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医院開業コラム

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クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド

クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド 第40回

今クリニックが取り組むべき「患者とのリレーションシップマネジメント」

  • 集患・マーケティング

2021.09.14

新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染拡大は、20217月から8月にかけて過去最大規模となりました。感染者数が過去最高を更新したというニュースが連日報道され、医療提供体制の確保は困難を極めていると伝えられています。

そんな一向に終わりの見えないコロナ禍は、クリニックと患者の関係を大きく変えようとしています。そこでクリニックに求められるのが、患者とのリレーションシップマネジメント。 今回は、近年注目の「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の考え方を基に、解説していきます。

コロナ禍の不安定な状況では「リピート率」を高める必要がある

現在のクリニックの状況を分析すると、新型コロナの感染が拡大すると新型コロナ以外の患者が減り、落ち着くと再び戻ってくるといった不安定な状態が長く続いています。このような状況下では、「新規患者」にばかりアプローチしていた従来のやり方ではなく、「再来患者」にも注目する必要があります。クリニックが今後も一定の患者数を確保し続けるためには、「患者のリピート率」が大切な指標となるのです。

では、再来患者はどうすれば増えるのでしょうか。近年、医療以外のさまざまな業界では「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」という考え方に注目が集まっています。CRMとは、顧客と企業の関係を見直し、何度もリピートする顧客や、口コミ・紹介などを生み出す顧客を重点的にフォローする考え方です。私は、このCRMを医療業界でも応用できると考えています。

CRMにおける重要なポイントは、顧客の情報を正しく把握し、良好な関係を構築していくこと。この考え方を医療の現場に置き換えると、クリニックは患者と良好な関係を構築するために顧客管理システムを活用し、集めた患者のニーズに関する情報を分析して、それに合わせて的確なサービス提供を行う必要があります。

クリニックにおけるCRMの第一歩は「電子カルテ」の活用

クリニックにおける顧客管理システムは「電子カルテ」です。電子カルテには、多くの情報を整理して登録できる機能が備わっています。この機能をしっかり活用し、まずは患者一人ひとりの情報について正しく把握することが必要です。

また、「電子お薬手帳」も併せて注目しておきたいツールでしょう。記録される内容が薬剤情報だけではなく検査や健診の結果、食事を含む日々の生活に関する情報などへ拡大していくことで、PHR(パーソナルヘルスレコード)へと進化していく可能性があります。2022年夏に予定される「電子処方箋」の運用開始に伴い、ますます活用が進んでいくと予想されます。

患者がリピートしない原因を把握し、サービスの改善を

電子カルテや電子お薬手帳で患者の情報を把握できたら、次に「患者がリピートしない原因」を考えてみましょう。一般的に、患者がクリニックから離れる主な原因は大きく5つに分けられます。 (さらに…)

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執筆者紹介

大西 大輔

大西 大輔
(おおにし だいすけ)

MICTコンサルティング株式会社
代表取締役

一橋大学大学院MBAコース修了後、医療コンサルティングファーム「日本経営」入社。2002年に医療ITの展示場「MEDiPlaza」を設立し、3拠点の統括マネージャーに就任する。2013年「電子カルテ・クラーク養成講座」を開講。2016年に独立し「MICTコンサルティング」を設立する。現在は広島県にある穴吹医療福祉専門学校の非常勤講師を務め、過去3,000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、医師会、保険医協会などの医療系の公的団体を中心に講演活動および執筆活動も行う。また、診療所・病院のコンサルティングにおいて、看護師、リハビリスタッフ、事務員に対して、診療報酬点数、診療録の記載などの指導にも取り組んでいる。

MICTコンサルティング株式会社のWebサイトはこちら

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