医院開業コラム
もやっと先生のための科目別開業ポイント 第5回
2024.06.10
今回は、小児科の開業ポイントなどについて解説します。患者が子供であることから、患者さんのみではなく、そのご家族(保護者)への対応が重要になります。子供がまた来たい(行ってもよい)と思わせる内装設計などの対応に加え、誰が医療機関を調べて受診するかをよく検討し戦略を練る必要があります。開業資金の目安や成功事例も記載していますので、小児科クリニックの開業の参考にしてください。
小児科クリニックの開業資金は、設備資金と運転資金を合わせて7,000万円程度必要です。X線装置を導入しないクリニックも多く、医療機器の投資があまり必要のない診療科目です。ベビーカーを置くスペースが必要となりますし、健診や予防接種が多くなりますので、発熱などの病気で受診する患者さんと待合を分けることがあるため、比較的面積が必要になります。
【小児科の設備費用】
個人と医療法人に分けて、大まかな収支構造と年収について解説いたします。
厚生労働省(中央社会保険医療協議会)が開示している第58回医療経済実態調査を基に記載しています。
【小児科の収支構造(年間)】
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001197198.pdf
小児科(開業医)の年収は、全体が約3,020万円であるのに対して、約4,186万円と平均年収が高い傾向にある診療科目の一つです。診療報酬の小児科外来診療料の包括算定が可能な科目です。包括算定を選択せず、出来高を選択することも可能です。クリニックの診療方針によっては、出来高を選択したほうが売上が高くなる場合がありますので、診療方針をきちんと定め、どちらを選択するか決定しましょう。
損益差額は約2,736万円と全体の約1,536万円と比較すると高い数値を示しており、診療科目の中で最も高い数値です。予防接種など、院内で使用する医薬品や消耗品が高くなる傾向にある反面、医療機器などの設備があまり必要ないため、減価償却費が低い傾向にある診療科目です。
個人の場合と異なり、医療法人の給与費の中に理事(理事長)の役員報酬が含まれますので、個人の場合と比較して人件費が高くなります。
小児科開業の8つのポイントについて記載します。
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