開業立地
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- 開業立地を決める際の最重要ポイント
- 上の図は、某駅前のA・B2つの地点を開業地としてプロットしたものです。ともに駅からの距離にそれほど差はありません。また、いわゆる診療圏調査のソフトを使用して周辺人口や外来見込み患者数を算出した際にも、ほとんど数値が変わることはないでしょう。しかし、このA・Bは開業立地としては雲泥の差があります。開業立地Aは、駅前を通る生活道路沿いにあり、駅をはじめとする周辺施設を利用する住民の認知を得られる立地といえます。また、目の前にバス停があるため、通勤や通学、買い物などでバスを利用するような、少し離れたところにお住まいの住民からも医療機関として認知を得られる可能性があります。
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- 02
- 診療圏調査の基礎知識(基礎編)調査資料の見方と推計患者数の把握
- 「診療圏調査」(マーケット調査)とは、ある場所で開業した場合に、1日あたりどれくらいの外来患者数が見込めるのか、「その候補地のポテンシャル=推計患者数」を把握するものです。この数値が大きければ地域の医療充足ニーズが高く、小さければ既に同一の標榜科目による医療は飽和状態であるとか、人口が少ないため開業には不向きであるといったような、開業候補地の一定の評価指標となります。推計患者数は「エリア人口×受療率÷(科目別競合医院数+1)」で算出されます。先生ご自身で算出することももちろん可能ですが、クリニックの開業支援を行っている事業者でも診療圏調査のレポート作成サービスを行っていますので、活用をおすすめします。ただし、その精度は各社各様だと思われますので、立地のポテンシャルが正しく反映されているか、リスクはないかなど、判断ポイントや診療圏調査レポートの見方を事前に理解しておくといいでしょう。診療圏調査のレポートは、事業計画立案時に必要な外来患者数の根拠を示すものとなります。
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- 03
- 診療圏調査の基礎知識(応用編)生活動線と分断要因
- 開業候補地における診療圏範囲に関して、同心円の距離による一律の設定だけでは、住民の生活動線を考慮した際に課題が残ります。当社では同心円の距離による範囲設定に「分断要因」を反映させることで、よりリアリティのある診療圏設定を行い、開業立地の選定に役立てています。分断要因とは、住民の生活動線の切れ目となる様々な要因です。下の図は当社医療モール開発チームが候補地の医療ニーズを精緻に把握するための「物件チェックリスト」から、一部を抜粋したものです。
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- 04
- 考察:来院患者マップによるリアル診療圏
- 当社は調剤薬局を生業としていますが、同時に医療モール開発事業を展開しており、先生方へ開業物件をご提案する立場でもあります。ご存知の通り、調剤薬局は医療機関が発行する処方箋をもった患者様が薬局に来ていただくことで、はじめてビジネスが成立します。つまり、門前の医療機関が盛業していただくことが、調剤薬局のビジネスにとって非常に重要なファクターなのです。それゆえに医療モール候補地の立地判定については、開業をご検討されている先生方と同じ目線、「自分ごと」として、当事者意識をもったシビアなスタンスで臨んでおります。
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