医院開業コラム
クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド 第45回
2022.02.14
2022年4月、コロナ禍で初めて実施される「令和4年度診療報酬改定」では、医療のICT化に関する項目が多く見られます。その背景には、新型コロナウイルスの感染拡大で露呈したデジタル化の遅れ、地域連携における課題、超高齢社会に伴う生産人口の減少があります。
では、今回の診療報酬改定を受けて、クリニックには具体的にどんな取り組みが求められるのでしょうか。今年1月14日、厚生労働大臣からの諮問を受けて中央社会保険医療協議会がまとめた「令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理」(改定項目に落とし込む原案。以下「議論の整理」)のトピックの中から、ICTについてピックアップして解説していきます。
議論の整理では、「オンライン診療」について、初診からの取り扱いが焦点となっていました。結果的には「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を見直し、初診からのオンライン診療は原則「かかりつけ医」が行う、それ以外の医師が実施する場合は医師・患者間でリアルタイムの「診療前相談」を必要とするといった方針が示されています。
その他、「再診料」「医学管理料」「服薬指導」などについても、コロナ禍の特例を踏まえた見直しを行うとしています。コロナ禍で大幅に前進したオンライン診療は、今後、より利用が広がる仕組みにするためにも、対象疾患(ケース)の拡大と点数の引き上げが期待されているのです。
このような流れを考慮すれば、オンライン診療をスタンダードなツールのひとつとして捉え、診療の継続、リピート率の向上に取り組む必要があるといえるでしょう。コロナ禍で明確になったオンライン診療のニーズをしっかりとくみ取り、新たな患者獲得のチャンスをつかんでください。
この記事をシェアする