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チーム医療の一員として、 主治医の先生の孤独を和らげたい。

ブログ_国母

 

 

 

薬学的観点から、在宅医療をサポート

 

アイセイ薬局国母店では、地域医療への参加のひとつとして在宅医療に取り組んでいます。在宅医療の対象となる患者様は終末期いわゆる「看取り」の医療を受けている方や、体や臓器が弱っていらっしゃる方、重度の障害をお持ちの方などです。腎機能・肝機能が弱っている患者様が多いため、多剤併用による薬物相互作用を含め薬物代謝に関する問題が常に付きまといます。そこに薬学的観点から医師をサポートできるのが私たち薬剤師であると思っています。

 

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在宅医療での医薬連携を充実し、主治医の先生方をバックアップするには、まず処方意図への深い理解が必要です。そのために、私たちは患者様はもちろんのこと、訪問看護師やヘルパーのみなさんから患者様に困った症状はないかどうかを常に伺っています。体調の小さな変化も逃さないよう伺っていく中で、症状の悪化が疑われた症例が、実は薬の副作用であったという経験も少なくありません。このような薬学的な気づきがあったときには主治医の先生方に処方内容に関する提案をさせていただいております。


特に便通の状態などは患者様によって症状が異なるため、主治医の先生に処方内容に関する提案をさせていただくことが多いです。最近では、末期腎不全の患者様に対する酸化マグネシウム処方について高マグネシウム血症リスク回避を念頭に置いて、D-ソルビトールを代替案として提案させていただいたり、効果が出ない場合はソルビトールの用量増量でなく、分割投与をお勧めしたりするケースがありました。


また在宅医療の現場では、末期癌で緩和ケアを受けている患者様の、
「どうしても生きたい」「少しでも長く生きるためにできることはないか」という感情を受け止めることもあります。そんなとき、私は在宅のチーム医療の一員として傾聴し、ときには手を握りながら共に泣きます。その後医師に相談しながら患者様に助言や提案を行うこともあります。このときの助言や提案は看取り医療の方針に沿った範囲の中で行い、患者様が一番納得して生活ができるような道筋を共に考えるように心がけています。そして患者様の思いを医師だけでなく、看護師さんや介護士さんとも情報共有し、より安心して医療を受け最期まで穏やかに過ごせる方法をいっしょに模索していきます。


在宅医療は総合医療でもありますので、主治医の先生方の負担は非常に大きく、常に厳格な判断を迫られるプレッシャーも相当だと思います。私たち薬剤師はチーム医療の一員として、主治医の先生方の孤独を和らげることができればと考えています。

 

 

 

 

在宅医療のセーフティーネットでありたい

 

主治医の先生方から信頼され、必要とされるためには先生方に納得していただけるレベルの調剤薬局・薬剤師である必要があります。そこで私たちは「患者様や医療・介護従事者とのコミュニケーション」、「患者様の観察と薬学的観点からの考察と分析」、「知識の蓄積」の3つを重視して調剤薬局の業務にあたっています。


良好なコミュニケーションを図るため、私たちは患者様や医療・介護従事者からのお問い合せに24時間対応できる体制を整えています。実際に体調に不安のあるご年配からの薬の調整方法に関する疑問や、若い女性の患者様からの妊娠中の服薬に関する質問など、毎日さまざまなお問い合せをいただきます。もちろん、在宅医療の患者様からのお問い合せを受けることも多々あります。内容によっては主治医の先生に連絡をすることもありますし、先生からの指示を患者様と再確認して納得していただくこともあります。薬剤師で解決できる問題と、主治医の先生に相談した方がよい問題をしっかりと選別し、なるべく先生方の負担を減らすように取り組んでいます。


主治医の先生方への連絡が必要かどうかを適切に判断するための決め手として重要なのが、日ごろからの患者様の「観察」です。特に顕著な体調の変化はなくとも、普段から不安を訴える患者様には安心していただけるよう、丁寧にお話を伺うようにしています。逆に緊急性のあるお問い合せの場合は現在の状況や過去の服薬状況などを整理して直ちに主治医の先生に対応を確認させていただくといったかたちです。


加えて国母店では、患者様の継続的な観察のひとつとして検査データの確認と保管を行っています。検査データの継続な確認には、薬剤の長期的な影響が隠れていることも多々あります。そこで、観察とともに薬学的観点から分析検討を行い、処方監査のような先生方の処方時点での確認に加え、長期的な薬学的検討をしていくというのが、検査データ確認の狙いです。


実際にこの取り組みが奏功し、隠れた疾患に関する助言をさせていただいたという経験もしました。肝機能系のデータが正常であるにも関わらず、ALPだけが高値を示した患者様の例ですが、年齢や基礎疾患、閉経などの状態から「骨がもろくなっている可能性があるかもしれないので、主治医の先生と相談してください」とお伝えしました。この患者様は再検査で骨粗鬆症と診断され、治療が開始されました。医師と患者様から感謝のお言葉をいただいたというものです。


医師の先生方は日常診療が忙しい中で診療にあたられています。そこで薬学的観点に関しては、薬剤師がセーフティーネットとなり、患者様の情報や薬剤に関する最新情報の提供、処方監査時に投与量のチェックなどを通じて先生方のお役に立っていきたいと思います。

 

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PubMedチェックは毎日。
常に最新の薬剤知識をアップデートする。

 

第3のポイントである「知識の蓄積」は、医師や看護師の方々に薬剤の最新情報の提供やプライマリケア的なアドバイスをするために、患者様に対して薬学的側面からの的確なアドバイスをするために必要だと考えています。時には専門医の先生方とも処方内容に関する話し合いをしたり、先生方の専門外の部分に関しては薬剤に関するアドバイスしたりすることがありますので、教科書的な知識のみではなく、応用が利く幅広い知識を蓄積することが必要だと思います。


実際に行っていることのひとつが1日10分のPubMed.govなどからの最新情報のチェックです。PubMed.govでは毎日数本、今後の処方内容に関わりそうな国内外の臨床試験に関する情報を収集しています。その他にもインターネットや専門誌などさまざまな媒体で最新情報を収集しています。日常業務を行っていると、情報収集にかけられる時間は長くはありませんが、短時間でも毎日続けることで薬剤師に必要な知識の構築につながっているのではないかと思います。これは患者様やチーム医療に貢献するための薬剤師の責務だと考えています。


在宅医療において主治医の先生から処方内容や処方量について意見を求めていただけるようになったのも、知識の蓄積による部分が大きいと思います。患者様が難渋している症状の聞き取りと薬の飲み合わせなどの確認を行い、副作用の可能性があるか、症状を軽減するのに適した薬剤があるかなどの情報提供については、今後も積極的に進めていきたいと思います。

 

 

 

 

浅い知識では医療の現場で役に立たない

 

今でこそ医師の先生方や看護師の方々から、薬剤に関する相談をしていただけるようになりましたが、駆け出しのころは先生方に怒られてばかりでした。「あなたの意見は何?薬剤師だったら、問い合せる前に調べなさい」と返されたこともあります。当時先生に叱咤激励していただいたおかげで、浅い知識では医療現場で役立たないことを痛感し、日々の情報収集と勉強を継続することの重要性を再確認するきっかけになったと感謝しています。


現在では地域医療への参画として、山梨医科大学が進めている慢性疾患診療支援システムや山梨慢性腎臓病対策協議会に参加し、地域の医療施設間でのカルテ情報共有や、患者様に対する疾患啓発も実施しています。また、医療の担い手として、調剤薬局や薬剤師に何ができるかという点を具体的にお伝えしています。医師や看護師の方々には、調剤薬局をうまく利用していただき、ともにより安全な医療をめざしたいと思います。

 

薬剤師の業務で一番うれしいのは、先生や患者様から「薬を変えたら好転したよ」、「いつもありがとう」などと声をかけていただくときです。今後も職員全員で一丸となって、主治医の先生の診断と治療がよりよく患者様に届くよう、手助けをしていけたらと思います。

 

 


 

kokubo_04PROFILE
望月 一司 氏
アイセイ薬局 国母店 店長/薬剤師 2000年昭和薬科大学薬学部卒業

趣味:アームレスリング
第16回JAWA山梨県アームレスリング大会(2005年開催)男子65kg以下級(右手)にて優勝。
業務の間にも余暇を見つけ、地元のアームレスラー仲間と親交を深めつつ、トレーニングに励んでいる。

 

 


 

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