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医院開業コラム

開業のタネ

クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド

クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド 第20回

昨今に見る診療所の研修事情

  • 労務・人事

2020.01.27

診療所を取り巻く環境の変化によって、院内で行うOJTから外部の研修受講を活用するケースが増えてきました。そこで今回は、診療所の研修事情や研修内容を解説するとともに、最近増加しているeラーニングの注意点も合わせて説明します。

研修ニーズが増加した背景とは

昨今、診療所から「スタッフを教育してほしい」という問い合わせが増えています。従来、診療所などの医療機関における教育はOJTOn-the-Job Training)によるものが多く、外部に委託することは多くなかったように感じます。

OJTとは、業務時間中に先輩スタッフが研修を行うものです。しかし、これは教える側に大きな負担を強いることになり、「研修時間が取れないことで新人スタッフがうまく育てられない」といった、教える側のストレスとなっていました(新人スタッフもおそらくストレスになっていたことでしょう)。そういった過去の反省から、外部に研修を委託する診療所が増えてきているのかもしれません。

また、我が国は急速に少子高齢化が進み、労働人口の急減から人手不足の波が診療所にも及んでいます。さらに、医療業界は全体的に離職率が高いという統計も。せっかく採用した人材の早期離職を防ぐために、診療所はスタッフの教育でつなぎ留めたいと考えているのかもしれません。

診療所ではスタッフの採用ルートが変化

診療所に勤務するスタッフは、看護師や放射線技師、臨床検査技師、PTOTSTなどの資格職と、医療事務や看護助手などの非資格職から構成されます。

診療所の採用ルートから考えると、看護師などの資格職はほとんどが中途採用で、新卒はあまり見られません。大抵は、病院か他の診療所の勤務経験を経て、診療所に就職される方がほとんどです。そのため、病院でしっかりとキャリアを踏んでいる資格職は、研修ニーズはあまりないように感じます。

一方、非資格職には、中途採用者と医療事務専門学校を卒業した新卒採用者が混在します。中でも、最近増えているのが他業種からの転職組です。医療業界が初めて、というスタッフも、多く見かけるようになりました。他業種からの転職組は、社会人としてのルールは身についているものの、医療機関特有のルールについては知識不足の面が目立ちます。そのため、研修が必要になってきているのかもしれません。

診療所に向けたスタッフ研修の実例

実際、研修依頼は多岐にわたります。以下は、筆者が実際に依頼を受けた研修内容の一例です。筆者の過去の経験に基づくものになるため偏りがありますが、いかに現場で人材育成に困っているのかが分かります。

<主な診療所向け研修一覧>
・医療機関の仕組み、医療業界構造
(医療機関の目的、医療機関の構造、医療業界における診療所の役割) (さらに…)

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執筆者紹介

大西 大輔

大西 大輔
(おおにし だいすけ)

MICTコンサルティング株式会社
代表取締役

一橋大学大学院MBAコース修了後、医療コンサルティングファーム「日本経営」入社。2002年に医療ITの展示場「MEDiPlaza」を設立し、3拠点の統括マネージャーに就任する。2013年「電子カルテ・クラーク養成講座」を開講。2016年に独立し「MICTコンサルティング」を設立する。現在は広島県にある穴吹医療福祉専門学校の非常勤講師を務め、過去3,000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、医師会、保険医協会などの医療系の公的団体を中心に講演活動および執筆活動も行う。また、診療所・病院のコンサルティングにおいて、看護師、リハビリスタッフ、事務員に対して、診療報酬点数、診療録の記載などの指導にも取り組んでいる。

MICTコンサルティング株式会社のWebサイトはこちら

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