医院開業コラム
熱血!医院集患塾 第8回
2016.04.05
3回続けて連載してきましたこの競合クリニック戦略。今回が最終回です。
前回までは、一般のコンサルタントや院長先生にはほとんど知られていない“本当の競合クリニック分析”についてお伝えしました。前回までの方法に則っていただければ、実践的な競合分析が行えると思います。
ただし、いくら高い精度で競合クリニックの分析をし、競合の弱みなどを把握したとしてもそれだけではまったく患者は増えません。この事実は、この連載の初期の頃にもお伝えしたとおり、会計事務所の持ってくる月次報告書やコンサルタントが持ってくる高度な分析結果を眺めていても増えないのと同じことです。
何かをしなければ、何も起こらないのです。
では、何をするのか?いくつかある手法の一つをご紹介します。
集患には、あるものを使います。何だと思いますか?
患者さんの「来院経路」を使って、攻めるのです。(このコラムでは“来院経路”を「患者さんが自院を知り、来院するきっかけとなった広告や口コミなどの媒体」を総称しています)
来院経路……?それをどうやって……?と先生は思われるかもしれません。それも当然です。ここで、来院経路に関して一般のコンサルタントの方々が提案する内容について、紹介してみたいと思います。コンサルタントが来院経路の提案するときは、ほぼ看板やホームページなどの広告物の「費用対効果の測定」に限っています。
「来院経路を測定し、クリニックが持つ患者さんとの接点(=媒体)の中で、効果があるものと効果がないものとを見極め、無駄をなくして効率よく患者さんを集めましょう」という提案です。
この話は、売上をあげる話というよりは、費用削減、つまり効率化の話です。これも常にこの連載ではお伝えしてきましたが、経営というのは利益を残す事業活動なので、様々な提案が、売上をあげる提案なのか、費用を削減する話なのかを、どちらの話をしているのかを常に意識して聞くことが、経営者にとって必須です。
この提案は、主に費用削減の話をしています。しかし、それだけではありません。実は、来院経路を測定して効率化することは、やり方によっては患者数を減らす結果につながってしまうのです。なぜでしょうか?その理由は後ほどお伝えします。
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