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医院開業コラム

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もやっと先生のための科目別開業ポイント

もやっと先生のための科目別開業ポイント 第14回

糖尿病内科の開業を失敗しないためのポイントを解説!資金の目安や平均年収も紹介

  • 医院開業のポイント

2024.08.21

今回は、糖尿病内科クリニックの開業のポイントについて解説いたします。糖尿病内科(内分泌内科)は、内科の中で競合するクリニックが少ない診療科目です。標榜科目や診療内容などのクリニックコンセプトの策定は、経営戦略を検討するために重要になり、初期投資額に影響があります。開業ポイントのまとめ・注意点や開業資金の目安、成功事例を記載していますので、糖尿病内科の開業準備をする際の参考にしてください。

糖尿病内科はターゲットが多い?

糖尿病は身近に潜む生活習慣病の一つです。初期段階で、自身で糖尿病と気づくことは少なく、健康診断などで初めて分かるケースが多いです。厚生労働省が公表している令和元年(2019年)国民健康・栄養調査報告によると、20歳以上で糖尿病が強く疑われる人の割合は、男性19.7%、女性10.8%、男女計14.6%となっています。年齢が高くなるほど割合が大きくなっており、対象になる患者が多い診療科目です。さらに糖尿病が強く疑われる人の中で、治療したことがない人の割合は、男性21.5%、女性25.2%、男女計23.1%となっています。病気の危険性や治療の必要性などを周知することで、より多くの患者さんが来院する可能性があります。

【糖尿病が強く疑われる者の人数】
糖尿病内科開業 糖尿病が強く疑われる者の人数参照:令和元年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)

【糖尿病が強く疑われる者のうち、治療有無の人数】糖尿病内科開業 糖尿病が強く疑われる者のうち、治療有無の人数
参照:令和元年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)

 

糖尿病内科の開業資金の目安

糖尿病内科クリニックの開業資金は、運転資金と設備資金合わせて6,500万円以上必要です。糖尿病に特化したクリニックであれば必ずしもエックス線撮影装置を導入する必要はありませんが、内科を標榜し、健診の患者さんも取得したいとのことであればエックス線撮影装置を導入する必要があります。クリニックのコンセプトによって必要になる面積や導入する医療機器が異なります。まずは、クリニックのコンセプトを作成し、開業する資金がどの程度必要か検証しましょう。必ず事業計画を作成し、事業性に問題がないか検証してください。

開業資金の例

糖尿病内科のクリニックを開業する場合、35坪程度の面積が必要になります。糖尿病に特化するのであれば30坪でも開業可能ですが、一般内科領域全般も診察するのであれば40坪以上必要になることが多いです。待合室1室、診察室2室、相談室1室、処置室1室、X線室1室の全面積40坪弱で開業した例を挙げさせていただきます、状況によって金額は変動しますので、参考としてご覧ください。
設備資金約4,800万円、運転資金2,800万円、合計約7,600万円の開業資金を有しました。内装工事費が約3,200万円、医療機器費用が約1,400万円と、開業資金の約60%を占めています。患者数が増加した場合に2診体制をとれるように診察室を2室設けた以外に、患者さんに対して栄養指導を実施するための相談室を設けました。患者さんが効率的に診察できる体制を作っています。医療機器は、HbA1C測定器や尿分析機、エックス線撮影装置、電子カルテなどを導入しています。
ホームページ制作費用とロゴデータ作成、名刺、診察券、パンフレットなどで約100万円でした。開業前に実施した内覧会費用は、医療モールでの開業だったため、他の医療機関と同時に開催で費用を案分し、約20万円に抑えることができました。単独で実施する場合、折込チラシやポスティングなどで100万円かかるケースも少なくありません。
運転資金は、テナント賃料や従業員給料、先生の生活費を考慮してどの程度必要か試算する必要があります。多すぎてもよくありませんが、少ないと資金ショートしてしまう可能性がありますので、注意しましょう。
糖尿病内科をメインとしたクリニックの開業ですが、糖尿病内科のみでの標榜では集患に不安があったため、一般内科も標榜しました。開業当初は、急性期の患者さんの割合が多く来院していましたが、今では来院患者さんのほとんどが糖尿病治療のために受診しています。
完全に糖尿病内科のみに特化したクリニックで、医療機器の導入を最低限とし、面積をコンパクトにすることで、今回紹介したクリニックのケースの投資額より金額を抑えた開業が可能な場合があります。
クリニックのコンセプトによって、特に糖尿病内科に特化するか否かで必要となる開業資金や経営戦略が大きく異なってきます。クリニックのコンセプトを基に事業計画を作成し、事業が成り立つか検証しましょう。建築材料や人件費の高騰で内装工事費用や賃料が高くなっている傾向にあります。各費用が適正か検証するとともに、事業性に問題ないか確認するようにしましょう。内装工事期間や準備期間といった収入がない期間であっても賃料が発生します。事業計画を作成する際に開業前の賃料として2、3ヶ月分を見込んで試算してください。

【糖尿病内科の設備費用(例)】
糖尿病内科開業時の設備費用(例)

 

糖尿病内科の平均年収

(さらに…)

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執筆者紹介

平川 宗史

平川 宗史
(ひらかわ そうし)

株式会社アイセイ薬局 クリニカル・ソリューション部
首都圏エリア 医療モール開発・開業サポート担当

内装計画を含む物件関連全般、および会計や経営の知識が特に豊富なコンサルタント。コンビニエンスストアに19年間勤めた経験があり、9年間はスーパーバイザーとして各店舗の経営管理を、10年間は店舗開発部門で物件選定から店内デザインまで幅広く担当していた。物件提案から開業後の経営に関する相談まで、一貫してドクターに伴走できることが強み。

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