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事務長に必要な資質と能力

前回は、クリニックリーダーと事務長の違いをお話しました。クリニックリーダーと事務長の考え方や、業務の違いをご理解いただけたかと思います。今回は事務長を採用するにあたり、どのような人物が適しているかについてお伝えいたします。

条件ではなく事務長自身の「在り方」が重要

事務長はクリニックの経営という重要な役割を担う存在です。そのため、院長が掲げたミッションやビジョンに共感して、どうやって達成に向かうことができるかという同じベクトルを向いていなけなればなりません。そこで、「真剣に自分が何をできるのか」「どのようなことをクリニックで実現したいのか」という事務長自身の心の持ち方、つまり“在り方”が重要になります。在り方とは、その人自身が持っている考え方や信念です。もちろん、お金(給与)も重要ではありますが、お金が一番であれば、より高い給与の会社に移ってしまいます。

皆さんは「マズローの欲求5段階」をご存知でしょうか。人はさまざまな欲求の中で生きていますが、給与はそれの第1段階である「生理的欲求」にあたります。ここがある程度満たされているのであれば「なぜこのクリニックで事務長として働きたいのか」「このクリニックで事務長として働くことで、どのような自己実現ができるのか」を明確にできます。給与は大切ではありますが、それだけで事務長を選ぶことはあり得ません。

第1回でもお伝えしたように、事務長は院長の右腕としてクリニック経営を行っていきます。事務長が自分勝手をしたり、軸がフラフラしていたりすると、周りのスタッフや院長自身に良い影響が広がりません。事務長に求められる資質としては、以下のようなものが挙げられます。

・素直である
・積極的である
・主体性がある
・客観視できる
・心に芯がある
・責任感がある

もちろんこれだけではありませんが、このような資質が事務長には必要です。「当たり前」と考えられるかもしれませんが、クリニックで事務長やスタッフを採用する際は「してほしい仕事の経験があるのか」「辞めないか」などを先に考えてしまいがちです。なぜなら、院長先生は困っているから、すぐにでも入ってほしい人を採ります。そのため、入職してから「こんなはずではなかった」とお互いが後悔してしまうのです。

資質があってこそ「能力」は効果を発揮する

クリニックで採用する事務長は、どこかの病院事務長経験者やクリニック経験者、営業や接客、コンサルタントなど、さまざまな職歴を持った人がいます。かく言う私も、前職はホテルマンでした。医療についてまったく知らない人が応募してくることのほうが、多いのではないでしょうか。事務長は院長の代わりにマネジメントをすることや、業者との折衝を行うことがあります。しかし、必ずしも何かの経験が必要というわけではないと考えます。

もちろん、マネジメント経験やコミュニケーション能力・交渉能力などの経験値が高く、すぐに活かせるスキルを持っているのは素晴らしいことです。しかし、院長先生がクリニックを開業するときに、経営者としての経験があったでしょうか。まず、ありません。院長先生はクリニックを開業して、初めて経営者として経験を積み始めたのです。

同様に、事務長は経営者の右腕としてクリニック経営を担うため、新しいことや、これまで経験がないことを行っていきます。そのときに「経験がないので無理です」「やりたくないです」となってしまっては、事務長の役割が機能しません。先程お伝えしたように、「資質=在り方」が院長の希望に添っている場合はそのようなことが起こりにくく、スピーディに進めることができます。事務長としての仕事をまっとうするには、入職してから学ぶことで解決できることが多いのです。

事務長に必要な能力とは

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