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フネの決意。医療法人を売ってください。

前回のあらすじ

事業承継対策に医療法人化することを考えたナミヘイとフネ。医療法人セミナーに参加し、改めて医療法人にすべきだと確信する。名称も決まり、理事も決まったところで……。

 20170113_kekei-zu-01

 

イソノ医院は、次回3月の医療法人申請に向けて、定期的に家族で話し合いを進めてきました。名称は『医療法人ISONO』、理事長にナミヘイ、理事にフネとサザエとカツオとワカメと決まり、後は申請日を待つだけとなりました。

 

 

次回の医療法人申請は来年3月か。半年も先だな。なになに、認可が下りてスタートできるのは、来年10月。まだ1年以上も先になるのか。かあさん、待ち遠しいなあ。

 

そうですね、おとうさん。その間に、カツオやワカメ、サザエも交えて、今後のイソノ医院の承継のことを話し合いしておきましょうね。カツオは継いでくれるのかしら?

 

ところで、かあさん、医療法人の申請にわしの健康診断書はいるかね?

 

履歴書とか印鑑証明書はいりますけど、健康診断は必要なかったのでは。そういえばこれ、届いていますよ。検診センターからお手紙が。

 

どれどれ、ちょうど先月受けた人間ドッグの結果が戻ってきたわい。どれどれ……あっ!

 

おとうさん、どうかしましたか?

 

……。

 

おとうさん!

 

どうやら、わしの寿命はそれほど長くはないようだ……わしは医者だから誰よりも身体のことは分っておる。まさか、ここまでわしが健康を害しているとは。早くイソノ医院の後継者を決めないと大変なことになるぞ。

 

うう、お、おとうさん……(涙)

 

1週間後の土曜日

 

 

今日、かあさんとサザエ、カツオ、そしてワカメにも集まってもらったのには訳がある。お父さんの身体は……

 

おとうさん……(涙)

 

……。(涙)

 

それは驚いた。何よりとうさんの身体が心配だけれど、今とりかかっている医療法人はどうなっちゃうの?イソノ医院はどうなっちゃうの?僕はどうすればいいの?(涙)

 

これ、みんな元気出しなさい。おとうさんも再検査を受けるそうなので。

 

1か月後の土曜日

 

 

再検査の結果、わしの余命は1年。医療法人の認可が下りる来年10月までは身体がもたないかもしれない。

 

……。(涙)

 

……。(涙)

 

おとうさん、もしもの時には、ぼくがイソノ医院を守っていくから心配しなくていいからね。

 

カ、カツオ、よく言った。ありがとう。最後に頼りになるのは、おまえだ。

 

カツオ、よく言いました。ところで、そうなると医療法人のことはどうなってしまうのかしら。今度、税理士のカサナミさんに聞いてみましょう。

 

2週間後の土曜日

 

 

もしものときには医療法人の申請はどうなってしまうのでしょうか?

 

このたびは、言葉もありません。恐れ入りますが、仕事のお話をさせていただきますと、このまま医療法人申請中に、もしものことがあると……。

 

それは困った。センセイどうすればいいのでしょうか? わしの寿命と認可がでるのとの時間比べになってしまうのか……。

 

医療法人の認可は医療審議会を経てからでないと前には進めません。そのため、毎回の認可が出る時期はおおよそ決まっています。

 

そんな。もしものときには、センセイ、何かいい方法はありませんか?

 

妙案があります。このまま医療法人を新規に設立するのではなく、すでにある医療法人を承継すれば、最短6ヶ月ぐらいで、そう来年の夏には医療法人としてスタートすることができます。これを医療法人M&Aといいます。しかし、ちょうどいいタイミングで承継したいという医療法人があればの話ですが。このような案件がでてくるのはとても稀なことです。

 

そういえば、わしと双子のウミヘイ兄さんが、そろそろ診療所を辞めたいとか言っておったな。あそこは医療法人だったし、うまく引き継がせてくれないものかな。

 

でも、タダで、というワケにはいきませんよね。きちんとお礼をしなくては。センセイ、こういったときにはどれぐらいがお礼の相場ですか?

 

決まったものはありません。あくまで両者の合意によります。ただ、よくあるのは●●●ぐらいです。しかし、最近では○○○といった話も聞きます。

 

ドヒャー。わしにはとうてい無理な話だわい。

 

おとうさん。安心してください。残してありますから。もしものときのために。昔からコツコツと。

 

さすがは、わしのかあさんだ。今までまったく気づかなかった(笑)。わしは、しばらく入院で動けなくなってしまうが、どうやって話すか。

 

わかりました。覚悟を決めて、私がウミヘイ兄さんにお会いしに行ってきます。

 

かあさん。ありがとう。わしからもウミヘイ兄さんに事情を話しておくよ。

 

2週間後、ウミヘイクリニックにて

 

 

辛いことですな。フネさん、あんたの気持ちはよく分りました。ナミヘイやカツオ君のためにも、この医療法人を引き継いでやってください。

 

お兄さん、ありがとうございます。うう……(涙)

 

こうして、夏の暑いとき、行政手続きを経て、ウミヘイの医療法人は承継され、ウミヘイクリニックは閉院。医療法人ISONOと名称を変更して、医療法人として改めてイソノ医院が開院されたのでした。ナミヘイは医療法人ISONOの理事長になり、フネ、カツオ、ワカメ、サザエは理事に就任。医療法人手続きをきっかけに、カツオは後継者としてイソノ医院を承継することを腹に決めました。しかし、ナミヘイの体調は日に日に悪くなっていく一方でなのでした。

次回につづく

 

●税理士笠浪真のワンポイントアドバイス

医療法人のM&Aはクリニックの事業承継にとって有効な手段となり得ます。しかし、M&Aの成功報酬は数百万円~数千万円と多額になることもあり、医療コンサルタントを名乗るブローカー等が暗躍しているため、注意が必要です。まずは、国家資格を持った税理士や公認会計士にご相談を。なかでも多くの医療機関をクライアントに持つ会計事務所に相談することをおすすめします。事業承継にあたっては、資産や負債を引き継ぐことがあります。そのため、決算書における資産はそれぞれいくらの価値があるのか、また負債は簿外負債があるのかないのかも確認しておく必要があります。例えば、就業規則等で役員・職員の退職金支給額が決まっているのであれば、負債として認識しておく必要があります。

また、医療法人の事業承継には行政の許認可が深く関わってきます。売主と買主が合意して売買が成立したからといって、買主がすぐに診療をスタートすることはできません。行政手続きを経てからでないと診療は開始できないのです。そのため、売買は成立したけれど、行政で認可が出なかったというトラブルを何度も聞いたことがあります。

弊社でも、医療法人の事業承継に多くの実績があります。医療法人設立・医療法人M&Aの詳細については、私が運営している「東京医療法人手続センター」のサイトをご覧ください。

 

経験豊かなサポートスタッフが、先生方一人ひとりのニーズに合わせた医院開業サポートを行っております。個別相談を無料で承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

mr-kasanami笠浪 真(かさなみ まこと)
税理士法人テラス 税理士・MBA
京都府出身。国立滋賀大学経済学部卒業の後、同大学院にてMBA取得。在宅・特別養護老人施設にて、介護士として医療福祉の現場に携わり、会計事務所・法律事務所・コンサルティング会社を経て、税理士事務所を開業。これらの経験を、さらに医療の現場に役立てたいとの思いから、慶應義塾大学大学院医療マネジメント専攻にて、医療経営を学び直す。平成25年「医師からファーストコールされる存在」として、病院・診療所・歯科医院の会計に専門特化した税理士法人テラスを設立。経営理念に共感した医師・歯科医師より、多くの支持を得る。
税理士法人テラスのサイトはこちら

※このコラムは、2017年1月現在の情報をもとに執筆しています。

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