開業した先生の声
2015.06.28
地域医療を行う開業医は、患者さんとの距離が短くて、第一印象が良いことが大切です。一度で終わりの人間関係ではないので、真摯で新鮮な気持ちを5年10年と持ち続けられる開業ができるよう取り組むことです。運命共同体ともいえるコンサルタントと調剤薬局の存在は期待以上で心からありがたく思います。開業を検討されたら一度相談されることをお勧めします。
どんな開業医になるか、自分で確固たる意識を持つまで2~3年を費やしました。人口が多く診療圏の競合する駅前で開業するか、すでに開業している医師の継承をするなど、形態はいくつかありますが、色々なクリニックを20件ほど見せてもらい自分の方向性を決めました。
開業医は患者さんの経過を見て10~20年と長いおつきあいになります。地域に医療機関がないからこそ真剣に医師と患者さんが信頼関係を築けることがポイントでした。実は20件見たうち、ある物件に契約のハンコを押しかけていた頃、この物件に出会い「ここだ!」と思いました。この場所を見た瞬間にひらめきで選びました。当時は、造園業を営む大家さんが、この土地を医療施設として検討中でまだ木立でしたが、惹かれるものがありました。そして幼いわが子を連れて、地域の人に話をする機会をもったところ、人の感じがとても良かったことも理由です。熟慮を重ね後悔のない選択ができたと自負しています。
総括すると「非常に幸せな1年間を過ごした。」と実感しています。開業前は、勤務医を辞めて大学病院を離れると先進的な高度医療に関われなくなる心配がありましたが、開業したことへの後悔は全くありません。
地域に根差す医師としての遣り甲斐を感じています。開業前は余暇が増えるだろうとイメージしていましたが、専門外の医学知識の勉強も欠かせないので、実際開業してみると非常に忙しく、病院と関わっている時間はむしろ長くなりました。開業から3~4年は勝負の時だと覚悟してやっています。
開業するきっかけは様々ですが、どんな医療を目指すか開業のイメージをできる限り考えることが大切だと思います。開業場所の決定は、データ上の予想集患人数が多ければ盛業するとは限らず、やりたい医療との相関性が必要です。クリニックの設計図面は医師の仕事場の動線を考えると、徐々に具体化してきます。
開業準備は不安なものですが、信頼できるコンサルタントの力強い助けで描いた通りの開業ができました。同じ場所で開業された整形外科の先生との連携、調剤薬局の柔軟な対応も本当にありがたいです。開業後の周囲環境の確認も大切です。
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