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ノリスケ、事務長となる。そして赤字転落。

【前回のあらすじ】

イソノ医院にマスオが新たに加わった。しかし、医師が複数いることによって人件費が増加し、付随する業務は増える一方。事務長のサザエは仕事と家事との両立が難しくなり、引退を希望する。そんななか、ノリスケを新たな事務長として迎えることで、イソノ医院は新たな局面を迎えることになる。

 

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ところで、ノリスケさん。主人が亡くなってから、イソノ医院はまだまだ落ち着きません。院長のカツオはまだ若くて頼りないですし、事務長のサザエもタラちゃんの受験で家のことが忙しくなりました。今イソノ医院は、とても大変な状況です。もしよろしければ、サザエの代わりにイソノ医院の事務長として勤める気はありませんか?

 

うぅ、おばさん……(涙)。ナミヘイおじさんには、小さい頃から厳しく怒られながらも、とてもかわいがってもらいました。「ノリスケ、一杯やらないか」なんて、よく声をかけてくださいました。今の自分があるのは、おじさんのおかげです。今の病院もおじさんのコネで入社していますから。こんな自分でお役に立てることがあるなら、今こそイソノ医院のみなさんに恩返しをさせてください。

ノリスケさん、本当にありがとう。亡くなった父さんも喜んでいますわ。

ノリスケおじさん、ありがとう。一緒に働けてうれしいよ。よろしくお願いします。

3か月後

 

 
初めまして。今日からイソノ医院の事務長として勤務することになりました、ノリスケといいます。20年間、伊佐坂病院の事務長をしてきました。みなさん、よろしくお願いします。

これからは、私の代わりにイソノ医院の財布をギュッと締めてくださいね。

 
任せてください。イソノ医院に利益が残るように、しっかりがんばります。

いよっ、ノリスケ理事長! よろしくお願いします。

 

……事務長です。

あのー、僕のお給料は下げないでくださいね。

 

……あー、はい。

ノリスケさんのお給料はどれぐらいにすればいいの?

 

僕は前職の病院では、事務長としての給料が●〇ぐらいだったので、同じぐらいで大丈夫だよ。

(……うわっ高い。病院の事務長って結構いい金額をもらっていたんだなあ。)

3か月後

 

 
カツオくん、今月も●〇万円の赤字だったよ。やっぱり経費が多いね。

ノリスケおじさん、え、赤字? いったいどこの経費が多いの?

 

ずばり人件費だよ。それ以外の診療材料代とかクリーニングなどの消耗品は、業者を変更したり、私が直接交渉をしたりして、かなり値切ったんだけどね。

ノリスケおじさん、いろいろな経費を削減してくれてありがとう。で、人件費は下がらないの?

 

人件費を下げるのは難しいよ。カツオくんやマスオさん、フネさんのお給料も入っているし、どうしても僕の立場からは言いにくいからね。

わかった。ノリスケおじさん、どれぐらい下げればいいの?

 

そうだね、せめて売上の●〇%以下にはしてほしいよ。特に、最近増加した原因はマスオさんの給料だね。

うーん。姉さんに相談してみるか(ノリスケおじさんの給料も高いなあ……)。

数日後

 

まあ、これじゃあイソノ医院は赤字だわ。どうやったら利益が出るのかしら。

困ったわね。スタッフの給料は下げられないし、私たちの役員報酬を減らすしかないですね。一度、税理士のカサナミ先生に相談してみましょう。

母さん、わかった。今度の定期訪問のときに相談してみるよ。

翌週

 

こちらが先月までの月次決算報告書になります。マスオ先生が入社されて売上は増加しているのですが、その増加額だけではマスオ先生とノリスケ事務長のお給料は捻出されないですね。

なるほど。それでは、どれぐらいまで人件費をかけてよいのですか?

得られた付加価値に対する人件費の割合を「労働分配率」といいます。イソノ医院の場合は、診療報酬と自由診療を合わせた売上高から、診療材料仕入れを差し引いた「売上総利益」が付加価値に該当します。そうすると、イソノ医院は●〇%ですので、一般的な内科診療所と比較すると〇●%ぐらいは高いですね。

なるほど。だったらカツオ、売上を増やしなさい。

姉さん、毎日の診療はもう限界までがんばっているんだけど。診療材料仕入れが高いのが原因じゃないかな。マスオ兄さんが使う薬代とか材料代が高くって……。

え、なんですって。カツオが言うのは10年早いわ。あなた、小学校で算数0点だったでしょ。

 

まあまあ。カサナミ先生、ほかに気にしておくべき経費はありますか?

そうですね。●●費とか〇〇費には気をつけておいてください。それから○●率も注意が必要です。

 

わかりました。これらは僕が事務長として、しっかりと数字を見張っていきます。任せてください!

……。

数日後

 

やっぱり、僕が原因なのかな。困ったな。カツオくんのことを思って仕事しているのになあ。あー、やっぱり僕はどこに行ってもダメなのかなあ……。

あなた、しっかりしてくださいね。今度ノリスケさんに相談してみてはどうですか? カツオの前では言いにくいことも、ノリスケさんにだったら相談できるかもしれないわよ。

そうだね、そうするよ。サザエありがとう、愛してるよー!

まあ、マスオさんたら。私も愛してるわよ!

 

こうしてノリスケが事務長に加わり、イソノ医院の運営体制は整ったかのように思えた。しかし、ノリスケにかかる人件費の増加で、ついにイソノ医院は赤字となってしまった。事態を打開するために、マスオはノリスケに相談することとなった。果たして、イソノ医院は黒字化することはできるのだろうか。

次回につづく

 

●税理士笠浪真のワンポイントアドバイス

クリニック経営を順調に行うためには、資金繰りがポイントになります。赤字経営になってしまうと資金繰りが苦しくなり、銀行から追加の借入をしたり、人件費削減などのコストカットをしたりする必要があります。そうならないためにも、日頃から税理士による会計報告や、改善の提案をきっちりとレビューしておくことが重要です。

弊社では、日々の売上、経費などから作成した月次決算報告書で、資金繰りの確認を行います。そして、異常な数値や比率があれば、経営会議を開いて改善するようにサポートさせていただいています。また、日々のレセプトデータから、カルテの枚数、新規患者数などを分析して、前年数値やほかのクリニックとの比較から黒字化、またはさらに利益が出るための目標とすべき数値を設定しています。

ただでさえ、日頃から診療でお忙しいDrの先生方に安心して診療に集中していただくためにも、最低限の会計の知識はぜひとも知っていただきたい部分です。そして、クリニックの発展のためには、何としても資金繰りを安定していただきたいと思っています。

 

経験豊かなサポートスタッフが、先生方一人ひとりのニーズに合わせた医院開業サポートを行っております。個別相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

mr-kasanami笠浪 真(かさなみ まこと)
税理士法人テラス 税理士・MBA
京都府出身。国立滋賀大学経済学部卒業の後、同大学院にてMBA取得。在宅・特別養護老人施設にて、介護士として医療福祉の現場に携わり、会計事務所・法律事務所・コンサルティング会社を経て、税理士事務所を開業。これらの経験を、さらに医療の現場に役立てたいとの思いから、慶應義塾大学大学院医療マネジメント専攻にて、医療経営を学び直す。平成25年「医師からファーストコールされる存在」として、病院・診療所・歯科医院の会計に専門特化した税理士法人テラスを設立。経営理念に共感した医師・歯科医師より、多くの支持を得る。
税理士法人テラスのサイトはこちら
※このコラムは、2018年7月現在の情報をもとに執筆しています。

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