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医院開業コラム

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開業風林火山 開業サポート衆が語る12の鉄則

開業風林火山 開業サポート衆が語る12の鉄則 第5回

第5回 概算事業計画書による“エラーチェック”で描いた理想を実現可能な事業に

  • 医院開業のポイント

2023.01.10

クリニック開業までの道のりや各ステップで活きるノウハウを、アイセイのベテラン開業コンサルタントに学ぶ本シリーズ。第5回のテーマは、これまでにまとめたコンセプトや開業候補エリアなどの情報に基づいて作成する「概算事業計画書」です。

概算事業計画書の作成は、皆さんが描く理想の医療を“事業”として捉える最初の一歩ともいえるステップ。“概算”と侮るなかれ、開業を確実に成功させる上で重要なカギを握っているものです。

今回は、500件超の開業支援実績を持つ高坂氏と、前職の設計・施工会社で培った豊富な経験を活かし、さまざまな業界で内装を手掛けてきた荒木氏の2名のコンサルタントが、その作成と活用のポイントをプロの目線で解説します。

 

【プロフィール】高坂 博之(こうさか ひろゆき)
約25年間で500軒を超えるクリニックの開業を支援してきたベテランコンサルタント。内科から皮膚科、整形外科、小児科や脳外科まで、あらゆる科目のクリニックのコンサルティング経験を持つ。また、税務や法律、採用など知識の幅が広く、さまざまな角度から開業・経営をサポートしている。

 

【プロフィール】荒木 英明(あらき ひであき)
内装の設計、施工を手掛ける会社での勤務を経て、クリニック開業コンサルタントに転身。業界を問わず、多数のクライアントに“ベストな内装”を提案してきた経験を活かし、医師一人ひとりの想いやコンセプトを形にするサポートをしている。物件開発の知見も豊富で、医療モール開発においても手腕を発揮。

 

概算事業計画書は、やりたい医療を事業として実現するための第一歩

―― “概算事業計画書”とは一体どのようなものですか?

高坂:概算事業計画書とは、簡単にいうと“医師が抱くイメージを事業として見るための第一歩”となる資料です。目指す医療を事業として捉えたとき、具体的にどのような“数字”がはじき出されるかを確認し、その計画が実現できるか、また実現したいと思えるかを検討します。以下のサンプルをご覧いただくと、理解しやすいかと思います。

【概算事業計画書例】

 

このように、物件の賃料や導入する医療機器への投資、スタッフの人件費などを概算で見積もります。さらに、第4回でご紹介した診療圏調査や、厚生労働省が出している診療報酬単価の科目別平均値などを基に、来患数や売上も予想。すると、開業にあたってどれくらいの投資が必要で、数年先にどれくらいの収益が見込めるのか、損益分岐点がどこになりそうなのかなどが見えてきます。

荒木:概算事業計画書を作成するタイミングは、具体的にテナントが決まる前、内装や医療機器などの各種見積もりが出てくる前になります。コンセプトが固まり、開業するエリアの目星が付き、物件を検討し始める頃ですね。なお、内装や医療機器の購入(もしくはリース)にかかる費用の概算は、弊社のデータに基づいて算出しています。内装工事費は坪当たり70~80万円の想定で計算し、医療機器の費用は診療科目ごとの平均値+コンセプトに応じて必要となる機材で考えます。

 

“概算”というワードに惑わされず、できるだけ現実に即した内容を目指して

――概算事業計画書の作成を依頼するにあたって気を付けるべきことを教えてください。

荒木:コンセプトを徹底的に固め、“クリニックの在り方”をできるだけ具体的にイメージできるようにすることが大前提ですね。 (さらに…)

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