医院開業コラム
クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド 第11回
2019.04.05
診療スタイルが診療科ごとに異なるように、ICT化のスタイルも診療科によって違いが存在します。そのため、診療科の特性を十分理解した上で、ICT化を行うことが大切です。今回は、内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科のクリニックについて見ていきます。
診療所には、基幹システムである「電子カルテ・レセコン」、医療機器から出力される画像を管理する「画像ファイリングシステム」、そして患者さんの予約や来院状況を管理する「診療予約システム」などのさまざまなシステム機器があります。
診療所におけるICT化とは、これらのシステム機器を“どのように組み合わせるか”という問題といえます。組み合わせは診療科によって最適解が異なるので、診療科の特徴を理解して、導入を検討することが大切です。
【診療所における3つのメインシステム】
<内科クリニックの場合>
内科クリニックでは、病変把握のためにさまざまな検査が実施されます。したがって、レントゲンや内視鏡、エコー、心電計、眼底カメラといった検査機器との連携が重要です。まずは基本的な組み合わせとして、電子カルテと画像ファイリングシステムとの連携がポイントになると考えます。
電子カルテを導入する際には「機能」面を重視したほうがよいでしょう。他科と比べて診察疾患の範囲が広く、より多くの機能を備えた電子カルテのほうが、診察効率の向上が期待できるからです。例えば、診療情報提供書や診断書といった各種文書の作成支援や、検査データの管理機能などが挙げられます。
また、内科は用いる薬剤の品目や使用量が他の科に比べて多いため、薬剤の処方チェックや、医薬品情報データベースとの連携なども重要です。さらに最近は、在宅療養支援診療所など在宅医療に取り組む診療所も増えてきました。院外に持ち出して電子カルテを使用する方法についても、確認が必要です。
<小児科クリニックの場合>
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