医院開業コラム
わが子を医師にするための9つのルール 第10回
2016.03.04
こんにちは、藤崎です。
わが子を医師にするために、親がしなくてはいけない「3つのリセット」。第1の「時間のリセット」、第2の「夫婦間のリセット」に続き、後編では第3の「地域性のリセット」についてお話します。
皆様はどこの地域でこのコラムを読まれているのでしょう?東京でしょうか?大阪でしょか?静岡でしょうか?九州、北海道でしょうか?また、ご自身はどの地域で育ったのでしょうか?みんな様々なはずです。
先日、ご相談に来られたドクターと、こんな会話を繰り広げました。
「私の小学生の時分には、中学受験するヤツなんて見たこともなかったですよ!」
「そうですか。先生どちらのご出身でしたっけ?」
「わたし青森なんですよね~!」
「そりゃそうですよ、青森県には、目ぼしい中高一貫の私立校は数校しかないですからね~!」
このドクターは、みんなが行く地元の小学校、中学校に通い、青森No.1の県立八戸高校に入り、弘前大学の医学部を出られた立派な方です。奥様は静岡出身で、やはり名門県立高校出の医師でいらっしゃいました。
彼らはこの度、開業のため横浜の港北ニュータウンという新興住宅地に引っ越されてきました。この地域は横浜の中でも中学受験率が60%を超える特殊な地域です。わが子の子育てにあたり「どうしてよいか皆目見当がつかない、浦島太郎のようなものです」と、ご相談に来られたのです。
私が申し上げたいのは、青森がどう、横浜がどう、ということではありません。「その地域には、その地域の王道、「旬」(しゅん)がある」ということ、そしてそのことを親が認識しておかなければならない、ということです。
例えば静岡県のような県立王国では、浜松北に代表されるような地域No.1の県立高校を目指すことが王道で、それがその地域の「旬」です。それに逆らい、幼少時代から行ける私立校にこだわることは愚かな行為といえるでしょう。
逆に、私立校の選択の幅が広い首都圏で、「自分が県立育ちだから」という理由にこだわり、私立校の選択を逃してしまうことも、王道からはずれて「旬」を逃してしまうことになります。
それでは、「自分が育った地域に、今も住んでいるし、中学受験も経験してきました」という方々は、リセットの必要がないのでしょうか?
答えは「NO」です。教育界は医療界に負けず劣らず変化が激しく、特に医学部へのアプローチに欠かせない中高一貫校のランキングは、昔とは比較にならないほど入れ替わっています。ところが、ご自身が中学受験をされた頃のイメージが焼き付いている皆様は、なかなかこの変化を認めることができません。「俺らの時代には、あの私立高校は“滑り止めの滑り止め”だったんだ」などという古い先入観が、わが子の大切な選択を歪めてしまうのです。
こちらの表をご覧ください。
この表は、医学部合格者を輩出した私立中高一貫校・国立大学附属中学校(いわゆる、中学受験の対象校です)が各都道府県に何校あるかを示した一覧です。
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