医院開業コラム
わが子を医師にするための9つのルール 第8回
2016.02.10
こんにちは、藤崎です。
前編では、センター試験が廃止されることによって、早期に現在のセンター試験90%レベルの実力を付けて、残りの1年間を新試験対策に充てられた者が笑う!とお話しいたしました。
加えて、新試験の本丸は、英語を「話す」、つまり、スピーキング力の追加です。グローバル化が叫ばれる昨今において、英語で発信する力を望まれるのは自然の流れです。大学側もぜひ導入したいと考えてはいるでしょうが、問題は試験実施時のインフラ整備にあります。そこで、何より手っ取り早いのは、既にスピーキングを行っている民間試験を評価に導入することなのです。その代表が実用英語技能検定いわゆる「英検」や、アメリカの留学生用試験「TOEFL」です。さらに、最近注目されているのが、上智大学と英検協会が共同で推進している「TEAP」(アカデミック英語能力判定試験)。大学入学後に英語で授業を受けられるレベル、英語で論文が書けるレベルを要求する試験です。上智大学では事前にTEAPの基準を満たしている生徒は、受験での英語科目を免除される方針です。「国際バカロレア」(IB)も、2015年より順天堂大学、岡山大学医学部で導入されました。
これらの中で、どの外部試験が本流になるのかはわかりませんが、AO主流の今後は、単純に英語力を上げるだけでなく、こうした検定を通じて客観的に学力を証明できる材料が必要になってくるのは間違いありません。
さらに、センター廃止に追い討ちをかけるのが「2020年の英語教育改革」です。この5つのポイントは親として必ず押さえておいてください。
①公立小学校において英語の授業が3年生から始まります。
②読み書きの授業が週3コマ、小学5年生からスタートします。
③中学からは英語で授業を進行します。
④これまで中学卒業時に英検3級程度だった英語力を準2級がスタンダードになるよう移行します。
⑤高校卒業時に英検2級程度だった英語力を準1級(TOEIC785点)になるよう移行します。
ポイントは、これが公立小学校、中学校、高校のスタンダードレベルとして逆算的にカリキュラムが組まれていくことです。ということは、センター試験に取って代わる「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)は、それ以上のレベルで作成されるはずです。逆に「こうした外部試験で既に基準点に達していれば、英語は受験せずに満点扱い」となるのです。
これからのAO、推薦時代には、客観的に能力を証明する材料を揃えることが大切になります。英検だけでなく、漢検、数学オリンピック、ボランティア表彰状、スポーツでのランキングなどを揃えるには、こうした長期の総括的な準備は子どもひとりでは絶対にできません。わが子の努力を形に表すには、親御さんのヴィジョンに基づくコースマネジメントが不可欠になります。今より一層、「ペアレントクラシー」が問われる時代に突入することになります。
最後の追い討ちは、「高等学校基礎学力テスト」(仮称)の導入です。
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