開業した先生の声
Vol.7
2023.09.19
クリニックの開業を目前に控えたドクターが、今何を考え、悩み、いかにして困難に立ち向かったのか……。そんな開業の準備期間、いわば“エピソード・ゼロ”にフォーカスする本シリーズ。巷にあふれる成功体験記ではなく、開業医の序章を紐解くことで、よりリアルなクリニック開業に迫ります。
今回登場するのは、2023年9月に「川口前川眼科クリニック 蕨院」を開業された林雄介先生。開業から間もない林先生に、開業地の選定基準や苦労した点、これからの目標など、さまざまなお話を伺いました。
研修医時代に眼科を回っていた際に、白内障手術を受けた患者さんが「よく見えるようになった!」と喜んでいる姿を見たのがきっかけです。患者さんは基本的に少しずつ回復されていくため、治療後すぐに症状の改善を実感している方を見る機会は多くありません。研修中にさまざまな科を回りましたが、眼科は「見えるようになった」という効果がはっきりとわかります。患者さんの喜んでいる姿にやりがいを感じ、この出来事が軸となって眼科を選びました。
患者さんに、よりよい医療を提供するためです。私は眼科医になってから10年以上、大学病院や大学附属病院に勤務し、充実した医療技術を提供していました。その一方で、患者さんを長時間お待たせしてしまったり、診療システムの複雑さから臨機応変に対応しづらかったりといった側面も感じていたんです。ここ数年、より痛感するようになったことからクリニック開業への想いが強くなり、実現に至りました。
[院内にはさまざまな機器を設置]
患者さんに対してわかりやすく説明し、安心・信頼していただける医療を提供することです。クリニックを受診される患者さんは症状があったり、困っていることがあったりと、何かしらの不便を感じて来院されます。診察の際は患者さんの不便さを解消するだけでなく、症状や疾患をわかりやすく説明することで、治療や方針に安心していただけるよう心がけています。患者さんたちとの信頼関係を築き、地域に根付いたクリニックにしていきたいです。
[明るいイメージの待合室は、広々としたリラックス空間]
クリニックの強みを生かし、患者さん本位かつ臨機応変な医療を提供できる組織を目指しています。そのためにも、スタッフを採用する際は「優しく明るく丁寧な対応ができるか」を前提条件にしました。私を含めてクリニックの全員がしっかりと連携を取り、それぞれが自分で考えて行動できるような組織にしていきたいですね。
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