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ドクター必見! 医院開業に必要な「パートナー」と「時間軸」

株式会社コンパスは、20年以上にわたって医療機関に特化した設計と施工に携わってきました。初回は、社内のキーパーソン4名による座談会を行い、開業をお考えのドクターに、開業への想いと構想をお伝えしました。

今回も引き続き同メンバーで、開業支援に必要なパートナーや、開業までの時間軸の考え方についてお伝えします。また、当社がなぜ“医療機関に特化しているか”についてもお話ししていきます。

【座談会メンバー】
代表取締役:長渡 和久(以下「代表」)
専務取締役:長渡 武史(以下「専務」)
営業部次長:石井 展子(以下「石井」)
設計部課長:安原 大輔(以下「安原」)

開業準備には“5人のパートナー”が必要

 ――先生の開業を支援するプロフェッショナルにはどのような人が必要でしょうか。

専務:5人のパートナーが必要だと考えています。まず、開業プロジェクトの全体を取りまとめ、先生の代弁者となる「軍師」です。主に「医療コンサルタント」がその役を担うことが多いですが、他のパートナーが兼任することもあります。軍師は先生とイメージを共有し、各パートナーに指示することで、先生の想いをカタチにします。時間が限られ、複数の打ち合わせ等が並行して進む中で、タイムラグなく運営を進めていくために“抜け漏れやかけ違いを予防するチェック機構”としても重要な役割です。

次に、設計や施工などを担う「内装」屋。当社はこれにあたり、先生の想いをカタチにします。目に見える図面やデザインがなければ、事業試算や医療機器選定、広告宣伝の検討も頓挫してしまいます。ゆえに、プロジェクトを円滑に進めていく上で「内装」屋は重要なファクターを担っているのです。

3人目は、お金を管理する「会計」担当。先生の想いをしっかり理解し、資金面を考えていきます。大金が必要になる開業では、資金に限度を設けなければ青天井になってしまいます。どの部分への投資に力点を置き、後回しにするかは、医療に精通した知識による試算検討が必要です。

そして「医療機器」担当。医療機器を購入するだけではなく、標榜科目によっては検査等の動線構築、トレンドを押さえた運用のアドバイスなど重要な要素になります。

最後に、クリニックの情報を世の中に伝える「広告宣伝」担当。インターネット社会の中、ホームページを作るだけで宣伝できるのでは、とお考えの先生もいらっしゃいますが、ホームページがほぼ唯一の広告媒体となった昨今では、より効果的なプロモーション方法を考えて情報発信をしていくという点で、重要なカギを握っているといえます。

■開業に必要な5人のパートナー
1. プロジェクト全体をつかさどる「軍師」
2. 設計・施工を行う「内装」屋
3.「会計」を担う会計事務所や税理士
4.院内の運用方法や効率化をもアドバイスする「医療機器」
5.ホームページをなどで情報を広める「広告宣伝」

社長:この5人は先生をサポートする上で、先生を頂点として1つにまとまっていなければなりません。例えば、内装とホームページの雰囲気が異なるとダメですよね。必要に応じて一緒に打ち合わせを重ね、軍師の統括のもとで開業までを共にし、開院後も共に歩み続けるパートナーとなります。このパートナー選びは非常に重要です。開業工程の中で膝を突き合わせる時間は長いので、先生の良さを阿吽の呼吸で最大限に引き出せる“サポーター”を見つけていただきたいです。

石井:私たちは“業者”ですが、“パートナー”として何でもご相談いただけると嬉しいですね。気が合うとか、話しやすいとか……そんな視点で選ばれてもよいと思います。

安原:私も“先生の業者”という視点ではなく、“先生のパートナーでありたい”という視点で設計しています。先生から“パートナーと思っていただいている”と感じると、「先生と共に頑張ります!」と熱がこもり、より一層気持ちが引き締まります。

開業までの「時間軸」は工程表でスケジューリング

――開業に向けて決めることがたくさんありますね。時間の流れについて、どう考えればよいでしょうか。

石井:開業工程では、内装・銀行融資・さまざまな医療機器・広告・サイン・雇用計画等、やるべきことが多すぎて、先生には優先順位が見え難くなりがちです。例えば「平面図が決まらなければ医療機器の配置が決まらず、機器の具体的な仕様まで落とし込めない」という場合は、パートナーが決まれば、開業までのスケジュールを示す工程表を作成してくれるので安心です。

専務:作成される工程表の多くは、それぞれの骨子の流れを示したガンチャート工程表(横線工程)が一般的ですが、開業工程には優先・決定順位があるので、ネットワーク型の工程表が望ましいです。弊社では、この基軸に設計と工事を置きます。なぜなら、立地を決めてから開業までのプロセスを大きく左右するのが、不動産契約~設計~工事~竣工引き渡しにあるからです。この軸は、図面や工事着工など可視化された成果物が多いので、「どこまで決まっているのか」という状態を把握しやすいという利点もあります。

代表:開業を、おめでたい妊娠や出産で例えてみると、わかりやすいかもしれません。「子どもがほしいな……」と考えている間は立地を考えている期間。立地が決まって契約するときが妊娠で、開業時が出産のイメージです。妊娠前(立地決定前)は何となく余裕がありますよね。ところが、妊娠後(立地確定後)は赤ちゃんがお腹の中で育ってきて幸せながらも、お母さんはつわりや体調の変化があったり、検診や出産準備などやることがたくさん増えて大変です。契約から開業までの間も同様で、わくわくドキドキした気持ちもありながら、タスクは増えてゆき、多くの判断を求められ、時間やお金の面で現実を突きつけられます。

ですから、マタニティブルーと同じく開業ブルーになってしまう先生もおられます。そんなときにこそ、冷静にタスクやスケジュール管理ができ、共有できるパートナーがいることが大切なんです。妊娠・出産も、頼りになる旦那さんやご家族の存在が大きいのと同じです。

石井:また、決める順番を間違えると、スケジュールが後戻りとなって大変です。例えば、診療圏調査後、立地も賃料もよかったので不動産の仮契約をした。しかし、後から設計会社(弊社)が調査に行くと、必要なインフラ設備に制限があったり、法的規制がある建物だったり、想定していた医療機器が入らなかったり……ということも多々あります。決定していく骨子は密接に他の骨子とつながっているので、そのつながりを把握していくことが大切です。

安原:“早く開業したい”というご相談も伺います。本当はテナントの場合で、設計検討期(PLAN検討)に2ヶ月、実施設計期(工事図面打合せ)に3ヶ月、工事期間に2ヶ月、開業準備期に1ヶ月と、開業までに8ヶ月程の猶予があるのが理想ですが、さまざまなご事情で急ぎの対応をすることもあります。ですがその場合、すべての骨子の打ち合わせが凄いスピードで進んでいき、先生は選択に悩む時間もない状態で多くのことを決めなければなりません。側でサポートをしていると、時々原点に返ったり、振り返ったり、骨子の整合性を確認したり、悩む時間もあればよいのに……という想いに至ります。“良いクリニック”を完成させるには、ぜひ「時間」を大切にしていただきたいです。

コンパスが“クリニックの設計・施工”に特化している理由とは

――コンパス社はクリニックの設計と施工に特化していますが、どのような考えがもとになっているのでしょうか。

代表:当社は、大阪万博の景気に沸く大阪北部に新築される住宅へのカーテン販売から始まりました。工事現場に飛び込み営業をし、お客さまと打ち合わせをして自社で縫製・納品させていただく……。その中で、アイデアマンだった創業者は、現在のカーテン縫製で当たり前に取り入れられている発明や工夫などを盛り込み、業界発展に貢献しました。そして、創業時のメンバーは、何よりもお客さまから直接“ありがとう”を言っていただけることに幸せを感じていました。

その後、高度経済成長の中、当社は工務店さんの下請けの内装仕上げ工事店に変遷しましたが、創業者は「エンドユーザーに直接関わりたい」という想いが強く、今のコンパスの前身を創ったのです。そして、私が入社し建築士免許を取ったことから、コンパスを設計施工の元請けができる会社に業態変更しました。

“クリニックの設計と施工”に特化してから20年以上が経ちますが、エンドユーザーと直接打ち合わせを行い、納品して喜んでいただき、“ありがとう”を言っていただける。そして20年後、30年後に業界で当たり前になっているアイデアをどんどん出していける……コンパスはずっとそんな会社でありたいと思っています。

石井:当社がクリニック専門に舵を切った頃は、開業セミナーも多く、代表が講演に行くことも多かったです。他社は、“いかに他と違う洗練されたデザインができるか”をアピールしていましたが、代表が話していたことは“人とモノと空間の関係や作業効率”などの基本に忠実なシンプルな内容でした。他社が10人中1~2人の先生が興味持つような話をしていたのに対し、当社は8~9人が大切に思われることを伝えていました。

専務:当時はまだ前職でしたが、兄である代表から「いろいろと調べたが、病院とクリニックは違うという視点から、クリニックに特化した設計の話をしている会社は意外とない」という話を聞きました。当社は「使いやすくて無駄がなく、居心地のいい空間」という明確なコンセプトを持ち、先生の医療方針をもとに患者さんや地域の皆さんに喜んでいただけるクリニックを目指してきました。それは今でも変わらない。デザイン面は後からアレンジすることはできますが、動線(平面図)は一度決まると変えるのは難しいです。まず基本(動線)を大切に考えることを大事にしています。

代表:とはいえ、例えば同じ診療科の2人の先生が同じ場所・広さの土地にそれぞれ開業されたとしても、絶対に同じプランにはならない。「プランの標準化」には幾度もチャレンジしてきましたが、できませんでした(笑)。

石井:何百件とクリニックを計画しても同じものがないのは、基本に忠実でも、先生の想いや理念が注文住宅的な要素として多分に加わり、初めて形になるからです。標準化できないからこそ、お一人おひとりの先生に寄り添い、納得いただけるクリニックを創るという喜びが、私たちのやりがいにつながっています。

――コンパス社に依頼するメリットは、クリニックづくりの知識やノウハウがあるということだと思いますが、実際には?

 代表:クリニック全体の設計・施工で関与したクリニックは800件以上、ご開業後のメンテナンスや改装など小さな案件も含めると1,000件以上の工事実績があります。長年の経験と実績から、先生の想いに合ったクリニックをご提案できる当社の強みを活かして、“先生方に大いに利用していただけるパートナー”となっていきたいですね。文章に書ききれないノウハウになりますので。

石井:例えば、エコーでも診療科ごとに運用方法は異なります。先生にとっては当然のことであっても、意外と当たり前ではなく、どの流れで、どの室で、どのようにエコーを使うかという所まで明確にイメージして打ち合わせをするためには、専門用語と診療科ごとの特性などの共通言語が必須です。

安原:医師免許で考えると、イメージしやすいでしょうか。医師免許があれば、基本的にどの診療科の医療行為も可能ですが、実際には専門化された診療科の先生が診察や治療を行います。同様に私は一級建築士なので、どんな建物も計画できる資格を持っていますが、実際は一級建築士でも意匠を計画する者、設備を計画する者、構造を計画する者と役割は異なります。

また、住宅をメインにする人、商業施設をメインにする人、街づくりをメインにする人など、見識の範囲も異なります。お客さまの要望通りに“ただ図面を描く”のであれば誰でもよいかもしれませんが、ご要望から加減したり、他の方法論をご提案したり。これらの知的生産を一緒に進めていくためには、用語と言語の理解と共有が重要ですね。

専務:弊社では社内での役割も、営業(プロジェクトの全体統括)、設計(想いを図面化する)、施工(使いやすいクリニックに仕上げ、環境維持をサポート)と細分化させています。クリニックの開業から運営に関わる建築の会社で、異なる領域の専門家が複数で支援し、情報を“共有”する。クリニック(エンドユーザー)から頂戴する“ありがとう”を通じて地域社会に貢献していく。僕たちは、そんな想いでこの仕事を捉えています。

「医療機器」の配置と「人の流れ」まで考えられる業者選びが大切

――数社から設計や施工会社を選ぶ際には、何に注目したらよいでしょうか。

専務:設計図で数社を比較される場合は、図面に落ちている“情報”を確認いただきたいです。一見、収まっているように見えるプランでも、図面に「医療機器」や「人の動き」「人のいる場所」を落とし込んでいくと、見え方がハッキリと異なってきます。また、見積書で数社を比較する場合は、そこにある“情報”に注目してください。見積書の見方は、別の回で詳しく解説いたします。

代表:設計者は、クリニックに出入りする不特定多数の人達の動きや属性・特徴をイメージしながら設計しますが、これらは経験が必要です。また、医療機器やイス、机などの什器などの図面での描かれ方で、設計者の医療施設への理解度がわかります。図面上ではただの四角い箱であるエコーも、「実際にはエコーを出してきて、患者さんの横でこのように使うから……」など、先生や患者さんの動作、コンセントやLANの位置までを考えて設計できているかどうかが重要です。

石井:プランを依頼する際に“設計概要書”を全社に共有することが大切です。概要書には先生の医療理念(どんな医療をどういう患者さんにどう提供したいか)と共に、必要となる室や医療機器、想定来患者数(予約検査がある場合はその想定数なども)が記載されています。設計会社は、その概要をくみ取って提案しますが、概要書に応じた内容が反映された図面には、その時点では正確も不正解もありません。

各図面には、必ずその会社の方針や意図するものが随所に加わっているので、細部に対してどのような意図で計画したのかを聞き取ることが大切です。正直なところ、平面図は2~3回の修正を求めれば、各社の相違はほぼ無くなります(※先生が、各社の意図の採用部分を各社に伝える傾向があるため)。ただ平面図以降の図面は、さらに専門化していくため、設計会社の見識はもちろんですが、先生方の想いをどれほど図面に吸収できるかということが最大のポイントになってきます。

先生方は業者選定のプロセスを経る間に、各担当者の人となりや見識、理解度などを掌握された上で、「この人なら自分の想う医療のカタチを創ってもらえそう」と思って選択されているなと、私たちは感じています。

安原:また昨今は、“患者さまから選ばれるクリニック”であるためには、“どのような空間であるか”も重要になっています。ですから、プラン提案は「平面図」と「イメージパース」の2つを依頼されると、イメージが掴みやすいと思います。具体的には、2D的にゾーニングを捉えたものと、3D的に空間を捉えたものです。

専務:設計や工事の仕事に長年携わり、建築することが大きな「先物取引」と感じることもあります。医療機器と異なり、実物はまだないにもかかわらず、過去の事例や実績から評価し、「信頼して」任せてもらわなければならない。完成するその日まで、目に見えない「先物」であることに変わりはないので、その「先物」に対する具体的な提案で「伝えようとする努力」を、いかに感じてもらえるかが大切だと思います。

石井:私たちは、失敗と修正をたくさん繰り返しながらここまでやってきました。「伝える」ことの難しさは今も感じています。それでも、建築の立場で医療業界に長く関わってきたからこそ、わからないことも聞かせていただきながら、先生方やスタッフさん、患者さんにとって使い勝手のよいクリニックをつくる自信があります。これからも、皆でお客さまの気持ちが「具現化された」“良いクリニック”の創造を目指していきたいです。

執筆者紹介

株式会社コンパス 代表取締役
長渡 和久(ながと かずひさ)
一級建築士

創業者である長渡寛から続くバトンを受け、キンソウグループ(株式会社コンパス・株式会社近畿総合装飾・株式会社近畿装工)の代表取締役社長を務める。 学生時代から “ヒトを幸せにする建築・環境・デザイン” に興味を持ち、商品として消費される建築とは違う良さを広く地域社会に広げ、人の笑顔を繋げていきたいと考え続けており、現在のコンパスの設計の考え方の基礎をつくった。医療従事者の使い勝手の良さ、居心地の良さと共に、そのクリニックが患者さまや地域社会の幸せにも繋がることを大切にしている。クリニックが、その“内”だけではなく、“外”にも繋がる存在にしていきたいと、コンパスの次なる使命づくりに取り組んでいる。

株式会社コンパス 専務取締役
長渡 武史(ながと たけし)
一級施工管理技士

大学を卒業後、陸上自衛隊に入隊。 レンジャー課程を修了し、教育隊勤務などを経て “公共のために仕事をすること” は、業種や職種を超えて共通性のある “未来への取組み” だと感じる。 コンパスでは業務管理の中心を担いながら、“お客さまの医療方針を実現し、良いクリニックをつくることが、地域社会の幸せに繋がっていく” ことを想い、永続的にお客さまや社会に必要とされる会社づくりに向けて、スタッフ全員と組織の理念浸透を図っている。

株式会社コンパス 営業部次長
石井 展子(いしい のぶこ)
一級建築士・カラーコーディネーター

建築デザイン系大学を卒業後、工務店現場監督職を経て、大学時代の先輩であった当社代表に誘われ、入社。 キャリアの中で、設計や工事の担当もこなしてきたオールラウンダーの深く広い医療建築の知識を活かした営業で、お客さまに多種多様な引き出しを提案しつつ、日進月歩の世の中で新たな知識の探求をし、コンパスの “現在(いま)に立ち止まらない次なる医療建築のあり方” を模索する。

株式会社コンパス 設計部課長
安原 大輔(やすはら だいすけ)
一級建築士・宅地建物取引士

建築系大学を卒業後、設計事務所等を経て、“社会に貢献することのできる医療空間を計画する設計者でありたい” という強い想いから、入社。戸建、テナント、医療モール、介護施設等、医療に関わる設計を広範にこなす医療設計のスペシャリスト。一つひとつの案件を素敵で使いやすい空間にしたい。という細やかな視点でお客さまの夢の実現をカタチづくる。

株式会社コンパスのWEBサイトはこちら

※このコラムは、2021年3月現在の情報をもとに執筆しています。

 

経験豊かなサポートスタッフが、先生方一人ひとりのニーズに合わせた医院開業サポートを行っております。個別相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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