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開業医のための「医院経営相談外来」 Q.3

患者さんに継続して受診してもらうにはどうすればよいでしょうか?

  • 集患・マーケティング

2016.02.09

患者さんに継続して受診してもらうためには、価値を感じて満足してもらうことが重要です。

クリニックの院長先生やスタッフの方々は、良い医療を提供し、院内環境を整え、接遇技術を磨き、患者さんの満足を得ることに日々努力されていることと思います。
これらのことを日々継続することは不可欠ですが、それ以外にも重要なことがあります。
それは、「自院にマッチする患者さんに来ていただく」ということを意識して行動することです。

 

どうすれば自院にマッチする患者さんに来てもらえるのか?

患者さんがクリニックに来院しても、事前に抱いていたイメージと実態とが異なっていると、患者さんは満足できないどころか不満を抱いてしまいます。

クリニックを受診する患者さんの行動は、一般の商品やサービスの購入者の行動と同じです。彼らは、「認知→試用→利用」という流れで行動します。
スーパーの試食コーナーを例にとると、まず通りかかった人は試食の説明を聞いて「こんな味なのかな?」とイメージします(認知)。次に試食をしてみて(試用)、予想通りの味であれば満足して購入します。満足度が高ければ繰り返し購入します(利用)。予想と違えば購入することはありません。

患者さんもこれと同じように行動します。
ホームページなどでクリニックを知り、「こんなクリニックかな?」とイメージして(認知)、受診します(試用)。そして、自分が思った通りであれば、満足して次からもそのクリニックを受診します(利用)。予想と違えば次からは受診しません。

重要なことは、患者さんが想像するクリニックのイメージ実際に受診した時の実態がマッチしているということです。満足すれば良い口コミをしてくれるかもしれませんが、そうでなければ、次からは受診しないばかりか悪い口コミをされることにもなりかねないからです。

では、どうすれば自院にマッチする患者さんに来てもらえるのでしょうか?
まず、自院の実態を正しく患者さんに伝えて認知してもらうことが必要です。当たり前ですが、過大広告や、事実と異なることを伝えてはいけません。伝える内容は院長先生の経歴や専門分野、診療科目や診療内容・診療方針、医療機器や設備など数多くありますが、それだけでは十分とはいえません。

患者さんはこれらのこと以外にも以下のようなことを知りたいと思っています。

  • ・院長先生はどんな人なのだろうか?優しいのかな?怖いのかな?
  • ・スタッフの人たちはどんな雰囲気なんだろう?
  • ・このクリニックは自分とフィーリングが合うのだろうか?

患者さんは、院長先生やスタッフの人柄、クリニックの雰囲気など、目に見えないことを基準に選んでいるケースが多いようです。それらのことを患者さんにわかりやすく伝えてあげることが大切です。

 

「患者さんに選ばれる理由」を知る方法

院長先生やスタッフは日々当たり前に行動し、毎日同じ環境にいるので、自分たちのことは自分ではよくわからないかもしれません。そんな時は患者さんに「なぜ、このクリニックを受診していただいているのですか?」「当院の良いところは何でしょうか?」と率直に訊いてみましょう。その質問への答えの中から自院の実態を知ることができます。

ここで注意することがあります。
まず、この質問の目的は「自院にマッチする患者さんに来ていただくこと」です。そのためには自院の良い所を探すことが重要です。ですので、質問は自院のファンの患者さんのみに行ってください。改善点を探すのは別の機会にしてください。そして、自分は当たり前だと思うことも、それが患者さんから見た真実だと捉えて、きちんと受け止めてください。「こんなことは当たり前だ、大したことではない。」などと見逃さないよう気を付けてください。

自分が当たり前に行っていることは自分では良いことと認識できませんが、患者さんにとっては重要であることが少なくありません。このことをよく心に留めておいてください。

自院の実態がわかったら、それをアナウンスします。患者さんが認知した後は、以下のサイクルで流れていくはずです。

このサイクルを回し続けることで、一度受診した患者さんに継続して来てもらうことができます。また、自院の実態、良い所がわかれば、院長先生、スタッフのモチベーションも上がります。そして、それを忘れず磨き続けることでさらにレベルアップでき、また自院にマッチする患者さんに来てもらうことができるのです。

※このコラムは、2016年1月現在の情報をもとに執筆しています。

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執筆者紹介

近藤 隆二

近藤 隆二
(こんどう りゅうじ)

医業経営コンサルタント
CFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会)
非営利団体 医業経営研鑽会・副会長
米国NLP™協会認定NLPマスタープラクティショナー

大手OA機器メーカーで12年、生命保険会社で12年勤務した後、医業経営のコンサルティングの仕事に携わる。「部分最適ではなく全体最適を考える」ことを貫き、さまざまな状況に応じたフレキシブルなコンサルティングを得意とする。コミュニケーションを密にすることで、それぞれのお客様にとって本当に良いことは何か、お役にたてることは何かを、常に考え続けている。
近藤隆二氏のホームページ「ドクターよろず相談所」はこちら

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