CLINIC Station Portal Powered by AISEI PHARMACY

ようこそゲスト

  • ログイン
  • 新規会員登録
  1. >
  2. >
  3. 医療における働き方改革とIT化

医療における働き方改革とIT化

今春に予定される2020年度の診療報酬改定でも、「働き方改革」は最重要テーマとされています。そこで今回は、政府が進める「働き方改革」の医療への影響と、それに伴うIT活用について解説します。

政府は少子高齢化に伴う生産人口の減少を踏まえ、2019年4月から「働き方改革関連法」を順次施行しています。同法は、雇用対策法や労働基準法など、労働規制に関わる一連の法律の改正を指すものです。具体的には長時間労働の是正、柔軟な働き方の実現、公正な待遇の確保といった視点から、改正が行われています。

残業時間の上限規制への対応策が必要

同法では、時間外労働(いわゆる残業)の上限を原則として月45時間、年360時間に設定し、臨時的な特別の事情がある場合に限り月100時間未満、年720時間以内の残業を認めています。それでも、月45時間を超えることができる月は6ヶ月までに制限され、その上、複数月(2~6ヶ月)の残業平均時間が1ヶ月あたりそれぞれ80時間以内に収められていない場合は、雇用主側に罰則が科される恐れが生じることになりました。同法の施行時期は大企業で2019年4月から、診療所の属する中小企業でも2020年4月からの施行となります。

また、診療所において現在慢性的に2時間を超える残業が発生している場合は、今一度業務の見直しを行い、早急に残業時間の短縮に取り組む必要があります。残業を見直す際は、残業発生につながる原因を明らかにし、その原因解決に取り組まなくてはなりません。

残業の原因を分析してみると、特定のスタッフに業務が集中しているために起きているように感じます。そのような場合は、根本的な解決策を講じる必要があります。例えば、スタッフ間の業務配分を見直したり(タスクシフティング・タスクシェアリング)、ICTを活用したりすることで、業務自体の削減に取り組む必要があるのです。

有給休暇の取得義務化によりシフトの悩みが増加

年間10日以上の有給休暇が付与された従業員は、付与から1年以内に5日以上の有給休暇を取得することが義務づけられました。同法は大企業、中小企業ともに2019年4月から施行されています。診療所では、毎月レセプト請求時期にスタッフに休日出勤をお願いしている場合があります。このようなスタッフに対しては、振替休日を与えることはもちろん、さらに5日間の有休取得を確実に実施しなければなりません。

まずは、全スタッフの有休残日数を確認し、10日を超える有休があるスタッフには、積極的に取得を促す必要があります。シフトを組む際には有休取得を見越した調整を行わなくてはならず、ただでさえシフト調整に困っている方にとっては、さらに悩みの種が増えたことでしょう。こういったシフトの不公平をなくすために、シフトを組む担当者を定期的に変えるクリニックもあります。

シフト管理ソフトや勤怠管理ソフト、タイムレコーダーなど、IT化を進めることで業務効率化を図ることを検討してはいかがでしょうか。今回の「働き方改革法案」は、診療所にとっては悩みの種が増える内容となっています。しかし、これを契機と捉え、業務の見直し、標準化を図り、より効率的な診療所運営に変わる時期が来ていると、前向きに受け止めてはいかがでしょうか。IT活用は有効な手段ですので、ここからは業務効率化に役立つIT機器についてご紹介します。

業務効率を上げるIT機器とは

1. 自動精算機・セルフレジの活用
業務自体を削減するシステムとして、現在注目されているのが「自動精算機」や「セルフレジ」の導入です。同システムは、大病院を中心に普及が進んでいましたが、昨年頃からクリニックでも普及が始まっています。その背景には、クリニックの要望を受けて省スペース化と価格低下が進められたこと、クリニックにおいても人手不足が顕在化してきていることなどが挙げられます。

また、日本は世界的に見ても遅れているとされる「キャッシュレス」についても、自動精算機などの導入に伴い進められようとしています。これは2019年10月の消費税引き上げに合わせて政府が「キャッシュレス還元事業」を行ったことで、世の中がキャッシュレスの流れに変わったことも、大きく影響していると思われます。

2. オンライン資格確認
さらに、受付の無人化を進めるためには「再来受付機」についても検討が必要ですが、月1回必ず発生する保険証の確認業務が存在し、どうしても人をなくすことができないでいました。その課題に対して、政府は医療情報化支援基金を設立し、「オンライン資格確認」を全医療機関に導入する計画を発表しています。

同計画は、医療機関で医療を受ける際の被保険者資格の確認をオンラインで行えるようにするもので、受診の際にオンラインで資格を確認できれば、失効した保険証による過誤請求を大幅に減らすことができるようになります。この仕組みが再来受付機に組み込まれることで、受付無人化が実現する可能性が出てきたのです。

3. レセプトチェックシステム
診療所において、スタッフの残業時間や有給休暇の消化に大きく寄与しているのが「レセプト点検業務」ではないでしょうか。これを改善しない限りは、残業時間の短縮も有給休暇の消化も進まないと考えます。そこで、レセプト点検業務を効率化するシステムとして、「レセプトチェックシステム」に注目が集まっています。

同システムは病院向けに普及していたシステムでしたが、診療所向けに機能を絞ることで低価格化が実現したことにより、診療所でも導入が進んでいます。また、月1回行われるレセプト請求前のチェックを行うために開発されたシステムが電子カルテと完全に連動することで、オーダーの際にリアルタイムでチェックすることも可能です。

経験豊かなサポートスタッフが、先生方一人ひとりのニーズに合わせた医院開業サポートを行っております。個別相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

mr.oonishiMICTコンサルティング株式会社
代表取締役 大西 大輔(おおにし だいすけ)

一橋大学大学院MBAコース修了後、医療コンサルティングファーム「日本経営」入社。2002年に医療ITの展示場「MEDiPlaza」を設立し、3拠点の統括マネージャーに就任する。2013年「電子カルテ・クラーク養成講座」を開講。2016年に独立し「MICTコンサルティング」を設立する。現在は広島県にある穴吹医療福祉専門学校の非常勤講師を務め、過去3,000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、医師会、保険医協会などの医療系の公的団体を中心に講演活動および執筆活動も行う。また、診療所・病院のコンサルティングにおいて、看護師、リハビリスタッフ、事務員に対して、診療報酬点数、診療録の記載などの指導にも取り組んでいる。

MICTコンサルティング株式会社のWebサイトはこちら
※このコラムは、2020年2月現在の情報をもとに執筆しています。

合わせて読みたい

Recommended おすすめ記事

  • 新規会員登録
  • 医院開業サポート
  • 開業物件情報
会員限定コンテンツ
  • Web診療圏調査
  • 開業資金シュミレーター
  • 非公開物件バナー
人気連載記事
  • 翔和仁誠会流分院展開戦略
  • 事務長解体新書
  • 医師採用力
  • 医療ICT活用メソッド
  • みらいマネー研究所
  • 人事労務読本
  • クリニック内装の機能とデザイン
  • 現場発! 人材マネジメント
  • イソノ医院の承継記
  • クリニックWEB戦略新常識
  • ドクターのための医業経営力養成講座
  • 開業医のための「医院経営相談外来」
  • 熱血!医院集患塾
  • わが子を医師にするための9つのルール