医院開業コラム
熱血!医院集患塾 第3回
2015.12.03
こんにちは。集患マーケターの永井です。
前回のコラムでは、開業コンサルは患者を増やすことを専門とするコンサルではなく、集患増患を実現するためには、「マーケティング」を知っていることが最低条件であるとお伝えさせていただきました。
この「マーケティング」という言葉は、先生方もどこかで一度は耳にされたことがある言葉だと思います。それだけ私たちの生活やビジネスの中で頻繁に使われています。もちろんこの医療業界、開業市場においても様々な媒体や場面で使われています。
ここで質問なのですが、「マーケティング」って何でしょうか?
この質問をされたとき、ほとんどの人があいまいな答えを返します。実は、89.1%のコンサルタントや先生は、その意味をきちんと知らないまま、なんとなく「マーケティング」という言葉を使っているのが実情です。
今回は集患増患の実現するためには必要不可欠である「マーケティング」に迫りたいと思います。
「診療圏調査でマーケティングを実施します」(開業支援コンサル)
「当院は開業前に診療圏調査を実施して、マーケティング戦略は実施している」(クリニック院長先生)
数多くの開業コンサルや先生がこういった話をされます。開業支援を実施している企業のホームページやパンフレットを見ても、診療圏調査がマーケティングであるかのように記載されているのを多く見かけます。果たして本当に「診療圏調査=マーケティング」なのでしょうか?
また院長先生からこんなこともよく聞きます。
「うちには最新の医療機器があるので、患者が来るはずだ」
「うちのクリニックはスタッフの接客サービスが素晴らしいので、必ず患者は増える」
「よその成功しているクリニックはどんなことをしているのか?」
このような話を聞いて、皆さんはこれらのクリニックの院長先生は集患増患に成功すると思いますか?
実は、このような話をするということは、マーケティングそのものを理解していない証拠なのです。つまり「自分自身は集患増患のやり方を知らない」と言っているのと同じです。それはなぜでしょうか?上記のような発言をされる院長先生は、自院に来られている「患者の動き」をきちんと把握できていないのです。
クリニックに来る患者さんは、「来院前」「来院中」「来院後」のそれぞれのシーンでの「動き」があります。この「動き」を把握しているかどうかで集患増患を実現できるかどうかが決まると言っても過言ではありません。上記の話をする院長先生は、患者さんの全体の動きを把握せずに「来院中」の動きの話だけをしているのです。
どんなに素晴らしい最新鋭の医療機器を備えていようと、どんなに素晴らしい患者サービスができる従業員がいたとしても、クリニックに来てもらわないと、その良さを患者さんに知ってもらうことはできません。患者さんに来てもらわなければ、宝の持ち腐れ状態になってしまいます。
「コンサルが集患増患対策として、従業員向けの接遇研修を実施したけど、患者は増えなかった……」
「他のクリニックで実施している患者サービスを当院でも実施したが、患者数は増えなかった……」
私のもとに相談に来られる院長先生方には、こういった話をされる方がとても多いのです。多くの院長先生はこの「患者の動き」を把握せずに「来院中」のサービスだけが集患増患対策だと思い込んでしまっています。集患増患を実現するためには、来院中だけではなく、来院前、来院後といった患者の動きに沿ったマーケティングが必要となります。
では、マーケティングとは何でしょうか。マーケティングとは、物が売れたり人が集まったりする「仕組みづくり」なのです。クリニックでいえば、「患者が集まる仕組みづくり」がマーケティングです。繰り返しますが、「仕組み」を作っているのです。なので、診療圏調査のような「調査」が「マーケティング」なのではありません。
マーケティングはその言葉の中に「マーケット(=市場、市場性)」という言葉が含まれているがために、人口データ、男女別、年齢別、ヒアリング調査、通行量、交通量などといったイメージが頭に浮かびやすく、そういった項目の分析や調査のことだと誤解しがちです。こういった調査は、「仕組み」を作る上で必要な調査ではありますが、マーケティングそのものではありません。強いていうならば、マーケティングリサーチの分野です。診療圏調査=マーケティングではないのです。
「マーケティングとは何か?」
この質問に対して、きちんと回答できないコンサル、業者は、そもそも患者を集めたり、増やしたりすることはできません。コンサルや業者の集患力を見極めるために、この質問をしてみてください。
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