医院開業コラム
必見!再発見!知っていることも多いけれど改めて語る物件コラム 第6回
2024.04.02
クリニック開業の要ともいえる物件選びに必要な知識や情報を、アイセイのコンサルタントに聞く本シリーズ。第6・7回で取り上げるのは、関西エリアでの物件選びです。
前編となる第6回は、これまで数々のドクターの開業を支援してきたコンサルタントの増田と西田が、都市部・郊外・再開発エリアでの物件選びについて、具体的な物件を挙げながらご紹介していきます。
※首都圏の物件選定は第2回と第3回、東海エリアは第4回と第5回をご覧ください。
【プロフィール】
増田 大祐 (ますだ だいすけ)
医療モール開発・開業サポート担当:関西
前職は、人工心肺などの心臓血管外科領域で活用される医療機器のメーカーに10年以上勤務。多くのドクターに寄り添い、その想いや苦労に触れる中で、より幅広くサポートしていきたいと考え、アイセイ薬局のコンサルタントに転身。豊富な経験と知識に加え、顧客からは親しみやすいキャラクターも評判。近い距離で親身になって伴走できることが強み。
【プロフィール】
西田 翔伍(にしだ しょうご)
医療モール開発・開業サポート担当:関西
医薬品卸の会社に約6年間勤務し、医療機器営業、クリニック開業支援を経験。クリニックのみならず、薬局や中小病院との関係も深く、医療業界に幅広く触れてきた。前職では科目を問わず数多くのクリニックを顧客にもっており、コンセプトや診療内容に応じてどのような環境を整えるべきか、数多くのデータに基づいたアドバイスが可能。
――都市部と郊外の主な特徴と、それを踏まえた物件選びのポイントを教えてください。
西田:都市部の場合は、駅周辺の居住人口が多く、移動手段は自転車・徒歩並びに公共交通機関を利用しています。一方、郊外の場合は車での移動が基本。そのため、都市部では駐輪場の台数確保、郊外にクリニックを開業する際は、駐車場の台数をしっかりと確保することがポイントになります。
また、郊外での開業を検討しているドクターの中には、患者さんが車で来院することを意識して「幹線道路沿いの物件」に狙いを定める方が少なくありません。しかし、主要幹線道路は「広域移動」のために使われていることも多く、交通量はあるのに集患に苦労するケースも。実は、幹線道路よりも生活道路沿いで、高齢者でも安全に通院出来る立地が好まれるケースもあります。またスーパーマーケットに代表される「住民の日常生活に密着した施設」の近隣、および同敷地内にある物件のほうが、盛業していることが多いですね。
――近年のトレンドとして、都市部と郊外ではどちらがドクターに好まれていますか?
増田:そこはドクターの考え方によりますが、近年は都市部の駅近物件で開業するケースも増え競争が激化している傾向にあります。そのような状況を受け、それでも都市部の人気エリアで開業したいドクターと、競合の少ないエリア(郊外等)で開業したいドクターとで二極化している印象です。
ただ、少し前よりは、地域ニーズの高い(競合の少ない)場所で開業を検討されるドクターが増えたように感じています。開業人気エリアでなくても競合が少ない立地であれば、我々の想定以上に問い合わせが入るケースもあります。
西田:都市部と郊外という枠からは少し逸れますが、近年のトレンドとして単独での開業ではなく「プラスアルファ」がある立地を希望するドクターが増えています。具体的には、先ほど話に挙がったスーパーマーケットなど施設の中の物件を選んだり、診診連携可能な医療モールで開業したりといった形です。
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