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医院開業コラム

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もやっと先生のための科目別開業ポイント

もやっと先生のための科目別開業ポイント 第13回

呼吸器内科の開業を失敗しないためのポイントを解説!資金の目安や平均年収も紹介

  • 医院開業のポイント

2024.07.29

今回は、呼吸器内科クリニックの開業のポイントについて解説いたします。競争が厳しい内科の中では、競合が少ない診療科目ですが、一般内科や耳鼻咽喉科など他の医療機関との差別化を検討するようにしましょう。診療内容やコアターゲットなどクリニックのコンセプトが重要になります。開業のポイントに加え、開業資金の目安や成功事例を記載していますので、呼吸器内科の開業準備をする際の参考にしてください。

呼吸器内科の開業資金の目安

呼吸器内科クリニックの開業資金は、運転資金と設備資金合わせて7,000万円以上必要です。コンピュータ断層診断装置(CT)を導入する場合、1億円以上必要になるケースがありますし、感染症対策として隔離室を設けたり、待合室の面積を広くしたりするなど、より広い面積が必要となる内装工事費などで、より多くの開業資金が必要になります。
必要な開業資金を算出するためには、クリニックのコンセプトが欠かせません。まずは、クリニックのコンセプトを作成し、必要な面積や医療機器を検討のうえ、事業計画を作成するようにしましょう。

開業資金の例

呼吸器内科で開業する場合、一般内科の開業と同様に35~45坪程度の面積が必要です。感染症対策として、患者さん同士の間隔を広くとる、隔離室を設けるなどの対応する場合、より広い面積が必要になります。CTを導入する場合は、プラス10坪程度必要になります。
待合室1室、診察室2室、処置室1室の全面積40坪で開業した例を挙げさせていただきます。状況によって金額は変動しますので、参考としてご覧ください。
設備資金約5,800万円、運転資金2,700万円、合計約8,500万円の開業資金を有しました。
内装工事費用と医療機器費用の占める割合が大きく、内装工事費用で約2,300万円、医療機器費用で約2,000万円かかっています。内装費用は坪単価約60万円ほどでしたが、近年は建築材料費や人件費が上がっており、坪単価で70万以上かかるケースが多くなっています。医療機器は、エックス線撮影装置や電子カルテに加え、スパイロメーターや一酸化炭素ガス分析装置といった呼吸器系で使用される医療機器などを導入しています。CTは導入せず、CT検査が必要な場合は、近隣の医療機関に検査を依頼しています。CTを導入すると必要な開業資金が大きく増加します。クリニックのコンセプトをしっかりと立てるとともに、近隣の医療機関や画像センターなど連携が可能かしっかりと調査するようにしましょう。クリニックのコンセプトに応じて、どこに費用をかけるか、必要な資金はどのくらいか、検討していきましょう。平行して、事業計画を作成し、事業が成り立つか検証しましょう。
テナントの賃貸借契約は、ほとんどが定期借家契約で普通借家契約のケースは少なく、今回のケースも定期借家契約でした。契約更新はなく継続する場合は再契約になること、中途解約条件などを確認の上、契約に至っています。定期借家契約の場合、基本的には中途解約不可あるいは、期間内残賃料全て支払うことで解約可(実質解約不可)ですので、リスクを考慮したうえで、契約するようにしましょう。今回は、一定期間の解約は不可でしたが、期間内でも12ヶ月前予告で保証金相当額の支払いで解約可とリスクが軽減された物件でした。普通借家契約の場合ですと更新手数料によっては、少ないケースではありますが、賃料に換算した時に割高になってしまうことがありますので、賃料条件や中途解約条件以外に更新手数料の条件を確認するようにしましょう。
ホームページ制作費用は、0~100万円と幅がかなりあります。作成費用が安価だとしても維持管理費などが高いケースがありますので、注意してください。今回のケースは、ロゴデータ作成、名刺、開院の挨拶状、診察券、パンフレットなどと合わせて約100万円ほどでした。
運転資金を試算する時に医療機関の運営に関わる費用だけではなく、先生自身の生活費を忘れずに検討するようにしましょう。また、内装工事期間や準備期間がありますので、開業前に賃料が発生するケースがほとんどですので、開業前家賃として2、3ヶ月分を見込む必要があります。

【呼吸器内科の設備費用(例)】
呼吸器内科の開業における設備費用の例

 

呼吸器内科の平均年収

 呼吸器内科の開業医の平均年収 ですが、医療経済実態調査で公表されておらず、損益差額が提示されていません。内科としては、個人開業医で約2,800万円、医療法人で約1,589万円となっています。勤務医の就労実態と意識に関する調査でも呼吸器内科のみでは公表されておらず、呼吸器科・消化器科・循環器科の勤務医の平均年収は約1,297万円(内科の勤務医の平均年収は約1,247万円)となっています。
感染症の流行によって経営が大きく左右される可能性があります。慢性疾患の患者さんをいかに取り込むかが安定収益を確保するために必要な要素になります。

 

呼吸器内科の開業を成功させるポイント

呼吸器内科を開業する際のポイントを4つ記載いたします。開業を検討する際の参考にしてください。

(さらに…)

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執筆者紹介

平川 宗史

平川 宗史
(ひらかわ そうし)

株式会社アイセイ薬局 クリニカル・ソリューション部
首都圏エリア 医療モール開発・開業サポート担当

内装計画を含む物件関連全般、および会計や経営の知識が特に豊富なコンサルタント。コンビニエンスストアに19年間勤めた経験があり、9年間はスーパーバイザーとして各店舗の経営管理を、10年間は店舗開発部門で物件選定から店内デザインまで幅広く担当していた。物件提案から開業後の経営に関する相談まで、一貫してドクターに伴走できることが強み。

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