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医院開業コラム

開業のタネ

実例に学ぶ クリニック内装の機能とデザイン

実例に学ぶ クリニック内装の機能とデザイン 第11回

手術室のユーザビリティを高める空間デザイン

  • 医院開業のポイント

2017.12.19

今回はクリニックの手術室についてお話します。
クリニックですから基本的には日帰りオペ(DAY SURGERY)の手術室になります。

日帰りオペの手術室に必要な計画とは

眼科では白内障手術、翼状片、眼瞼下垂、外科では下肢静脈瘤、消化器系では大腸ポリープなど、形成外科では形成外科の関与する過半の症状(美容形成を含む)というように、診療科によってさまざまな日帰り手術が行われています。

ほぼすべての診療科の手術を行う総合病院では、各科の手術の特性に合わせた手術室ではなく、フル装備の場合1㎥あたりに浮遊するチリや粉塵(ウイルスは単体では存在せずチリなどに付着して空気中に存在する)の数を表す「空気洗浄度(クリーン度)」が1,00010,000レベルで、患者さんをストレッチャーで導入できることが基本ではないでしょうか。

一般的にクリニック(診療所)の手術室はビル診療所であれば、建築物の揺れの心配が比較的少ない鉄筋コンクリート造りの建物で、近隣に高速道路や大型トラックなどの通行がない場所での計画が必須です。またOPライトや手術用顕微鏡を天井設置にする場合は天井高や補強の設置が可能かどうかも重要な要素となります。

どの診療科でも手術室、準備室、リカバリールームや家族待合室などのスペースが必要ですから、日帰り手術を行うクリニックは60坪~100坪くらいの規模を考えておきましょう。

診療科の特徴を考慮した設計が鍵

クリニックの場合、手術室は専門診療科目の特性に合わせることが基本です。また、患者さん自身が歩いて手術室に入り、手術後は歩いて帰宅もしくはリカバリー室などで休憩後に歩いて帰宅が可能な状態で行うことを前提とした手術室や手術準備室、リカバリールームなどの施設も必要となります。

このように、手術者のニーズに合わせた手術室が造れる点と患者さんの利便性に合わせた環境が整えられる点は、クリニックの医療施設を造っていく上で大きな意味がある部分といえます。では、それぞれの診療科について詳しく見ていきましょう。

【眼科】

眼科は白内障の日帰り手術が可能になって以来、最も多く造られているクリニックの手術室といえます。手術数は多いですが、他の診療科と比べると手術時間が短く、患者さんが高齢であり、手術室内で比較的多くの医療機器を使用することが特徴です。白内障手術を前提とすると空気洗浄度は10,000レベル以下が望ましく、弊社の設計施工もほぼこの洗浄度で作っています。

手術時間が短いことから、手術日には複数のオペを行う場合が多いです。患者さんやスタッフの出入りが頻繁に行われるため、洗浄度が基準値に達するまでの時間や、外部からチリを流入させないための陽圧比など、眼科のオペの特徴をふまえた工夫を考えなければなりません。また、高齢者の患者さんが大半ですから、付き添われる家族の待合スペースや、術後に休むためのリカバリースペースなども設置しています。

【形成外科】

形成外科の手術室は、ほぼ急性期病院の手術室と同様のスペックで計画されます。ビル内のクリニックではOP用ライトの設置に必要な天井高や補強に加え、医療ガスなどを利用する場合には置き場を考慮したテナント選びが重要です。洗浄度は多くが10,000レベル前後で計画されています。また、術後のリカバリールームや外科用手術台の設置、術前後に患者さんが移動する動線にも工夫が必要になります。

【消化器系】

大腸ポリープなどの消化器系の日帰り手術では、急性期病院でもクリニックでも、多くの場合は手術室というより処置室程度の設備で行われ、空気洗浄機能も設置しないことが多いと思います。それでも室内を抗菌材料で計画したり、空気圧を陽圧にしたりする程度の機能を持たせていますし、使用する内視鏡の洗浄や置き場などの工夫も重要です。

また、患者さんとモニターを見ながら処置を行うため、モニターと処置用ベッド、内視鏡の設置位置も考慮します。さらに、術前後は術着に着替えてからの処置となりますから、着替えや術後のリカバリールームなどの設備も必要になります。

 

今後も医療機器や医療技術の進化で、日帰り手術の術範囲は広くなっていくでしょうし、患者側のニーズも多様化していくことが予想されます。空間の設計において求められることはドクター側にも患者側にもストレスがなく、できる限りのリスクを回避して安心・安全が担保される環境です。単に手術機能優先ではなく、手術機能上のマストアイテムと患者側の快適さがバランスよく計画されていくべきです。

【タカラスペースデザインによる案件のご紹介】

[リカバリー室 みなみ大通り眼科様]

[オペ室 おくしば眼科様]

[リカバリー室 桑園駅前内科クリニック様]

[内視鏡室 桑園駅前内科クリニック様]

[オペ室 永田眼科様]

※このコラムは、2017年12月現在の情報をもとに執筆しています。

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執筆者紹介

小川 正弘

小川 正弘
(おがわ まさひろ)

タカラスペースデザイン株式会社

新潟県長岡市出身、東京造形大学造形学部卒。タカラスペースデザイン株式会社 常務取締役、上海宝貝蒙空間設計工程有限公司 薫事、一級建築士・一級建築施工管理技士・インテリアプランナー。30年以上にわたり、理美容室・エステサロン・クリニックの内装・建築デザインに携わり、これまでに500施設以上の設計・施工管理経験を持つ。近年は中国における医療施設の設計業務に関わり、遼寧省瀋陽市「何氏眼科病院」の1,000㎡のリニュアル、設計デザイン他多数の中国案件を手掛ける。

タカラスペースデザイン株式会社のWebサイトはこちら

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