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クリニック院長からのキャリアチェンジを考える

かつては、病院で勤め上げた医師が一線を退く形で開業し、ある種“リタイア後のセカンドキャリア”としてクリニックを選ぶ時代もあったと思います。しかしながら、弊社がクリニック専業の医師人材紹介サービスを営む中で「クリニック院長を辞めて次のステップへ」といったお手伝いも増えてきました。

採用する側としては経験のある即戦力として期待が高まる一方で、「前職をどうして辞めたのか」「すぐにまた辞めてしまうかも」「患者さん対応・スタッフさん対応に難があるのでは?」など、つい勘ぐってしまうのも否めません。そこで今回は「クリニック院長からのキャリアチェンジ」について考えてみます。

2020年以降、開業規制の影響で医師の採用状況が変化

【予想される未来】

2020年度以降、都市部では実質的なクリニックの開業規制が行われる見込みです。具体的な規制の内容は現在検討中ですが、新規開業の際に「地域で不足する医療機能」、例えば在宅医療、初期救急(夜間・休日の診療)、公衆衛生(学校医、産業医、予防接種等)で、これらの決められた医療機能を担うことが求められます。これが、結果として 「外来医師多数区域」の開業を制限するという制度の設計です(※)。

端的にいえば「都市部では今までより開業しにくくなる」わけですが、それによってクリニック医師の採用にどのような影響が起こるのでしょうか。起こりうる3つの例に関して、私たちは以下のように予想しています。

【起こりうる事態(例)】
1.自然淘汰 :都市部においてクリニック経営の難易度が上がり、収益が悪化。閉院が増える
2.エリア変化:都市部のクリニックの開設が抑制され、郊外・地方での開設が増える
3.スキル変化:クリニック医師に在宅医療、初期救急、公衆衛生の業務経験が求められる
                   ↓
【採用への影響(例)】
1.自然淘汰 : クリニック院長の離職が増え、転職市場への流入が増える
2.エリア変化:人材ニーズはさらに郊外・地方で増え、都市部では減少する
3.スキル変化:在宅医療、初期救急、公衆衛生の非常勤求人が増える

このように、特に都市部のクリニック院長の採用については、すぐ近い未来に大きな環境の変化が予想されます。採用する側においては、転職したい院長経験者を候補者としてよく見かけるようになるでしょうし、また「3.スキル変化」でお伝えした通り、在宅医療、初期救急、公衆衛生の業務経験がすでにある医師は、採用ターゲットとしてより価値が高くなると思われます。

※参考リンク:
「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会第4次中間取りまとめ」を取りまとめました
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209695_00001.html

院長経験者の経歴によって法人の支援が異なる

しかしながら、院長経験者がすべて即戦力かというと、必ずしもそうは言い切れません。実際にその医師が「クリニック院長としてどのような経験があるのか」「どういった理由で退職に至ったのか」などにより、自院にマッチする医師かどうかが変わります。また、採用した後に法人が支援するポイントも異なってくるものです。

【クリニック院長経験者の類型】
A:自分自身で開業し、経営者としてクリニックを運営していた医師
B:雇われ院長として、クリニックを運営していた医師
C:親または第3者から継承し、クリニックを運営していた医師

【退職理由】
A:閉院
B:院長交代または事業継承(手放した)
C:医師自身のキャリアチェンジ

【支援するポイントの例】
・診療スキルの更新
医師によっては、クリニック勤務を開始してから長い間、同じような診療を続けているケースも少なくありません。こういった医師に対して、OJTや研修を通じて、診療スキルの更新を支援する必要があります。

・採用、人材マネジメントの補助
「ヒト」に関わる業務を苦手とする院長も多いのが実情です。法人が、採用や人材マネジメントなどの業務を補助することで、一気に院長のストレスが軽減されることもあります。

・財務的な支援
単年度では黒字化していても、クリニックの閉院費用(数百万円~1,000万円超も)が捻出できないケースがあります。その場合は採用側が費用を一時肩代わりし、採用後に給与天引きで返済する場合も見られます。

では実際に、院長はどのようなキャリアチェンジを行っているのでしょうか。人材紹介の現場では、このような事例がありました。

■事例1:10年間院長を務めたクリニックを継承した後、閉院を決断
A氏は40代後半まで病院勤務した後、縁あって駅前のクリニックの雇われ院長に就任。5年後に経営体制が変わり、その機会に自ら経営権を取得した。数年間は盛業したが、再開発で近隣に医療モールが開業したことで、患者数が減少。クリニックは大手医療法人へ売却し、自らは別のクリニックで再度雇われ院長として勤務することを選んだ。

■事例2:祖父から3代にわたって70年続いたクリニックを畳み、雇われ院長として再出発
50代の医師B氏は、西日本で長く続いたクリニックを十数年前から継承した。しかし、過疎化に加えて自然災害の影響で人口が大きく減少し、患者数も激減。このままではいけないと、中堅の医療法人に雇われ院長として応募した。患者さんを他院に引き継いだ後、閉院の手続きを事務方に任せることができ、自分自身は診療の切れ目なく仕事を続けることができた。

「クリニック経験者が求職者として採用市場にいる」という環境変化に対して、これから成長を目指す医療法人がどのように彼らとwin-winの関係を築いていくのか。今、変化への適応が求められる局面を迎えているのです。

~ 今回のまとめ ~

・「クリニック院長」がキャリアのゴールではなく、次のステップを考える医師も存在する。
・クリニック院長の経験がある医師は、貴重な即戦力。診療以外の院長業務もよく理解しているため、活躍が期待できる。
・一方で、院長としての経験と退職の経緯をしっかり確認することが必要。医師によっては、苦手業務を法人がサポートすることで、再チャレンジが成功する可能性が高まる。

経験豊かなサポートスタッフが、先生方一人ひとりのニーズに合わせた医院開業サポートを行っております。個別相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

株式会社クリニックエージェント
代表取締役 板倉 宏充(いたくら ひろみち)

1973年千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2005年より総合人材企業にて医療機関向け情報サービス部門に従事、2010年より大手人材紹介会社にてキャリアアドバイザーとして医師・看護師の人材紹介を担当。2017年より大手人材サービス企業にて診療所向けの医師紹介事業「クリニックエージェント」を立ち上げ、2019年12月より独立。現在に至る。

※このコラムは、2019年6月現在の情報をもとに執筆しています。

クリニックに特化した医師紹介サービス「クリニックエージェント」のWEBサイトはこちら

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