医院開業コラム
もやっと先生のための科目別開業ポイント 第2回
2024.06.04
精神科・心療内科の開業は昨今増えてきています。ご開業するのは、先生にとって大きな決断が必要となるかと思います。どのようなクリニックを目指すのか、開業するために何をするのかを明確にすることが開業の第一歩になります。少しでも明確にできるよう、精神科・心療内科の開業で必要な資金やポイントなどについて解説します。
精神科クリニックの開業資金は、4,500万~7,000万円程度必要です。医療機器の導入があまりなく、開業資金が抑えられる診療科目です。資金で最も高い割合を占めるのが内装工事費です。医療機器をどの程度導入するかによってコストは変わりますし、運転資金を準備する必要もあります。内装にこだわることも重要ですが、事業性を考慮したうえで、何に費用を割りあてるか検討していきましょう。
【設備費用】
厚生労働省(中央社会保険医療協議会)が開示している第58回医療経済実態調査を基におおまかな収支構造と年収について解説いたします。
【精神科の収支構造(年間)】
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001197198.pdf
精神科(開業医)の年収は、約2,179万円と、全体の約3,020万円より低い数値となっています。しかし、精神科は他の診療科目と比較すると借入金額が少ない傾向にあるため、比較的手取りは高い傾向にあります。構成比率(対売上)をみても、精神科の年収比率が40.6%に対し、全体の年収比率は32.7%となっており、経費が抑えやすい診療科目といえます。
医療法人は個人と異なり、理事(理事長)の役員報酬は給与費に含まれます。管理医師は理事に入る必要がありますので、役員報酬に該当します。損益差額は約1,111万円と、全体の約1,536万円より低い数値となっています。小児科が最も高く整形外科が最も低い数値で、精神科は真ん中くらいの順位です。構成比率は10.2%で、全体の9.2%と比較すると高く、小児科、外科に次いで高い数値を示しており、利益率が高い診療科目といえます。
精神科の開業の11のポイントについて記載します。
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