2015.12.03
2015年11月14日(土)、大阪市西淀川区にある大英診療所様にて、アイセイ薬局歌島店が主催する「からだゼミナール」が開催されました。
今回講師としてお迎えしたのは、おおかわ眼科クリニック・大川亜耶先生と、大阪医科大学・岩本充彦先生。「白内障・緑内障」「乳がん」をテーマに、地域の方を対象として講演していただきました。
大英診療所様の最寄り駅はJR神戸線塚本駅。新大阪駅から電車で10分、繁華街である梅田エリアまでは1駅と、交通の利便性が高いエリアです。塚本駅を降りるとたこ焼き屋や居酒屋などが立ち並んでおり、大阪の下町らしい雰囲気を色濃く残しています。
大英診療所様はこの地で開業して今年で35年を迎える、まさに地域に根ざした医療機関です。2年前に建て替えを行い、1階に大英診療所様、2階におおかわ眼科クリニック様という2科+調剤薬局の医療モールとして生まれ変わりました。
リニューアルのきっかけは、おおかわ眼科クリニック様の開業。今回のからだゼミナールの講師を務められた大川亜耶先生は、大英診療所院長、宋桂子先生のご息女にあたります。
「2代にわたり、地域医療を支え続けたい」、そんな思いもあり、2014年6月にもリニューアルを記念したからだゼミナールを開催したことがあります。
今回のからだゼミナールは、講義2本立て。1時間ずつ、2名の先生が異なるテーマでお話されました。
当日はあいにく天気が悪く、雨が降ったりやんだりを繰り返していましたが、それでも会場となった大英診療所様の待合室は満席。ご夫婦やお友達同士、おひとりの方など、さまざまな方がご参加くださいました。皆さんクリニックのスタッフさんに声を掛けて談笑されるなど、朗らかな雰囲気で開始を待たれていました。
1本目の講義は、おおかわ眼科クリニック・大川亜耶先生による「白内障・緑内障ってどんな病気?」というタイトルのお話です。一般の方からすると「白内障」と「緑内障」はその名前から混同されがちですが、起きるメカニズムも症状も全く異なります。
例えば、白内障は水晶体が濁った状態のため、かすんで見える、明るいところで見えづらくなる、輪郭がはっきりせずにものがぼやけて見える、などの症状が見られます。緑内障の場合は、視神経に障害が起こるので、見える視野がすこしずつ狭くなっていきます。
大川先生は目をカメラに喩えたり、「症状によってどんな風に見え方が変わるか」がわかるイメージ写真を使って、わかりやすく説明。参加者の方も、身を乗り出したり、相づちを打ったりしながらお話を聞いていらっしゃいました。
また、緑内障の症状の説明の際には、人間には誰にでもある「盲点」を実際に体感。人間の目には何も見えない場所「盲点」が存在していますが、正常な目の場合には、片方の盲点をもう片方の目で見ることで補っています。自分自身の目にも見えない部分があることを知り、参加者の方は驚きの声をあげていました。
緑内障、白内障ともに、ある日突然視力が失われるわけではなく、段階を追って見えづらくなるので、「気づいたらかなり進行していた」ということもよくあります。講義の最後を、大川先生は「大切なのは病気の早期発見・早期治療です。自覚症状がなくても、一年に一度は検診を受けましょう」と締めくくりました。
2本目の講義は、大阪医科大学・岩本充彦先生による「今こそお伝えしたい!乳がん診療の最前線」というテーマ。岩本先生は大阪医科大学で年間300人以上の患者様の乳がん手術を担当されながら、週に1度大英診療所で乳がんの検診も行っています。
ここしばらく、芸能人による乳がんの公表が続いて、さまざまな報道が加熱しています。
情報が入り乱れるなか、「皆さんに乳がんの正しい知識を知ってもらいたい」と岩本先生。例えば「毎年検診を受けていたのに乳がんが見つからなかった」「乳頭の下だから見つかりづらかった」はどちらもあり得ますが、メディアでよく報道されてる「ステージⅡの生存率は50%」は事実とは異なり、実際には90%であるというデータが出ているとのこと。
実際に撮影されたガンの様子や、患者様の乳房の状態など、深刻な画像を使いながらも、講演の途中にはしばしば冗談を交えてお話しされており、参加者の方から笑い声が出る場面もありました。「マンモグラフィーと超音波検査、これは必ずどちらも受けてほしい」という岩本先生のお話に、皆さん真剣に耳を傾けていました。
今回の2本の講演は、テーマとして取り上げた疾病は異なりますが、どちらも大切なのは「検診を受診する」こと。重篤化を防ぐためには、地域の皆さんに対する啓発活動が欠かせません。大川先生、岩本先生どちらも、「かかりつけ医による検診を受けてもらいたい」とおっしゃっており、地域全体の健康をサポートしていきたいという姿勢が伺えました。
参加された方からも「岩本先生のお話を聞いて、友達にもがん検診を進めようと思いました」「もっと皆さんに知ってもらいたいので、広めたいと思います」といったコメントが。おふたりの先生の意志は、参加者の方にも十分伝わったのではないでしょうか。
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