭の流入 (3)超少子化 (4)女性医師の台頭 (5)受験産業の生き残り戦争 これら5つの背景により、医学部受験の難度は昔より格段に上がっています。今や、偏差値60を下回る私立医学部はありません。

 

ルール3「目指すべき志望校群を見定め、冷静に資金対策を練る」

「学費が低い私立医学部ほど偏差値が高い」という、逆相関関係が成り立っている医学部受験においては、親の資金力アップによって医学部合格の確率が上がります。転職・開業・贈与・相続といった、可能な限りの資金対策を練ることが重要です。

 

ルール4「発達の4段階ごとの子どもの特性を知り、最も重要な『思春期』のマインドセット環境を整える」

子どもの発達の4段階(乳幼児期・児童期・思春期・青年期)における、特性の変化を理解しましょう。とりわけ、医学部志望のマインドセットが起きる思春期に、どのような環境に身を置き、どのような友人と付き合うかが重要となります。

 

ルール5「変化はチャンス。早くから準備した者が勝つ時代である」

2020年のセンター試験廃止、英語教育改革といった大変革の情報を収集し、本質を掴み、早期に対策を練ることが決め手となります。公立高校は私立に比べて変化への対応が遅くなりますので、独自に戦略を練る覚悟が必要です。

 

ルール6「こどもを医師にしたいなら、まず『3つのリセット』を行うこと」

以下の3つのリセットを頭に入れておきましょう。(1)情報・時間のリセット=日進月歩の医療同様、昔の情報にとらわれずに、最新受験情報を頭に入れる。(2)夫婦間のリセット=夫婦それぞれの生い立ちにとらわれず、子育ての方針をフラットに考える。(3)地域性のリセット=子育てをする地域における受験の「旬」を捉え、全国区の戦いに備える。

 

ルール7「親の最大の役割は、『受験ルート選び』にあり!」

親は選択可能なすべての受験ルートのメリット・デメリットを把握し、わが子にとって適切な受験を選択する必要があります。また、選択した受験のメリットを最大限に活用し、デメリットを最小限に抑える努力をするべきなのです。

 

ルール8「中学受験・高校受験のどちらを選ぶにしても、双方のメリットとデメリットを把握し、早期に対策を立てること」

高校受験を選択した場合には、塾代がかからない、時間があるといったメリットを生かし、「英語と数学の先取り」に集中することで、中高一貫カリキュラムに対抗します。
中学受験を選択した場合には、「小学校時代に英語教育ができない」という最大のデメリットを補うために、中学受験合格後は、直ちに英語の学習を再開しましょう。

わが子を医師にするための9つ目のルール

どうでしょう、8つのルールを思い出しましたか?こうして並べてみると「やることがたくさんあるな~!」と、思われるかもしれません。しかし、親にできるのは、「この程度のこと」なのです。

あくまで「プレイヤーは子ども、親はキャディ」です。キャディにできることは、先回りしてコースを下調べし、天候や風を読み、クラブ選択をアドバイスして、プレイヤーがベストコンディションでショットができるように援助することです。ショットを打つのはプレイヤー。勉強に励んで試験を受けるのはわが子であり、親はその援助しかできないのです。

では、いったいどこを目指して援助していけば良いのでしょうか?これは医学部受験のみならず、すべての子育てにおける真理だといえます。

子育ての真理、それは
「ひとりで生きていける人間を育てる」こと。
「親は、わが子がひとりで生きていけるように援助する」こと。

自然界の動物も、すべてこの摂理に則って子育てをしているのです。
これを医学部受験に置き換えれば、親が援助することで子どもが目指すべき最終ゴールは、「自学自習」、これに尽きます!
もちろん、自学自習といっても、学習塾や予備校、参考書は必要です。与えられた情報・課題に対して、自らが試行錯誤を繰り返し、乗り越えていく力こそが必要なのです。

自学自習ができれば、コスト面でも大きな差が生じます。例えば数学の場合、たとえ東大数学であっても、「青チャート」さえマスターできればOKだといわれています。自学自習ができればその価格は2,000です。しかし、自学自習ができずにプロ家庭教師にお願いすれば、その価格は1時間あたり15,000になってしまうのです。
予備校に通う場合でも同様です。医学部の登竜門といわれる、駿台予備校の医学部コースに通っても、自学自習ができれば年間750,000で済みます。しかし、自学自習ができずに手とり足とりの医学部専門予備校に通えば、年間6,000,000になってしまいます。そうして自学自習ができないまま、なんとか医学部に合格したとしても、その後には、留年や国家試験というハードルが待ち構えているのです。

医師という職業が一生涯「自学自習」にあることは、皆さまが一番感じられていることでしょう。だからこそ、「当たり前のことを!」と思われるかもしれませんが、「自学自習」が最終目標なのです。

わが子を医師にするためには、親の援助は必須となります。しかしその際には、「どうしたらわが子が自学自習できるようになるのか?」という問いかけを、常に繰り返しながら援助することが重要なのです。

終わりに

いかがでしたか?最後に改めて9つ目のルールをお伝えし、終わりにしたいと思います。
残念ながら書面でお伝えできる情報には限りがございます。今後も全国の医師会、医師協同組合、医療業界主催のセミナー等で時間が許す限りお伝えしてまいります。皆さまとも、次回はリアルなステージでお会いできますことを楽しみにしています。

このコラムは、20166月現在の情報をもとに執筆しています。

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執筆者紹介

藤崎 達宏

藤崎 達宏
(ふじさき たつひろ)

NPO法人 横浜子育て勉強会 理事長
日本モンテッソーリ教育綜合研究所認定教師(0~3歳)
国際モンテッソーリ協会認定教師(3~6歳)

1962年横浜生まれ。明治大学商学部卒。外資系金融機関に20年間の勤務を経て独立。4人の子育て経験とモンテッソーリ教育を融合した子育てセミナーを全国で開催。ライフワークとなっている個別相談会「お父さんもいっしょに幼稚園選び」の参加ファミリーは2,000組みを超え、常にキャンセル待ちの状態が続く。「わが子を医師にするために幼少期をどう過ごすか」という相談に定評があり、多くの医師家族が門を叩いている。講演活動は全国の企業、団体など幅広く、最近では各医師会や医師協同組合での講演を多数実施。
藤崎達宏氏のブログはこちら

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