医院開業コラム
クリニックのためのWeb集患教室 第5回
2023.10.11
今回は、開業時の検討が当たり前になりつつある「Web予約」についてお話しさせていただきます。
ホームページは“集患”というイメージが強いですが、Web予約もその役割として重要なツールになっています。
突然ですが、患者さんに選ばれるクリニックとして大切なことは何でしょうか。それは’’通いやすさ’’です。通いやすさには「診療内容」「アクセス面」「待ち時間が短い」「診療時間」「院内の環境面」「スタッフ」など、さまざまあります。その中でも「待ち時間が少ない」という評価は、クリニックそのもののイメージになり兼ねない、とても大切な要素となります。
Googleの口コミに書かれる良くないコメントは「待ち時間」に関する評価が多い傾向です。また、スタッフの接遇に関してのコメントも多く見られますが、この2つは関連している場合があります。待ち時間が長いクリニックのスタッフは患者さんの対応が難しくなるケースが多々あり、待ち時間の長さが要因でスタッフに対して良くない口コミにつながるケースも少なくありません。
飲食店、美容室、宿泊施設、交通系など、さまざまなサービスがネットで予約できるようになってきました。また、キャッシュレスの普及に伴い、予約から決済まですべてネット上で完結するサービスも多いです。
今や、Web予約は私たちの生活に強く浸透していると言っていいでしょう。そのため、医療施設でもWeb予約の導入が増え、患者さんにとってもWeb予約が整備されている施設が当たり前の感覚になりつつあります。次に、Web予約を利用する側、受ける側のメリット・デメリットを整理していきたいと思います。
Web予約のメリット
■Web予約を受ける側
・予約受付業務の効率UP
Web予約では、患者さんが予約をする前に、すでに埋まっている時間帯などを画面で確認できます。そのため、電話予約では希望する時間帯が埋まっているかどうかの確認が必要でしたが、このやり取りを省くことが可能です。
また、メールなどによる受付確認のほか、予約システムによっては予約日時が近づいた際のリマインドなどもシステムが自動で行ってくれるので、予約に関する作業に人員を割くこともなく、人的リソースをほかの業務に割くことができます。
・人的ミス、ダブルブッキングなどの減少
電話で予約を受けた場合、患者情報の聞き取りミスや、予約管理上での人的ミスによるダブルブッキングなどの可能性があります。予約システムを導入すると、すでに登録されている予約者の情報との連携や、予約管理を自動で行うことが可能です。人的ミスが発生する可能性を減らし、余計なトラブルを回避できるのも大きな利点といえます。
・予約から決済まで完結し、業務効率化につながる
基本的に、医療機関では診察後に会計が決まることがほとんどです。運用上、利用できる医療機関は限られますが、予約システムの中にはクレジットカードなどを使って事前に決済する機能を備えたものもあります。そのような予約システムを利用することによって、当日の会計業務が省略できるほか、無断キャンセルを防ぐ対策にもなる可能性があります。
■Web予約を利用する側
(さらに…)
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