医院開業コラム
もやっと先生のための科目別開業ポイント 第3回
2024.06.05
眼科は、診療内容によって必要となる開業資金が大きく異なる可能性が高い診療科目といえます。今回は、眼科の開業で必要な開業資金やポイントなどについて解説します。開業のスタイルは一つではありませんので、今後開業を検討する際のヒントにしてください。
特に診療コンセプトは、開業準備の核になりますので、十分検討のうえ、確定しましょう。
眼科クリニックの開業は、手術を実施するかしないかで必要な資金が大きく異なります。必要となる面積が変わり、内装工事費などにも影響が出ます。手術をしない場合は、1億円程度、手術を実施する場合は、1億5,000万円程度必要になります。医療機器の種類も多く、他の科目と比較して開業資金が多くかかる診療科目です。
【眼科の設備費用】
厚生労働省(中央社会保険医療協議会)が開示している第58回医療経済実態調査を基におおまかな収支構造と年収について解説いたします。
【眼科の収支構造(年間)】
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001197198.pdf
眼科(開業医)の年収は、全体が約3,020万円であるのに対して、約3,393万円と高いことが分かります。産婦人科、小児科に次いで年収が高い診療科目です。一般外来のみか、近視治療(レーシックなど)や日帰り手術(白内障など)、緑内障外来、コンタクトレンズなどを実施するかによって、収支構造が大きく異なります。どのような診療内容を実施するかコンセプトを思慮し、開業の準備を進めてください。
医療法人の給与費が高くなる理由は、理事(理事長)の役員報酬が含まれるためです。また、管理医師の給与もこの役員報酬に入ります。損益差額は約1,098万円と全体が約1,536万円であることから低いことが分かります。構成比率も7.4%と、全体が9.2%であることからも収益率が低い診療科目といえます。他の診療科目も医療法人の場合、人件費や設備費が高くなる傾向にありますが、眼科はより高くなる傾向にあります。
眼科の開業のポイントを6つ記載します。
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