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810x382_永井さん

「適正来院周期」を見なければ、集患増患はできない。

こんにちは。集患マーケターの永井です。

前回のコラムでは、「クリニック来院患者の『動き』を捉えずに、単純に『患者数』として扱って患者戦略や分析を実施することで、集患増患の効果が出ず、経営方針そのものを間違えてしまうことがある」と、事例を交えてお伝えしました。

今回は、その「動き」について、もう少し掘り下げてお伝えします。

レセプト分析も数字のマジックだらけ

先生方は、一度はこんな分析表を目にされたことがあるのではないでしょうか?これは「レセプト分析表」と呼ばれるものです。

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この「レセプト分析表」は、あるクリニックが、医療業界でもよく知られた老舗の会計事務所からアドバイスを受けた時に、実際に使用されたものです。

私は、これを見た瞬間に、意味のある分析表なのかどうかを判断できます。私だけでなく、前回までの連載記事に目を通していただいた先生方は、すぐに問題点を指摘できるでしょう。では、どこが問題なのでしょうか?

まず、この分析表には、必要な情報が欠けています。ここには、「新規患者」の数は書いてありますが、「再診患者」「流出患者」の記載はどこにも見当たりません。つまり、これだけでは基本的な「患者の動き」を正確に捉えられないのです。この時点で、アウトです。もし、この分析対象である医療機関において、「新規患者」の獲得数よりも「流出患者」の数が多ければ、優先的に実施しないといけないことは、新規患者獲得ではないはずです。

さらに、他にも誤解を生みかねない分析指標があります。それが、レセプト分析ではよく見る、「1日あたり、1人あたり、1件あたりの平均点数」の指標です。ところが、平均だけを評価指標に用いると、数字のマジックにはまって、失敗してしまいます。

とにかく「割る」には要注意

ここで、話を単純化するために、コンビニにたとえて具体的な例を挙げましょう。

ある消費者が、コンビニで、500円の弁当を1個と10円のチョコレートを9個購入したとします。その平均は当然59円ですよね。では、質問します。この59円という数字から、どんな経営戦略を考え出すことができますか?
「思いついた!」……なんてありえないはずです。これだけで何か思いつくほうがおかしいのです。平均化することは、多くの事象を見えにくくさせます。それなのに、多くのコンサルタントや、会計事務所はとにかく「割る」。その理由は、なんとなく分析しているようにクライアントに感じさせることができるからです。

「弁当とチョコレートという異なる種類のものを一緒にして割る。しかし、出てきた数値からは何の戦略も思いつかない……。」

この例は、そのまま医療機関にも当てはまるのです。なぜなら、先生のクリニックに来院されている患者さんにも、コンビニの中に置かれている商品と同様に、様々な種類があるからなのです。風邪のような急性疾患患者と慢性疾患患者、インフルエンザワクチンのみ摂取しに来た患者と季節性慢性疾患である花粉症患者など、様々な種類が存在します。

これらをすべてまとめて割ったところで、一体何が分かるのでしょう?
大切なのは、平均値ではなく、「医療機関に来院している様々な種類の患者さんを、どのように捉えていくのか」ということです。もちろんこれは、経営に直結する捉え方です。
その捉え方はいくつかあるのですが、今回は前回の話のように患者の「動きの種類」について考えてみます。

患者ごとに適正な「来院周期」が存在する

医療機関に来院する患者さんは、疾患の内容やその重症度によって、一人ひとり異なる動きをしています。いえ、正確にお伝えすると、“異なる動きをすべき”なのです。

例えば、ある患者は2週間に1回、ある患者は4週間に1回、またある患者は6週間に1回、というように、患者ごとにその疾患の内容や重症度によって、通院すべきタイミングがあるわけです。これを私は「適正来院周期」と呼んでいます。
このような、患者ごとの「適性来院周期」を把握する分析はとても重要です。ですが、世の中には、ほとんど存在しないのです。

コンサルタントや会計事務所から提案を受ける「レセプト分析」の中に、「月平均来院回数」という指標があるのはご存知だと思います。月単位で「延患者数÷実患者数」という数式で算出される指標ですが、そのほとんどが1ヶ月単位で指標を出してきます。つまり、「1ヶ月以内に2回以上来院した人はどれくらいの割合でいるのか」を見る指標になっているのです。
この場合、適正来院周期が6週間の患者さんはどうなるのでしょう?6週に一度、来院する患者さんが多くなれば、この月平均来院回数の数値はもちろん下がります。では、これは状況として悪くなったのかというと、そんなことはありません。たとえ、月平均来院回数の数値が減少したとしても、6週に一度、きっちり来院周期を守って通院していれば、まったく問題ないのです。

もちろん、この月平均来院回数の指標を活用し、患者一人あたりの来院回数を増やす、つまり来院の回転率をあげるということは、戦略上、必ずしも間違いとはいえません。しかし、患者さんによって疾患の種類や状態、検査内容、処方日数、ニーズなどは異なるため、簡単には来院回数をコントールできないのが実情です。極端な話ですが、年1回の内視鏡検査を受けている患者に、毎月検査を受けるように医療機関側がコントロールできるはずがありませんよね。

ここまでの話でご理解いただけたかと思うのですが、患者の「適正来院周期」の種類は様々です。ですから、それをひとくくりにまとめて、勝手に1ヶ月単位に区切って算出した指標を見ても、正しいか間違っているかを判断ができないのです。

患者ごとの来院周期をもとに「あるべき状態」を把握する

患者さんをひとくくりにせず、一人ひとりばらし、「適正来院周期」をもとに患者さんの動きを見れば、「自院のあるべき姿」と「やらないといけないこと」が自ずと見えてきます。

前回、以下の図を提示しました。「この患者数の推移に問題があるか?」という問いへの回答は、「患者数の推移を眺めているだけでは回答できない。その理由は、患者の動きを把握できないからだ」と説明しました。
では、ここでいう「患者の動き」はどのように把握して、評価すべきなのでしょうか?
鍵を握っているのは、「適正来院周期」です。

(図1)

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この「適正来院周期」をもとに、図1のあるべき姿を再度考えていきましょう。

まず、図1の患者数を患者一人ずつに分解してみると、以下のようになります。

(図2)

nagai12-3

棒グラフの人数は各月単位での来院数の合計を表し、下の表では、各患者が来院した月に●を付けています。

ここで各々の患者に、「適正来院周期」を設定します。今回は単純化するために、すべて慢性疾患患者として取り扱うことにします。
各患者に適正来院周期を設定し、実際に患者が来院する動きに着目すると、例えば患者Cは4ヶ月目までは毎月来院していたのに、5ヶ月目から急に来なくなっていますよね。また患者Eを見てみると、4ヶ月目は「適正来院周期」を守っていましたが、次の通院日である7ヶ月目に来院していないことが分かります。

このように、今まで通院していたのに急に中断したり、「適正来院周期」を守らずに通院している患者が多く存在するのです。「患者数」というひとくくりの数字にとらわれず、ばらして動きを確認し、患者ごとに「適正来院周期」を守っているのかどうかを見なければなりません。

では、ここで本来あるべき状態を確認しましょう。

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