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クリニック経営管理術

クリニック経営管理術 vol.2

経営指標を細かく追えば改善点が見えてくる ~敏腕院長が決断した“クリニック運営に必要な投資”とは~

  • 集患・マーケティング

2020.07.02

なかなか聞けないクリニックの経営事情に迫る本シリーズ。経営分析ソリューション『CLINIC BOARD(クリニックボード)』を導入するクリニックの中から、経営手腕が光る医師や経営管理担当者に、“経営の成功の裏側”を教えていただきます。

第2弾となる今回は「きたなら駅上ほっとクリニック」の院長、松本悠先生にインタビュー。経営を考える上でチェックしている指標や、その分析の質を向上させるための投資などについて伺いました。

 

数字は項目を細分化して算出。課題を明確にする経営指標の追い方

きたなら駅上ほっとクリニックは、北習志野駅に直結するメンタルクリニックです。2018年10月に松本先生が前院長からクリニックを引き継ぎ、2019年には外来診療に加えて訪問診療をスタート。さらに、外来部門はドクターを10名にまで増員するなど、より多くの患者さんを診るべく急成長を遂げています。

同院が経営の課題に挙げるのが、ドクターごとの診療状況の把握です。メンタルクリニックを訪れる患者さんの多くが最も重視するのが、ドクターとの相性。そのため、クリニックの成長には各ドクターの診療の結果を詳しく分析し、一人ひとり課題を見つけて改善していくことが欠かせないと松本先生は言います。

「外来診療においては、例えばドクターごとに以下のような指標を毎月算出しています。

  • 勤務時間
  • 患者数
  • 新患数
  • 売上とその内訳
  • 平均単価
  • 1時間あたりの患者数
  • 1時間あたりの売上

その他もありますが、これくらい細かく見ていくと、自ずとそのドクターの診療の課題が見えてくるんです」

さらに、同院では“診療室ごと”のリピート率も計算しているそう。

「患者さんは、診療室に入ったときの雰囲気を敏感に感じとります。毎日のようにクリニックで過ごす内部の人間にはなかなかわかりませんが、診療室ごとのリピート率を見てみると、実際に“極端にリピート率が低い診療室”があったりします。当院でもこの結果を踏まえ、模様がえで脱落率が減ったことがあります。」

【新規患者のリピート状況もクリニックで可視化(サンプル画面)】

このように、きたなら駅上ほっとクリニックでは“売上”や“患者数”というように大きなくくりで数字を追うのではなく、項目を細かく切り分けることで、改善すべきポイントを明確にしているようです。そして松本先生は、今後さらに確認する指標を増やしていきたいと話します。

「今後は、ドクター以外のスタッフに紐づく数字も見ていきたいと考えています。患者さんは受付などのスタッフともかなりコミュニケーションをしており、頼りにしていたりします。『このスタッフがいるときはリピート率が高い』とか『クレームが集中しているスタッフがいる』といった分析ができれば、患者満足度のさらなる向上を目指せるかもしれません。またそのフィードバックをすることで、モチベーションアップにも役立つと思っています。」

なお、上記のように細かく集計したデータは、毎月1回行っている全体ミーティングで全員に共有。職種を問わずすべてのクリニック関係者に現状をきちんと伝え、同時に来月の売上目標もアナウンスして、その達成のために何をすべきかを考えてもらうようにしていると言います。

 

未来への投資として『CLINIC BOARD』を導入。集患対策などで効果を実感

先述のように、これまでも独自に細かく経営指標の集計や分析を行ってきた同院ですが、2020年の初めに株式会社エムティーアイが開発する経営分析サービス『CLINIC BOARD』を新たに導入しています。その理由について、松本先生は次のように教えてくれました。

「初めてデモを見たときに、何より動作が速く、見やすいのにびっくりしました。『CLINIC BOARD』を使うことで、私たちがこれまで思い至らなかった指標をより細かく確認できるようになりましたが、手作りの資料よりよほど見やすく、きれいな画面で速く表示出来るのは誰に対してもわかりやすい説得力があります。また今後のサービス発展への期待も契約に至った理由のひとつです。非常に面白いサービスなので、これからどんどん機能が拡張していくだろうと予想し、未来に向けて投資してみようと思いました。『CLINIC BOARD』はデータを蓄積していくことでメリットが大きくなる(より深い分析が可能になる)ので、早めに使い始めたいと考え、テスト利用を経て正式に導入することを決めました」

【多角的な指標での経営分析を容易にするダッシュボード画面(サンプル画面)】

そして実際に『CLINIC BOARD』導入した今、松本先生によく利用している機能を聞くと、“診療圏マップ”という回答が返ってきました。

【自院の診療圏を把握し、集患施策の立案・実行・評価を支援する診療圏マップ(サンプル画面)】

「どのエリアからどれくらいの人数の患者さんが来院しているか、競合となるクリニックがどこにあるのかなどを地図上でわかりやすく確 認できる診療圏マップは、よく利用しますね。集患対策を考える上で重宝しています。今のところ結果はおおむね私の想像どおりだったので、広告戦略を変えるなど具体的な動きこそありませんでしたが、各種検索サイトに広告を出す地域の設定などに使えますので、実際にデータで裏づけられたことで確信を持てたのは大きかったです」

また、同院が現在力を入れている若年層へのアプローチの効果も、『CLINIC BOARD』上で確認していると言います。

【診療圏マップをもとに来院状況をご説明される松本先生(画像は一部加工処理)】

「当院はもともと認知症の患者さんが多かったですが、私が引き継いでからは全年齢層を対象にしており、若年層も取り込みたいと考え、さまざまなアプローチを実践しています。

その効果を確認できるのが、年代別グラフです。どの年代の患者さんがどれくらい来院しているかをグラフでわかりやすく表示してくれる機能で、若年層がかなり増えていることが確認できました」

【年代別の来院状況分析により、地域性も考慮した来院促進策の立案にも活用できる(サンプル画面)】

 

データの蓄積による新たな気づきに期待。さらなるサービス拡充にも努めてほしい

最後に松本先生が話してくれたのは、『CLINIC BOARD』への評価と期待です。

「『CLINIC BOARD』は、操作方法がわかりやすく動作もスムーズで、データ分析の結果は非常に見やすい。多くの時間をかけることなく、簡単にクリニックの経営状況を把握できるいいシステムだと思います。当院は導入からまだ日が浅いので、もっとデータが蓄積されてくれば、きっと新たな気づきを得られるはず。真価を実感できるのはこれからでしょうね。期待することは、やはり機能の拡充でしょう。当院としては、今はできないドクターごとやスタッフごと、できれば診療室ごとの指標管理まで『CLINIC BOARD』でできるようになるとありがたいですね。さらなるサービスの進化を楽しみにしています」

 

ABOUT CLINIC BOARD ~クリニックの経営にとって重要な指標を瞬時に可視化し、さまざまな視点からの分析を可能にする~

今までの電子カルテ・レセコンの集計機能では、自診療所の状況を十分に把握することが難しいと感じていました。 今まで把握できなかったり、把握するのに手間と時間のかかっていたりした自診療所のデータを、クリニックボードでは簡単に把握することが可能です。 また、重要指標を定量的に把握することで、診療所経営の改善施策を検討し、実行することが容易になります。

詳しくはこちらhttps://clinicboard.jp/

※この記事は2020年3月時点の情報に基づき作成しています。

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