医院開業コラム
クリニック経営者のための医療ICT活用メソッド 第2回
2018.07.21
現在、診療所のICT化の全体像は以下の図のようになっています。「待合室」には、患者さんの待ち順番や健康関連コンテンツなどを表示した「順番表示モニター」があり、患者さんは自らの待ち順番の把握をしたり、健康情報を見たりして過ごすことができます。
【診療所のICT化の全体像】
タブレット端末の普及に伴い、今まで紙に記入していた問診票に代わって、タブレット端末を使用して登録する「Web問診システム」が現れました。「受付」には、診療予約システムや電子カルテ(レセコン)が設置され、患者さんの予約や受付、会計が行われています。
また、保険証をOCRソフトで読み取るスキャナや診察券発行機、再来自動受付機(自動精算機)などの周辺機器との連携も進んでいます。「診察室」では、電子カルテとPACS(画像ファイリングシステム)が連動することで、X線室や検査室などの各部屋にある、さまざまな医療機器から出された画像や検査結果データが、診察室へと送られます。
医師はPACSのモニターに映し出された各種結果を見ながら、診察を行うことになるのです。「処置室・検査室」にも電子カルテが置かれ、これまでの伝票による確認に変わって、モニターを見ながらオーダーを実施していくこととなります。
さらに、「在宅医療」に取り組む医療機関では、モバイル端末でカルテ記入や閲覧を行うシステムの導入が進んでいます。これにより、患者宅などで過去の検査結果やカルテ情報を確認しながら、当日分のカルテを作成することができるようになりました。システムに登録されたデータは、ネットワークを通じて院内の会計システムに連携され、処方せんをモバイルプリンターから印刷することも可能です。
近年、診療所では「電子カルテ」+「画像ファイリングシステム」+「予約システム」の3つを基本セットとして購入するケースが増えています。しかし、なぜ単体ではなく、セットで購入するほうが好まれているのでしょうか。そこで、まずはセット購入が進んでいる診療科について見ていきましょう。
【診療科ごとのシステムセット例】
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