医院開業コラム
熱血!医院集患塾 第6回
2016.02.10
こんにちは。集患マーケターの永井です。前回のコラムの中で、競合クリニックから患者を切り替えてもらうことに成功した事例をご紹介しました。今回は「競合分析」についてスポットを当ててみたいと思います。
厳しいマーケット状況の中で勝ち続けるためには、競合クリニックに打ち勝ち続けることが大切になります。そのためには競合クリニックのことをよく知った上で、自院の戦略を考えなければなりません。そのためにまず必要なのは「競合分析」。
皆さんは、競合クリニックをどのように分析していますか?また、コンサルタントなどからどんな競合分析の提案を受けたでしょうか?思い出してみてください。多くの場合、コンサルタントからは以下のような分析を提案されると思います。
分析事例①「競合クリニックと立地条件や看板などの外観を比較し、差別化を考えましょう」
分析事例②「競合クリニックのホームページを見て、診療方針の分析をしましょう」
分析事例③「出入業者などから情報収集しましょう」
これらの分析が本当に有効な競合分析となるのでしょうか?一つ一つ検証していきましょう。
競合クリニックと自院の立地条件を比較し、競合クリニックのほうが明らかに好立地な条件である場合、どういう差別化を実施しますか?すでにご開業なさっている場合、競合クリニックの立地条件より優るためには、移転もしくは地域住民に対して目立つ場所に看板を設置し、立地条件の劣っている部分を補完する方法などが差別化として考えられるかと思います。
ただ、この方法はコストがかかりますよね?看板の設置はともかく、移転は非現実的なコストがかかります。いま現在、集患・増患に苦しんでいるクリニックが他の場所へ移転するというのは相当な経営リスクとなり、なかなか簡単に決断できることではありません。また、そもそも競合クリニックよりも良い立地条件の場所が見つかるとも限りません。つまり、立地条件の分析はそれほど実践的ではないのです。
もちろん、立地条件というのは患者が通院するクリニックを決定する上でも相当重要であるのが実際のところ。マーケティングの世界では消費者が物を買ったり、サービスを受けようと判断する際の基準として、「4C」というのが挙げられます。4つの「C」というのは、
のことを指します。
このConvenience(利便性)というのは、患者さんがクリニックを選ぶ上での大きな判断基準の一つになっています。患者さんからの声には、「あの先生の診察にはそれほど満足していないけれど、近いからやむをえず通院している……」というものが多数存在していることはご想像に難くないと思います。看板がどれだけ目立っていても、患者さんは自宅から近く通院に便利な場所に行こうとするものです。このことは理解しておく必要があると思います。
競合クリニックの実態を知ろうとしても、院長自ら足を運び、中の様子を調べることなんて普通はできません。基本的には競合クリニックの情報はクローズドになっています。しかし、ライバルの情報が入手できなければ、差別化戦略を立てることはできません。その一般的にはクローズドになっている情報を入手・分析できる簡単な方法があると、コンサルタントは提案してくることと思います。
それが「ホームページの分析」です。ホームページから診療方針、院長の情報、診療時間など競合クリニックのさまざまな情報を入手することが可能です。では、コンサルタントの言う通り、ホームページから入手した情報から差別化戦略を立てることは可能なのでしょうか?
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