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医院開業コラム

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開業風林火山 開業サポート衆が語る12の鉄則

開業風林火山 開業サポート衆が語る12の鉄則 第7回

第7回 早めに着手すべき機器・備品の選定。費用や手間を抑えて“本当に必要なもの”を見極めるコツとは

  • 医院開業のポイント

2023.03.06

アイセイの開業コンサルタントから、開業に必要なノウハウや知見を学ぶ全12回のシリーズ『開業風林火山』。第7回のテーマは「医療機器・備品の選定〜購入のポイント」です。クリニックに欠かせない機器・備品について、検討の開始時期から選定時に気を付けるべきこと、最新のトレンドまで、幅広い情報をお届けします。

今回解説するのは、500件超の開業支援実績を持ち、医療機器リース業に長年従事してきた高坂氏と、医薬品卸会社でクリニックの診療環境づくりをサポートしてきた井上氏の2名です。

 

【プロフィール】高坂 博之(こうさか ひろゆき)
約25年間で500軒を超えるクリニックの開業を支援してきたベテランコンサルタント。内科から皮膚科、整形外科、小児科や脳外科まで、あらゆる科目のクリニックのコンサルティング経験を持つ。また、税務や法律、採用など知識の幅が広く、さまざまな角度から開業・経営をサポートしている。

 

【プロフィール】
井上 一登(いのうえ かずと)
医薬品卸業を営む会社の営業職を経て、2020年にアイセイ薬局へコンサルタントとして入社。多数のクリニックのより良い診療環境づくりに携わる中で培った視点や知識を生かし、医師の意向を尊重しつつも、臆せず的確なアドバイスを送るコンサルティングのスタイルが高く評価されている。

 

機器は「やりたい医療が定まった段階」、備品は「間取りが確定した段階」が検討時期

――医療機器や備品の検討は、いつ頃から始めればいいでしょうか?

井上:機器については、経営理念やコンセプトが明確になった段階で、できるだけ早く検討し始めるといいでしょう。その時点で、ご自身がやりたい医療に必要な機器が自ずと見えてくるはずですから。その後、開業するエリアや坪数などの物件のスペックが明確になり、概算事業計画書(参考:第5回『概算事業計画書による“エラーチェック”で描いた理想を実現可能な事業に』)をつくって数字で事業を把握できる段階になったら、メーカーや機種まで絞っていきます。

高坂:機器の検討を早めに始める理由は、内装の設計に影響してくるからです。MRIやレントゲンのようなわかりやすいものだけでなく、もっと小さな機器であっても、設置する台の寸法やコンセントの配置などを合わせなければなりません。必要な広さを確保するという意味でも、過剰にスペースを取って周囲を圧迫しないようにするという意味でも、内装の最適化には機器選定が大事な要素になります。

井上:備品については、クリニックの間取り(診療室の数や受付、待合室の広さ、隔離室やカウンセリングルーム、処置室などの有無など)がある程度決まってきた段階になれば、必要なものや数がわかってきます。

 

これからの開業では“IT化を意識した機器選定”が必須

――近年の開業トレンドを鑑みて、機器や備品の選定で知っておくべき情報はありますか?

井上:近年はクリニックのIT化が大きく進んでいますから、その点は押さえておきたいですね。絶対に必要なのは、電子カルテ。それから、最近開業されるクリニックでは、自動精算機はかなりの高確率で導入しています。会計の間違いをなくすだけでなく、感染症対策にもなりますからね。その観点では、若い世代を中心にキャッシュレス決済を好む方も増加傾向にあるので、ニーズが高そうであれば専用端末の導入も検討してみてください。

高坂:あとは、オンライン予約システムの導入率も高まっていますね。ただし、こちらは科目によってニーズが異なります。例えば、小さなお子さんが通われる小児科なら、システムを使うのは若いご両親がメイン。オンライン予約に抵抗はないでしょうし、むしろ便利だと思うはずです。しかし、これが高齢の患者さんが多い科目だとどうでしょうか。ターゲットとなる患者さんの年代や、来患数を踏まえた導入システムの仕様に関して検討が必要です。

井上:近隣の競合クリニックの状況も、調査しておくといいですよ。新型コロナの流行をきっかけに、近年は「待合室で大勢が順番を待つ」という在り方が見直されています。今やオンライン予約ができないことは、患者さんが寄りつかない、もしくは離れる一因になり得ます。なお、予約や会計のシステムは、導入の有無でスタッフのオペレーションが大きく変わるものです。少々コストがかかっても、開業時に導入してしまうほうがいいかもしれません。

高坂:“将来を見据えて”という意味では、今後ますますニーズが拡大していくオンライン診療のシステムも検討項目に入れておきたいですね。あと、マイナンバーカード保険証の提示有無により診療点数が変わってくるので、できればマイナンバーカード保険証読み取り機を開業時から設置しておくことをおすすめします。

 

選定時には、建物のスペック・必要性・自身との相性を必ず確認

――機器の選定にあたって注意すべきポイントはありますか?

(さらに…)

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