開業した先生の声
2015.06.28
生活圏が近いため、娘の友達のお母さんたちを介してクリニックに来られることも多く、子育て真最中の自らの経験を生かして丁寧な説明に心がけて診療にあたっています。育児書にある理想より、現実の生活から同じ母親としての視点で診療に努めています。
医師・スタッフが日替わりで子どもの好きなキャラクターの仕事着を着用して、子ども本位に対応するようにしています。
自分の子どもが二人になって、育児をしながら勤務医として当直のある職場で働き続けるのは無理だと感じました。以前働いていた病院では公務員だったため、産後休暇育児休暇に手厚く恵まれていましたが、育児休暇が切れる前に、実際には手が回らない状況に直面したことがきっかけです。
また、小児科医としてのやりがいを持って働くことと、自分が家にいる時間を確保しライフスタイルに応じた働き方をすることの両立を考えて開業を決めました。
開業するにあたっては、時の運・土地の運・人の運とタイミングに恵まれて、短期間で決めました。自宅からクリニックまでが至近距離にあり、通勤の簡便なこともポイントになりました。物件探しをしている段階で、駅直結の医療モールの建設を知りましたが、既に完売との話も聞こえ半ば諦めていたところ、仲介業者から募集の情報を得て、「ここしかない」と思いました。同じ医療モールに開業される他のクリニックに合わせての開業となり、準備期間は約3ヵ月と短く、自分の想定していた時期より開業が早まりましたが、すべての機会に恵まれたことがポイントです。
この物件を選んだ理由は第一に「立地」です。駅に直結した建物にある医療モールで、隣に大型パーキングがあり、雨の日も濡れずにバギーでそのままクリニックに来ることが可能です。そのため、雨の日の来院が多く、双子のお子さんの受診が多いことが特徴です。そして、開業のためにコンサルタントのバックアップがあったことが理由です。多くの医療モールを手掛ける専門家のサポートのおかげで、短い期間で無事開業できました。自分で一から物件を探し、準備をして開業にこぎつけるのは無理だったかもしれません。さらに、同じフロアにある調剤薬局のおかげで、病気の小さな子どもを待たせず薬の投与が可能なので大変助かっています。
もっと暇かと思っていましたが、意外と大変です。忙しく働けるのは有り難いことですが、診察するのは医師である自分ひとりなので、自己の健康管理に気を配っています。勤務医時代は何とかなっていたことも、代わりのいない今はプレッシャーに感じます。
自分の希望する方針でクリニックを運営できる自由があるのは良い点ですが、お山の大将にならぬよう戒めています。医学の勉強、自己研鑽の時間を確保していきたいです。
私の経験から言えることは、「自分ひとりでの入念な準備よりも、開業をしっかりサポートしてくれるプロの力」が重要です。
医療モールにおける開業では、同じモール内に入る他の診療科の先生とすみ分けをして、協力体制がとれれば円滑な経営が可能だと思います。クリニック内のスタッフ同士の人間関係が円満であればなお良いですし、近隣の大病院との連携を予め図っておくと万一の場合にも安心です。
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