開業した先生の声
2017.06.23
2017年5月、東京都北区の東十条に医療モール「クリニックステーション東十条」が内科・小児科・眼科・耳鼻咽喉科・整形外科の5科体制でオープンします。今回、開業前の医療モールにて、診療科の異なる5人のドクターにお集まりいただき、開業のきっかけやこの医療モールを選んだ理由などを振り返りながら、これから目指す医療について語っていただきました。
◇後藤 英晃Dr. 「ごとう内科(内科・消化器内科・内視鏡内科)」右上
◇若林 太一Dr. 「おうじキッズクリニック(小児科)」右中
◇上山 数弘Dr. 「うえやま眼科(眼科・小児眼科)」右下
◇渡邊 晶Dr. 「わたなべ耳鼻咽喉科(耳鼻咽喉科・小児耳鼻科・アレルギー科)」左下
◇澤 満美子Dr. 「東十条整形外科(整形外科・リハビリテーション科)」左中
後藤Dr.:特に医療モールを探していたわけではありませんが、物件を見て気に入ったんです。でも、モール内で他院と連携が容易なところはいいなと思います。
若林Dr.:医療モールは利便性があると思います。お母さんが小さいお子さんを連れて受診して、耳鼻科などほかの科の診療が必要になったときなど、医療モールであればすぐにほかの医院へ紹介できるし、移動しやすいですよね。開業医のスタイルを取りながら、必要なときには総合病院のように紹介もできます。小児科医はさまざまな分野を診なければいけないので、周囲に専門の先生方がいるのは心強いです。ここは子育てをするには最適な環境だと思います。
上山Dr.:はじめは単独での開業を検討していたのですが、たしかに医療モールの方が便利だと思います。ワンフロアであることや、屋内の共用待合室がありますし。スーパーもあり、日常の生活導線上にクリニックがあるので、認知されやすい。開業を相談していた周囲の人たちにお話を伺ったのですが、クリニックモールに対して好意見だったので、自分が思っている以上にメリットがあるのではと期待が持てました。
渡邊Dr.:モールを条件にしていたわけではないのですが、耳鼻咽喉科の疾患は、他科領域と関係することも多いので、他の科の先生と連携が取れる点はメリットがあるなと思います。
澤Dr.:整形外科には足が悪い高齢の患者さんがたくさんいらっしゃいます。来院する際には交通手段が車のことが多いので、駐車場が完備されているのは便利だと思います。モールを探していたわけではありませんが、エスカレーターもあって、ビルなどで開業するよりも初期投資が少なくて済みました。
後藤Dr.:これまでは勤務医だったので、薬局とどういう関係を構築していくかは開業後、勉強していきたいです。薬は飲み合わせなどが重要です。たとえば医師には常備薬について話さなかったのに、薬剤師さんには話をして薬局から連絡がくる、なんてことはよくある話です。そういった部分ではうまく連携していきたいですね。
若林Dr.:現在はジェネリックを含めてさまざまな種類があります。どういう薬が子どもにとって好まれる味なのか、どうすれば飲みやすいかなどの情報提供が薬局からあると、お母さんにも伝えられるのでありがたいですね。薬の飲ませ方の指導なども期待したいです。薬は飲まないと効かないし、無駄になってしまいますから。実際に新しい薬が入ったら自分でも味見して試してみたいですし、そんな連携ができたらいいですね。
上山Dr.:眼科では目薬だけではなく、塗り薬、飲み薬もあります。調剤薬局は患者さんが薬を受け取る最終段階ですから、患者さんにとって不利益な薬を処方することがないようにするには、医院との連携が必要ですし、薬局は大事な存在です。
渡邊Dr.:患者さんは、ドクターの前では言わなかったのに、調剤薬局には日頃の生活習慣や飲んでいる薬の話などをされることがあるんです。薬局から連絡をいただければとても助かりますし、連携してやっていきたいですね。
澤Dr.:現在の飲み薬は飲み方がさまざまで、たとえば骨粗しょう症の薬などでは、月1回だけ飲む薬や、起床後に服薬してから1時間は何も食べてはいけなかったりするものもあるんです。調剤薬局には服薬指導をしっかりお願いしたいです。患者さんの中には、「実はこの薬は高いからもう飲んでない」という方もいます。薬局で患者さんが相談した内容をフィードバックしてもらうことで、代替薬も提供できますから連携は大事です。
後藤Dr.:内科のかかりつけ医として、あらゆることに対応できる質の高い医療の提供を目指したいです。
若林Dr.:子どもが自分から行きたいと思うクリニックがコンセプトです。自分が勤務医として外来をしていたとき、「たいしたことがないと思ったけれど、子どもが先生のところに行きたいと言うので連れてきたんです」とお母さんに言われたのがうれしくて。子どもにとって敷居が低く、親御さんにとってちょっとしたことでも気軽に相談できるクリニックを目指したいです。昔ながらの病院はどうしても怖いイメージがあるし、まして子どもにとってはなおさらなので。
上山Dr.:患者さんに信頼される、長く続けられる医院でありたいと思っています。スタッフも働きやすいと感じてもらい、やりがいを持って働いてほしいです。
渡邊Dr.:耳鼻咽喉科の領域は、首から上、目と脳以外のすべてが専門になります。小さな赤ちゃんからご年配の方まで、幅広い年代の人が気軽に相談できる親しみやすい医院にしたいと思っています。
澤Dr.:気軽に相談してもらえる、敷居が低いクリニックでありたいです。初めての病院に行くとき、患者さんは誰もが不安だと思います。患者さんが治った後でも、心配なことがあれば気軽に来院していただけたらいいですね。治療やアドバイスをさせていただいて、より良いADLを保ってほしいと思います。整形外科は長く通ってもらうことが多く、手術ができない患者さんもいるので、なるべく痛みを取り除いてあげられる治療をしていきたいですし、運動や予防の重要性をもっと伝えていきたいですね。
後藤Dr.:「患者さんが安心できて便利であること」それに尽きます。医療モールとして5つのクリニックが連携し、リレーションシップを取ることで、それが実現できると思っています。
澤Dr.:実は患者さんは何科にかかったらいいかわからないことが多いんです。先生方とも話しているのですが、医療モールの特性を活かして、気楽に相談し合い、協力、連携できる体制を作りたいと思っています。
渡邊Dr.:先生方とうまく相談し、助け合いながらやっていきたいです。いい感じに必要な科がそろっていますし、「あと歯科や皮膚科があったら完璧だね」なんて、話しています。
若林Dr. :お子さんの場合はとりあえず小児科を受診してもらえれば、必要時に眼科や耳鼻科の先生を紹介できます。お母さんが心配なときは、帰りにほかの科を受診できますし。モール内でうまく連携して医療が活性化すれば、患者さんはもちろん、地域の方々にとっても大きなメリットになると思います。
上山Dr.:モール内でうまく連携を取っていけたらと思います。ここが病気について知ってもらえる場になったらうれしいですね。
これから、クリニックステーション東十条では、5医院のドクターと調剤薬局が連携を取りながら、地域の皆様の医療を支え、頼りにされ、愛される医療モールを築いていかれるでしょう。今後のご活躍を期待しています。本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
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