医院開業コラム
医院開業&医療経営レポート
2016.10.02
ご自身のクリニックの広報活動として、ホームページを開設している先生は多いと思います。しかし、「うちは良いホームページを作ったから大丈夫。患者さんが来てくれるはず」と考えて、安心してしまってはいないでしょうか?その考えは少し危険です。なぜなら、オンラインにおける患者さんの導線は「自院ホームページを閲覧→来院」というルートだけとは限らないからです。
一般に、どのクリニックに行くか決めていない患者さんの場合、検索窓に「地名 診療科」を入れてGoogleやYahoo!で検索することが多いと思います。あるいは、看板や知人からの口コミなどでいくつか目ぼしいクリニックを見つけており、その中からどこにするかを迷っているかもしれません。そんな際に先ほどのキーワードで検索をかけると、大抵はクリニックのホームページと同じページ内に「病院口コミサイト」が表示されます。これが、先生方が思っている以上に、クリニックの集患に大きな影響を与えています。
下のグラフをご覧ください。これは「医療機関選びのために、どのような情報を収集するのか。その中でもっとも信頼する情報は何か」について聞いたインターネット調査の結果です。これによると、患者さんが収集している情報は「家族や知人の口コミ」54%、「医療機関のホームページに記載されている情報」47%に次ぎ、「医療機関の口コミサイト等の口コミ」が30%という結果となっています。「医療機関の口コミサイト等の口コミ」を参考にする人も決して少なくないことがご理解いただけると思います。
では、「病院口コミサイト」とは何でしょうか?一言でいうと、サイトのユーザーが自由に医療機関に関する口コミ情報を投稿できるサイトのことです。同じような口コミサイトには、レストラン情報の「食べログ」や、家電などの価格を比較できる「価格.com」があります。また、“口コミ”ということでいえば、「amazon」のレビュー欄も同様の種類のものです。そう考えると、口コミが持つ影響力の大きさは容易に想像できるのではないでしょうか。
「病院口コミサイト」では、全国の医療機関が登録されており、ユーザーが自由にコメントと点数を残すことができます。
代表的な「病院口コミサイト」には以下のようなものがあります。
・Caloo(jp)
月間利用者数500万人。運営会社は、患者と医療機関のマッチングサービスを複数運営しています。全口コミが目視確認後に公開されており、極端に低い評価の口コミは、会員のみ条件付きで閲覧が可能です。患者は口コミ登録によりポイントがもらえる仕組みとなっています。
・QLife(qlife.jp)
月間利用者600万人、医療機関全国17万件。医療機関の検索や薬の検索ができる、医療情報の総合サイトです。運営会社は医療者、医療関連法人向けサービスも手がけており、総合的な医療情報サイトとして人気があります。医療機関が独自に情報を掲載できるサービスもあります。
・病院の通信簿(tusinbo.com)
顧客満足度調査を実施する企業が運営しており、全国21万件の医療機関情報と8.5万件の口コミ情報が掲載されています。運営会社はメディア向けに医療機関のデータベースや口コミデータを提供するサービスも行っています。
・いい病院.ネット(net)
Web制作会社が運営しているサイトです。全国16万件の医療機関情報が掲載されており、診療時間や地図などの基本情報とともに口コミが見られるようになっています。「日本の名医 ゴッドハンド」というコンテンツも特徴的です。「病院口コミサイト」と検索すると一番上に表示されます。
少し覗いてみていただくと、サイトごとに特徴や強いエリアがあることがわかると思います。ここに挙げた以外にもたくさんありますので、ぜひ一度、ご自身のクリニック名で検索してみてください。
では、これらの「病院口コミサイト」には、一体どんな口コミが書かれているのでしょうか?全体の傾向をつかんでいただくため、評価の高い口コミ、評価の低い口コミから、それぞれ内容の一部を抜き出してみます。あくまでこれは膨大な量のコメントから一部のコメントを抜粋したものですので、詳細はご自身の目でお確かめください。
まずは、最高評価の「★5」をつけている人のコメント内容をご紹介します。
【口コミ1】「とても親切です。話を良く聞いてくれます。予約しておけば余り待たずに診察を受けれます。物腰も丁寧で素敵な町のお医者さんです。」(「いい病院.ネット」より) (さらに…)
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