医院開業コラム
クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド 第52回
2022.09.08
2023年1月より「電子処方箋」が始まります。電子処方箋は、政府が進める「医療DX」において、オンライン資格確認の次に来る仕組みです。医療機関・薬局は、オンライン資格確認同様、準備が求められます。そこで今回は「電子処方箋の仕組み」について解説します。
「電子処方箋」は、その名の通り、紙の処方箋をデジタルベースでリアルタイムにやり取りする仕組みです。現在構築中の「オンライン資格確認」のネットワークを利用し、「電子処方箋管理サービス(以下、管理サービス)」を通して、医師・歯科医師・薬剤師間で処方箋をやり取りすることになります。
基本的な流れとしては、以下の通りです。
①診療所・病院の医師が処方箋を「管理サービス」にアップロード
②薬局の薬剤師がその処方箋を薬局システム(レセコン等)に取り込み、薬を調剤
③薬局の薬剤師が薬を調剤した結果を「管理サービス」にアップロード
アップロードされた薬剤情報は「管理サービス」に蓄積され、患者さんのマイナポータルや、それと連携した電子お薬手帳で閲覧できるようなります。
電子処方箋が開始される背景には、コロナ禍で露呈した我が国における医療分野のデジタル化の遅れに対する危機意識があります。政府は、早急に全国で医療情報をやり取りできるプラットフォームを構築したいと考えているのです。そもそも「医療情報」を全国でやり取りするためには、全国の医療機関・薬局を結ぶ安全なネットワークが必要です。
そのため、2021年10月より「オンライン資格確認」の運用が本格的に開始されました。その次のプロセスとして、2023年1月開始予定の「電子処方箋」があります。オンライン資格確認の仕組みを利用して、処方箋の医薬品データを医療機関・薬局・患者間で連携できるようにすることで、医療の質向上および医薬品の効率的使用につながるとされています。
では、「電子処方箋」のメリットについて考えてみましょう。
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