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必見!再発見!知っていることも多いけれど改めて語る物件コラム

必見!再発見!知っていることも多いけれど改めて語る物件コラム 第10回

第10回 戸建て開業を検討中なら「医療ビレッジ」との比較を! 診療や経営のしやすさ、コストにおける違いとは

  • 医院開業のポイント

2024.09.02

開業を目指す多くのドクターが悩む「物件選び」。本シリーズでは、開業の最大の壁ともいえる課題について、アイセイ薬局の開業コンサルタントが基本から説明していきます。

第10回となる今回のテーマは「戸建て」と「医療ビレッジ」。それぞれのメリットやデメリット、組成パターンなどを詳しくご紹介します。

 

【プロフィール】
佐波 達也(さば たつや)
医療モール開発・開業サポート担当:東海
アイセイ薬局に入社後、東海4県の店舗開発の営業活動に従事。その後は協力企業に出向し、開業支援および医療モール開発の経験を積み、関西エリアで医療モール開発を担当。2021年秋に東海エリアに戻り、物件選びから開業まで一貫してドクターを支援している。顧客が希望する土地を確保するため、自ら地主と交渉を行うことも。

【プロフィール】
平川 宗史(ひらかわ そうし)
医療モール開発・開業サポート担当:首都圏
内装計画を含む物件関連全般、および会計や経営の知識が特に豊富なコンサルタント。コンビニエンスストアに19年間勤めた経験があり、9年間はスーパーバイザーとして各店舗の経営管理を、10年間は店舗開発部門で物件選定から店内デザインまで幅広く担当していた。物件提案から開業後の経営に関する相談まで、一貫してドクターに伴走できることが強み。

 

戸建ての最大のメリットは自由度。ただし、テナント型を除きコストは大

――初めに「戸建て開業」のメリット・デメリットを教えてください。

佐波:戸建てのメリットは、何といっても自由度の高さでしょう。建築仕様、建物や駐車場のレイアウト、標榜科目まで、自分の好きなように決定できます。特に私が担当している東海エリアは、首都圏や関西中心部に比べて土地を確保しやすいこともあり、戸建てを選ぶドクターが多いですね。

平川:一方で戸建て(テナント入居ではなく、自身で建物を建てる場合)のデメリットは、やはりイニシャルコストが大きくなること。土地を購入する場合は、さらに高額な予算が必要になります。また、看板の設置や内覧会にかかる費用、建物や駐車場の管理費なども単独で負担しなければなりません。

【戸建て物件の一例:ちねん内科クリニック(埼玉県川口市)の外観写真】

佐波:イニシャルコストが高いことを考えると、50代になってからの独立で将来的な継承の予定もない場合、戸建てはリスクが高いと言わざるを得ません。30代後半〜40代で、これから長い期間クリニックを運営していきたいと考えているドクター向きの選択肢といえます。

――コストを抑えつつ戸建てを選択するのは難しいのでしょうか?

佐波:イニシャルコストを抑えたい場合は、テナント型を選択しましょう。また、ランニングコストの削減という観点では「医療ビレッジ」で開業するという手段もあります。

 

複数のクリニックが集まることでさまざまなメリットが生まれる「医療ビレッジ」

――医療ビレッジとはどのようなものですか?また、そのメリット・デメリットを教えてください。

佐波:1つの敷地内に複数の戸建てクリニックが集合している形態を、医療ビレッジと呼びます。当社が展開する例では、愛知県半田市の「クリニックステーション半田青山」や、静岡県浜松市の「仮称)クリニックステーション東三方町」、愛知県稲沢市の「稲沢医療ゾーン(Inazawa Medical-zone)」※現在は募集終了 などが相当します。医療ビレッジのメリットは、標榜科目の異なるクリニックが複数集まることで「診診連携」が取れること。また、地域住民に早い段階から「あそこに医療機関が集まっているらしい」と認知されやすく、さらにその便利さゆえに安定した集患にもつながりやすいです。

平川:それから、薬局を誘致しやすいのもポイントですね。戸建ての場合ですと、近隣に調剤薬局や処方箋を扱うドラッグストアがあるか確認しないといけません。あとは、医療ビレッジ全体で視認性の高い大きな看板を出せたり、駐車場の台数を確保しやすかったり、タイミングを合わせて内覧会を行うと人が集まりやすかったりする点も魅力です。さらに、クリニック主催では難しい「開業後の健康セミナーなどのイベント」も、オーナーや薬局が主催者となって医療ビレッジ全体で行うことができるため、継続的な集患の観点でもメリットがあります。経営のしやすさにも、いい影響があるといえるでしょう。

佐波:先ほどお話したコストの観点では、駐車場や看板など共同利用する設備の維持費が折半になるので、ランニングコストの削減につながります。医療ビレッジでもテナント型でない場合はイニシャルコストが大きくなりますが、共有設備の設置や医療ビレッジ全体のオープン告知にかかる費用は折半となるため、戸建てに比べて総額をやや削減できる可能性が高いです。

 

戸建てと医療ビレッジの組成パターンを一覧表で解説

――戸建てについて、ここまでに「土地の購入」「テナント型」といったワードが出てきましたが、その組成パターンについて教えてください。

佐波:まずは、戸建ての組成パターンについてご説明します。考えられる6つのパターンを以下にまとめたので、ご覧ください。

(さらに…)

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