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2020年診療報酬改定に見るオンライン診療の活用

2018年に新設された「オンライン診療料」。それから2年が経過した2020年の診療報酬改定では、さらなる普及を目指し、要件緩和や利用シーンの拡大が行われています。「働き方改革」に伴うICTによる業務効率化の機運、さらには新型コロナウイルスの猛威が日本中に広がりを見せる状況の中で、医療機関は従来の診療の在り方について見直しを迫られているのかもしれません。

2018年の前改定で「オンライン診療料」が新設され、それを契機にオンライン診療が一気に普及するものと予想されていました。しかしながら、オンライン診療は実績の乏しい診療スタイルであり、エビデンスが不足していると考えた政府は、あくまで“外来医療の補完”と位置づけ、多くの制約を設けることで、スモールスタートという決定を余儀なくしました。

2020年の改定により変更点が追加

それから2年が経過した2020年改定では、これまでの実績を踏まえて一部緩和が行われました。以下が今回の変更点です。

・事前の対面診療の期間を6カ月から3カ月に短縮
・緊急時の対応について患者が速やかに受診可能な医療機関で対面診療を行えるよう、あらかじめ患者に受診可能な医療機関を説明した上で、診療計画に記載しておく
・オンライン診療料の対象疾患に、定期的に通院が必要な慢性頭痛患者が追加

一方、従来の遠隔医療の観点から「へき地、医療資源が少ない地域に属する保険医療機関において、やむを得ない事情により、二次医療圏内の他の保険医療機関の医師が初診からオンライン診療を行う場合について、オンライン診療料が算定可能」と、算定ケースが追加されました。

また「オンライン医学管理料」については、医学管理等の通則から、個別の特定疾患療養管理料などの医学管理料において、「情報通信機器を用いて行った場合の評価」として再編が行われています。

今回の変更では算定のハードルが前回より多少下がっており、算定を検討する医療機関も増えていくのではないかと予想されます。しかし、本格的な普及には「点数の引上げ」や「さらなる算定要件の緩和」を行う必要があるように感じます。

「オンライン在宅管理料」の要件緩和が進められている

「オンライン在宅管理料」「精神科オンライン在宅管理料」についても、事前の対面診療の期間を3カ月に短縮するとともに、「連続する3カ月の算定」という要件が撤廃されました。また、月1回の訪問診療に限定されてきた算定要件を、「月1回以上の訪問診療を行った場合」へと変更しています。

さらに、「対面診療と同一医師が対応する」という要件が緩和され、医師が5人以下のチームで診療を行っている場合は

①あらかじめ診療を行う医師について診療計画に記載すること
②複数医師が診療を行うことについて患者の同意を得ていること

を条件として、「事前の対面診療を行っていない医師がオンライン診療による医学管理を行っても差し支えない」ことになりました。

これらは外来医療よりも在宅医療での要件緩和が進められており、オンラインの活用シーンを在宅医療に求めたいと考える厚生労働省の意向がくみ取れる変更内容となっています。

オンライン対応が評価され活用範囲の拡大が期待

オンライン診療の活用範囲を広げるため、「外来栄養食事指導料」と「ニコチン依存症管理料」に関するオンライン対応が評価されました。具体的にいうと「外来栄養食事指導料」については、2回目以降の栄養食事指導において情報通信機器を用いて行う指導が評価されます。

また「ニコチン依存症管理料」については、全5回のうち2回目から4回目にオンラインでの算定が可能です。この改定により、多忙で仕事の合間に医療機関を受診するのが難しかった方などが、継続して指導を受けられるようになることが期待されます。

ICTを活用した「オンライン服薬指導」とは

今回の改定で最も注目されていたのは、「オンライン服薬指導」の新設です。 2019年12月に公布された「改正薬機法」では、特区以外でのオンライン服薬指導についての早期実現が求められていました。今回の改定によって、ICTを用いた服薬指導を、対面による服薬指導の例外として認める運びとなったのです。

新設内容の詳細は、「薬剤服用歴管理指導料 4 オンライン服薬指導を行った場合」「在宅患者訪問薬剤管理指導料」「在宅患者オンライン服薬指導料」となります。外来の対象患者は以下の条件をいずれも満たすものとされています。

①オンライン診療の実施に伴い処方箋が交付された患者
②原則3カ月以内に薬剤服用歴管理指導料1または2を算定した患者

一方、在宅の対象患者は以下の条件をいずれも満たすものとされています。

①訪問診療の実施に伴い処方箋が交付された患者
②保険薬局において在宅患者訪問薬剤管理指導料を月1回のみ算定している患者

また、サービス提供にかかる実費については、療養の給付と直接関係ないサービスなどの費用として認められることから、システム利用料と医薬品の配送費を別途請求できることになりました。

時代が“オンライン診療の普及”を要請している

政府は、我が国の直近の課題である「少子高齢社会」と、それに伴う「生産人口の減少」に対して、「働き方改革」を進めています。そのような背景の下、解決策として「ICTを活用した業務効率化」の一環に、オンライン診療をはじめとする「医療分野のICTの利活用」が必要であるという強いメッセージを感じます。

現在、新型コロナウイルスの感染が中国に続いて日本でも急速に広がりを見せ、それを受けて在宅待機、在宅勤務の流れが一気に進もうとしています。医療の世界でも、感染のリスクを避けたいと考える患者さんは、家にいながら診療が受けられる「新しい受診革命」を求めているに違いありません。規制緩和と時代の要請が、一気にオンライン診療に追い風を吹かせるように感じます。

経験豊かなサポートスタッフが、先生方一人ひとりのニーズに合わせた医院開業サポートを行っております。個別相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

mr.oonishiMICTコンサルティング株式会社
代表取締役 大西 大輔(おおにし だいすけ)

一橋大学大学院MBAコース修了後、医療コンサルティングファーム「日本経営」入社。2002年に医療ITの展示場「MEDiPlaza」を設立し、3拠点の統括マネージャーに就任する。2013年「電子カルテ・クラーク養成講座」を開講。2016年に独立し「MICTコンサルティング」を設立する。現在は広島県にある穴吹医療福祉専門学校の非常勤講師を務め、過去3,000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、医師会、保険医協会などの医療系の公的団体を中心に講演活動および執筆活動も行う。また、診療所・病院のコンサルティングにおいて、看護師、リハビリスタッフ、事務員に対して、診療報酬点数、診療録の記載などの指導にも取り組んでいる。

MICTコンサルティング株式会社のWebサイトはこちら
※このコラムは、2020年3月現在の情報をもとに執筆しています。

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