医院開業コラム
クリニック経営の次のステップ ~法人化・分院展開という選択~ 第2回
2025.10.02
前回の医療法人の種類・特徴に続いて、今回は、医療法人(医療法人・一般社団法人)の新規設立の流れについて解説いたします。
医療法人・一般社団法人の設立には、それぞれ異なる制度や特徴があります。法人化することで、節税効果や社会的信用の向上、事業承継のしやすさなど多くのメリットが得られる一方で、設立手続きの複雑さや運営上の制約、解散の困難さなどのデメリットも存在します。
ここではメリット・デメリットから設立要件、注意点についてみていきましょう。
経営の安定性や節税効果が期待できる一方で、運営上の制約や手続きの複雑さも伴い、目的や将来の展望に応じて、選択が必要となります。
医療法人と一般社団法人は、いずれも法人格を持つことで社会的信用や節税効果が得られる点が共通しています。医療法人は医療法に基づき、保険医療機関としての指定や制度利用が可能で、医療機関としての信頼性が高いのが特徴です。一方、一般社団法人は医療に限らず幅広い事業に対応でき、定款によって柔軟な運営が可能です。事業承継や福利厚生の整備にも有利で、法人としての安定した運営が期待できます。目的や事業内容に応じて、最適な法人形態を選ぶことが重要です。
【医療法人・一般社団法人それぞれのメリット】クリックして拡大版を表示
医療法人と一般社団法人には、それぞれ特有の制約があります。医療法人は設立に都道府県の認可が必要で、手続きが煩雑です。また、医療法に基づく厳格な運営が求められ、自由度が低く、解散も容易ではありません。法人財産は公益目的に限定され、私的に利用することはできません。一方、一般社団法人は医療制度との直接的な連携ができず、医療機関としての制度利用に制限があります。税制面でも医療法人ほどの優遇はなく、設立目的に応じた慎重な選択が必要です。
【医療法人・一般社団法人それぞれのデメリット】クリックして拡大版を表示
医療法人と一般社団法人は、いずれも法人格を持つことで事業の継続性や信用力を高めることができますが、設立に必要な要件には大きな違いがあります。
この記事をシェアする