VOICE ここがよかった医療モール

駅の目の前に位置し、かつ共通駐車場も有するこちらの医療モールは、オープンから10年以上経っていることもあって私の入居時にはすでに認知度が非常に高い状態でした。本物件があるエリアは、この先10年以上にわたって人口の増加が見込まれています。皮膚科は診療の数をこなすことが重要であるため「すでに人を集められており、これからも増えると予想される施設」で開業できたことは、大きなアドバンテージだったと感じています。実際に「クリニックステーション北戸田」で開業できたことで、想像以上にいいスタートを切れていますよ。

また、医療モールならではのメリットである「診診連携」ができることも魅力です。先日も、目元を含む顔の帯状疱疹を発症した患者さんを、同モールの眼科クリニックに紹介しました。今後、薬の処方にあたって事前に内科の検査が必要なケースも想定できるので「必要なときに頼れる先がある」のは安心です。

【外観とMAP】

開業を決めた理由は？

私は長らく大学病院に勤めてきました。定年まで残り約10年を迎え「医師として、この先どうありたいか」を考えたときに、初心に戻り、幅広い方々に皮膚科外来診療を提供したいという答えにたどり着いたんです。

開業にはさまざまな形態があります。病院の皮膚科に勤務するといった選択肢も検討しましたが、長く第一線で活躍し続けたい、自由度が高い環境でモチベーションを高く保ちながら働きたいという想いがあったことから、病院勤務や雇われ院長ではなく“開業”を第一の選択肢に見据えました。その時、私はすでに50歳代半ば。資金面でも、新規開業や承継開業で開業するには潤沢とはいえませんでした。そこで「居抜き物件での開業」に絞り、条件に合う物件が見つからない場合は開業を諦めると決めて臨みました。

物件探しはスムーズに進みましたか？

物件探しには苦労しました。主に物件情報サイトを使い、飲食店だった物件も含めて幅広く探しましたが、予算や条件に合うところはなかなか見つからなくて……。そんな折に目に留まったのが、アイセイ薬局の物件です。すぐに問い合わせて詳しいお話を聞いたところ、残念ながらその物件は条件と合いませんでした。

代わりの物件として紹介してもらったのがクリニックステーション北戸田だったのですが、こちらは条件に見合う、まさに理想的な物件。しかも戸田市は私が高校時代まで過ごした馴染み深い街だったので、開業を決めました。

その後は、あらゆる面でアイセイ薬局が力になってくれました。私にとって、開業は急に浮上した選択肢です。クリニックづくりにおける知識はほとんどなかったのですが、アイセイ薬局の丁寧なサポートのおかげで無事に実現できました。

実際に開業してみていかがでしたか？

最初にお話したとおり、集患に関してはある程度期待していましたが、実際はそれを大きく上回る結果となっています。開業初月の月平均来患数は30人程度で、そこから毎月約10人ずつ増加し、現在は平均で90人程度に。多い日には100人を超える患者さんが来院し、うれしい悲鳴を上げるような状態です。

今の目下の目標は、経営を安定させることですね。もう少し若ければ患者数のさらなる増加を目指す選択肢もありますが、経営リスクよりも健康リスクが気になる年代です。この先20年間続けられる、無理のない診療スタイルを確立していきたいと考えています。

これから開業する方へアドバイスをお願いします。

物件探しにおいては、自分が負えるリスクの範囲を明確にし、その条件に合う物件にめぐり会えるのを焦らずに待つことが重要だと感じています。一方で、あまりに時間をかけすぎると計画が狂ってしまうでしょうから、併せて期限の設定も必要です。

それから、条件に合わないものも含めてたくさんの物件を見ておくこともおすすめ。「自分の目を鍛える」ことに、つながると思いますよ。いい出会いはある日突然やってくるものなので、家族へのこまめな情報共有も忘れないようにしてください。

※この記事は2024年9月時点の情報に基づき作成しています。